服が色移りする原因と落とし方や防止方法をプロが解説

服の色移り染料イメージ
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いつもり通り洗濯をして洗濯機をあけたら色移りしていた!?なんていう経験はありませんか。それもお気に入りの洋服に移ってしまっていたらそのショックは大きいものです。

ここでは色移りする原因と防止策、色が移ってしまった後の落とし方と対処法を解説します。

服が色移りする原因と対処法

服が色移りするのは洗濯で色落ちする衣類と一緒に洗ったことだけではありません。実は色移りは意外な場面や条件でも起きています。

まずは色移りしやすい状況や条件から原因と対処法を考えていきしょう。

汗で服が色移りする原因と対処法

水溶性の染料を使用している服は、水に濡れると繊維表面から浮き上がって移動しやすくなります。

特に人のは染料の耐久性を低下させたり、染料自体を分解させる力があるため水分の中でも色移りを加速させてしまいます。

そのため汗をかいた洋服と一緒に別の服を洗濯籠で保管したり、一緒に放置していると色移りしやすくなります。

汗をかいた服と他の衣類を分けておくことや、汗をかいた後の洋服をしっかり乾かしておくことで対処できます。

ヘアカラーが服に色移りする原因と対処法

ヘアカラーをした日に髪を洗うとカラー剤でシャンプーの泡に色がついたり、洗い流す水に色が付いたり、さらには髪の毛を拭いたタオルまでも色が移ったことはないでしょうか。

メーカーやカラー剤によって差はあるものの、一般的には色が安定して定着するのは約1週間かかると言われています。そのためヘアカラー後しばらくはカラー剤の色移りに警戒しなければなりません。

表面に残ったカラー剤によって洋服の襟やまくらカバーまでも色移りしてしまうことも考えられます。

特に汗や入浴後などの水分を含んでいる状態は色が落ちやすいため、髪を洗う時はしっかり洗い流し、よく髪を乾かしましょう。

紙袋のインクが服に色移りする原因と対処法

紙袋はお店でもらったものを使うことが多いのであまり意識していませんが、印刷された紙袋は擦ると色落ちしてそのインクが服に触れると色移りすることがあります。

新聞紙のインクが手につくのと同じイメージです。

これらは、表面にニスやポリプロピレンのフィルムを貼り付けるPP加工がされていないため、触れるとインクが付いてしまいます。

服に触れない持ち方に変えることや、雨の日は雨カバーをつけてもらうなど直接触れないことで対処できます。

色移りしやすい条件

  • 紙袋全面に印刷がされている
  • 紙袋に表面加工がされていない
  • 濃い色のインクを使用している
  • 水に濡れた状態

洗濯中に色移りする原因と対処法

色移りの中でも最も起こりやすいのが洗濯中です。色移りしやすい条件がそろっているためです。その原因は大きく3つ挙げられます。

  1. 水で染料が溶けてしまう
  2. 洗浄時や脱水時に衣類が擦れる
  3. 湿った状態の衣類が重なっている

1.水で染料が溶けてしまう

冒頭でも述べましたが、水に濡れると水溶性の染料や加工剤は繊維表面から浮き上がり移動しやすくなります。それらが洗濯中の水に溶けて他の衣類に移ってしまうからです。

衣類には「染色堅牢度(せんしょくけんろうど)」という色の落ちにくさを測る基準が1~5級まで示されています。

数値が大きいほど染色に対して堅牢性が高く、小さいほど低いとされます。しかしその数値を私たち消費者はなかなか知ることはできません。

色の濃淡で堅牢度は測れませんが、色が薄いものは色移りしても目立ちにくいため、一般的に濃色の方が他の衣類へ色移りしやすいとされているのはそのためです。

ジーンズや濃色のもの新品の洋服は、単体や同士で洗って防ぎましょう。また色落ちテストを自分で行い予め色移りしやすい服かどうか知ることも大切でしょう。


2.洗浄時や脱水時に衣類が擦れる

洗濯機を使用した洗濯の工程では衣類同士を擦って洗浄したり、遠心力を使い水気を切ったりしています。このように濡れた状態での摩擦や遠心力も色移りしやすい状況です。

できるだけ洗濯中の摩擦を減らすためにも、一度に回す洗濯物の量を少なくすること、洗濯ネットを活用すること、弱流水のドライコースで洗濯するなどで抑制することはできます。


