染み抜きやシミ取り方法

プロが教えるカレーの染み抜きと簡単な落とし方

カレーの染み抜き
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染みの中でも特に厄介なカレーの染みも、正しい染み抜きの方法を知っていればきれいに落とすことができます。今回はカレーのシミの落とし方や、応急処置の方法をご紹介します。

カレーのシミの成分と落ちない理由

汚れには、水に溶けやすい水溶性の汚れと、水に溶けにくい油溶性の汚れがあります。

カレーは、水溶性と油溶性が混ざった“混合性の汚れ”のため、普通に水で洗っただけでは、油溶性の汚れが布の繊維に残る、シミが落ちにくくなってしまいます。

また、カレーに使われているターメリックというスパイスの中には、クルクミンという黄色の色素を持つ成分が含まれています。クルクミンはウコンともよばれるショウガの仲間で、天然の着色料として使われるほど沈着性が強いものです。

カレーのシミが落ちにくいのは、クルクミンが一番大きな原因で、衣類に付着すると繊維を染めてしまうので、一度染まると簡単には落ちないのです。

クルクミンは、時間が経てば経つほど繊維と強く結合し落ちにくくなってしまうので、シミが付いたら少しでも早く取り除くことが重要です。

カレーの染み抜き方法

食器用中性洗剤

カレーの染み抜きに必要な物

  • 食器用中性洗剤
  • 酸素系漂白剤
  • ティッシュ

カレーの染みには、洗濯用洗剤よりも食器用洗剤が効果的です。

食器用洗剤には界面活性剤が含まれていて、それが繊維の中の油溶性の汚れと結合し、水と一緒に外に汚れを運び出してくれる性質を持っているので、カレー染みに効果的なのです。

カレーの染み抜きの手順

(1)ティッシュで表面の具材を取りのぞきます。

(2)ぬるま湯で染みが付いた部分を優しく洗い、汚れを緩めます。

※冷水ではなくぬるま湯で洗うことで、粘度が下がりとりやすくなります。

(3)食器用洗剤を染みに直接かけて、優しくもみ込み汚れと馴染ませます。

(4)洗剤が汚れに馴染んだら、指でつまみながらもみ洗いをしてぬるま湯で洗い流します。

(5)落ちが悪ければ、(2)~(4)を繰り返します。

(6)酸素系漂白剤を染みに含ませ、ふつう通り洗濯機で洗濯しましょう。

時間が経ったカレーのシミを取る方法

時間が経ったカレーのシミにはオキシクリーンが最適です。

用意する物

  • オキシクリーン
  • バケツや洗面器などの容器
  • ゴム手袋

(1)バケツなどの容器に、オキシクリーンをスプーン1杯入れます。

(2)50℃のお湯4ℓを入れ、オキシクリーンを溶します。

(3)1時間~2時間程度つけ置きします。

(4)つけ置き後、ぬるま湯で軽くすすぎ通常通り洗濯しましょう。

カレーの染み抜きは胃腸薬や歯磨き粉で可能か?

胃腸薬でカレーの染み抜き

胃腸薬の中には食べ物の消化を助ける働きがあるので、お腹の中で消化するように汚れを落とすことができます。

用意するもの

  • 胃腸薬
  • 石鹸
  • 大根

(1)大根をスポンジ代わりに使い、水に溶かした胃腸薬と石鹸を交互につけていく。

(2)3分こすったら、胃腸薬がのこらないように、水ですすぎます。

(3)1・2を繰り返し行います。

歯磨き粉でカレーの染み抜き

歯磨き粉によるカレーのシミ抜き方法はあまり効果があるとは言えません。

歯磨き粉はクレンザーと同じで研磨作用があるため、汚れた部分を削り取るようなものです。衣類はデリケートなので、研磨して汚れを落とすよりも、簡単で効果の高い方法で染み抜きした方がよりきれいになります。

カレーの染み抜きはレモンやクエン酸で可能か?

レモンやクエン酸は衣類の汚れを取り除くためではなく、衣類を中性に戻す役割をしてくれます。

カレーのシミ抜きに使用する酸素系漂白剤はアルカリ性で、アルカリ性が残ったままだと衣類を痛めてしまうので、クエン酸水をシミ部分に流し込み中和します。

クエン酸の酸性成分が、すすぎ時に繊維に残るとゴワゴワとしがちな洗剤や、石けんカスを取り除いてくれる役割も果たしてくれます。さらに、除菌・消臭効果もあります。

カレーのシミは日光や紫外線で可能か?

日光に含まれる紫外線には色素を分解する働きがあり、クルクミンの色素を分解して色を薄くする効果が期待できます。紫外線は、カレー汚れの洗浄後に残った色素にだけに効くため、タンパク質などの他の汚れを十分取り除いた後に効果があります。

ただし、陰干しでなければいけない衣類や、デリケートな素材はダメージを受ける可能性があります。また、濃い色柄ものは紫外線で色あせする可能性もありますので注意しましょう。

また、“日光”ではなく“紫外線”によって色素が分解されるため、ネイル用紫外線ライトや除菌用紫外線ライトなどの方法でもカレーのシミを分解することが出来ます。

カレーのシミはアルコールで取れる?

混合性の汚れであるカレーのシミは、アルコールと食器用洗剤を使って落とすことができます。

シミの部分にアルコールを付け、歯ブラシで外側から内側に向かって軽くたたいていきます。汚れが浮かび上がってきたら、水で薄めた食器用洗剤をシミに付けて、タオルで軽くたたきながら汚れに浸透させます。

汚れをしっかり緩ませたら、タオルをお湯で軽く濡らし、シミの部分の汚れをたたいて落としましょう。先後に、通常の洗濯方法で洗濯をしてください。

外出先でカレーの染み抜きや応急措置の仕方

醤油やソースのシミが付いた服

シミは少しでも早い処置が肝心です。正しい方法で応急処置をすることによって、帰宅後の洗濯でシミを落としやすくすることが出来ますので覚えておきましょう。

1.カレーの固形物をティッシュで取り除きます。汚れが広がらないように、つまみ取りましょう。

2.少量の石けんやハンドソープをシミ部分につけ、濡らしたティッシュでつまみ、汚れを移していきます。

3.乾いたティッシュで押さえて、水分を吸い取ります。

※飲食店などのおしぼりは、塩素系漂白剤で処理されている場合が多いため、衣類の色落ちにつながる可能性があるので使わないようにしましょう。ティッシュがなければ飲食店の紙ナプキンで代用できます。

シミを残さないためには、自宅に帰ってからなるべく早い処置を行うことが大切です。シミがついた部分に液体酸素系漂白剤を直接つけて、普段通りにお洗濯しましょう。

カレーのシミが石鹸でピンクや赤くなる理由

石鹸で洗濯する

カレーのシミを石鹸で洗うと、シミの部分が赤に変色し、ビックリすることがありますが、心配はありません。クルクミンは酸性で黄色ですが、アルカリ性では赤色に変わる性質をもっています。

石鹸はアルカリ性なので、クルクミンは石けんと混ざることでアルカリ性になり、赤く変化するのです。しっかりすすいで石鹸を落としてしまえば、元の黄色にもどります。

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