3.湿った状態の衣類が重なっている

洗濯完了後、すぐに干さずに放置しているとこれもまた色移りしやすい状態となります。

洗濯物の湿気で色が浮き上がりやすく、水分を含んだ衣類が重なっている状態はその重みで色移りをしてしまうことも考えられます。洗濯が終わったらすぐに取り出して干しましょう。

タンスなど収納で保管中に色移りする原因と対処法

洋服が眠っているタンスの中は目につくことがないので盲点になりがちですが、保管環境は色移りだけでなくあらゆるトラブルが起こりやすいため意外と重要です。

  1. 収納内に湿気が溜まっている
  2. 綺麗に乾いていない服を収納した
  3. 洋服で収納がパンパンになっている
  4. 防虫剤を2種類以上併用している

収納内に湿気が溜まると、その水分で色落ちし色移りが起きてしまいます。収納がパンパンになっていると湿気が溜まりやすい上に、服同士がくっついているので色移りのリスクは高いです。

収納内の湿気対策を行うと共に、長期保管する服は不織布製の衣類袋に入れましょう。

また、防虫剤を2種類以上使用するとそれぞれのガスの成分により防虫剤が液状になり、重ねて収納している洋服は色移りする可能性があります。

防虫剤の主な種類

(1)ピレスロイド系 (2)パラジクロルベンゼン (3)ナフタリン (4)しょうのう

ピレスロイド系は他の薬剤と併用可能ですが(2)~(4)は違う種類の薬剤と併用すると衣類にシミが付いたり、変色する場合があります。

残り湯で洗濯後に入浴剤が服に色移りした時の対処法

入浴剤を入れてお風呂を楽しんだ後、節水と思って残り湯を使いたくなる気持ちはよく分かります。しかし、入浴剤には残り湯を洗濯に使用して良いものと、そうでないものがあります。

温泉成分が入っているものや薬草湯は使えない物が多いので、入浴剤の注意書きをよく読んでから使用しましょう。

それだけではなく、入浴剤と柔軟剤を併用することで洗濯物に色移りすることもあります。

入浴剤に含まれるウラニン色素と柔軟成分が化学反応を起こして、洗濯物をピンク色にしてしまうことがあるからです。成分も関係しているため、残り湯の色だけで判断してはいけません。

残り湯を使用するならば「洗い」のみすることです。柔軟剤が投入される「すすぎ」においては水道を使うことで防ぐことができます。

残り湯には汚れや雑菌などが多く含まれていて、汚れ落ちが悪くなるので、極端な節約が必要な場合でない限りは、洗濯に使用しない事をおすすめします。

服のプリントが色移りする原因と対処法

服のプリントにはいくつかの方法がありますが、中でも色移りしやすいのがインクジェットプリントです生地に直接インクを吹き付ける印刷方法で摩擦や熱に弱いのが特徴です。

そのためプリントが施されているものは基本的には手洗いをおすすめしますが、一緒に洗濯する場合は洗濯ネットに入れることや裏返しにしてプリント部分が他の衣類と擦れないように工夫をしましょう。

洋服を購入する時にプリントの印刷方法までは分かりませんので、洗濯表示を必ず確認して正しく洗濯をしましょう

服の色移りの落とし方

色柄物と白物を一緒につけ置き洗い

それでは色移りしてしまった服の落とし方を説明します。

服を洗濯後に色移りした場合の落とし方

お湯で30分をめどにつけ置き洗いをしましょう。それでも落ちなければつけ置き時間を延ばします。

その際、お湯の温度が下がると洗浄力も落ちてしまいうので、そのままの状態で時間を置くよりも、もう一度新しくつけ置き洗いをやり直した方が効果的です

つけ置き洗い後はいつも通りの洗濯をして下さい。ポイントは以下の通りです。

つけ置き洗いのポイント

  • 色移りしたらすぐ
  • お湯を使う
  • 粉末の酸素系漂白剤を使用する
  • 重曹を足す

■色移りしたらすぐ

色移りは濡れている状態が一番元に戻る可能性が高いです。一度乾いてしまうと色移りした染料が定着してしまいますので色移りに気づいたらすぐに対処しましょう。

■お湯を使う

粉末の酸素系漂白剤は40℃以上のお湯に溶かすと効果を発揮します。つけ置き中に温度が下がり過ぎず効果が期待できるように高めの50℃前後がおすすめです。

■粉末の酸素系漂白剤を使用する

弱アルカリ性の洗濯洗剤を規定量の2~3倍にして使用する方法もありますが、アルカリ度の高い粉末の酸素系漂白剤がより効果的です。

■重曹を足す

更に洗浄力を高めたい場合は重曹との合わせ技があります。弱アルカリ性の重曹と酸性の酸素系漂白剤(液体)を中和させて洗浄力をアップさせる方法です。

泡の力で落とすためにこの2つをお湯に完全に溶かし入れず、色移りを落としたい部分の上で中和させたところにお湯を入れてつけ置く順番の方が漂白力が高まり、さらに効果が期待できます。

服の色移り後に時間が経った場合の落とし方

白い衣類に限り、塩素系漂白剤(ハイターなど)や還元系漂白剤(ハイドロハイターなど)で漂白する方法があります。色柄物には使用できませんので注意して下さい。

色移りした衣類を適量の漂白剤を溶かしたお湯につけ置きして漂白しましょう。

服の色移りが落ちない場合の対処法

これらの方法を試してみても落ちない場合はプロに依頼しましょう。クリーニング店や染み抜きを専門としているお店で対応してくれます。

先述の落とし方は生地に負担のかかることをしていますので、何度も繰り返すと服を傷めてしまったり、かえって別のトラブルを巻き起こす危険性もあります。

一度自分で試しても落ちなかった時、それが見極めるタイミングにもなってきます。

その洋服をお金をかけてでも復元したいのか、落とせるところまででOKとするのか、洋服の購入価格などによっては部屋着にするのも一つです。

服の色移りをクリーニング

ドライクリーニング染み抜き

服の色移りをクリーニングで落とせるか?

完全に落ちるかどうかは色移りの状態によって変わってきますが、クリーニングの工程でもある染み抜きで対応してくれます。一度相談してみましょう。

しかし染み抜きはクリーニング店の技術の差が出やすいので、事前にリサーチをして信頼できるクリーニング店を選ぶことをおすすめします。

また染み抜き無料と掲げているクリーニング店もありますが、この無料で行っている染み抜きは洗浄前の前処理として落とせるシミを指していることがほとんどです。

そのため色移りを落としたい場合は、有料の特殊シミ抜きでの対応となるでしょう。

服の色移りを落とすシミ取り方法とは?

一般家庭では使わないような薬剤などを駆使して色移りを戻す処理をしてくれます。取り方は移った染料や服の素材などの相性もあるためケースバイケースです。

そのためプロの豊富な知識と熟練の経験が必要と言えますので、安心して任せられるお店に依頼しましょう。

服の色移りをクリーニングで落とす値段

色移りの範囲や程度、服の素材やタイプによって幅がありますが、目安は1,000円~8,000円程度です。見積対応であったり、染み抜きをしてみてシミが取れたら料金が発生するようなシステムのお店もあります。

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