服に付いたハヤシライスのシミ抜きをプロが解説
日常生活の中で食べ物のシミは、気を付けてはいても汚れが服につくことは少なくありません。シミは時間が経てば経つほど、衣類の繊維に色素が沈着してしまうため、落としにくくなります。
ハヤシライスのシミに限らず、食べ物のシミがついてしまったら、できるだけ早く対処することが大切です。今回はハヤシライスのシミの落とし方や、応急処置の方法をご紹介します。
ハヤシライスの成分とシミが取れない理由
ハヤシライスのシミは、油溶性成分と水溶性成分の混合型で、その他に色素も含まれています。
色素を油分でコーティングしてしまっているため、洗濯用洗剤だけで落とそうとしても、なかなか簡単には落ちてくれません。まず油性水生処理を行い、落ちが悪ければさらに色素の処理を行います。
また、汚れを放置してしまうと、時間と共に頑固なシミになってしまい取れなくなるので、なるべく早く洗濯や染み抜きを行う必要があります。
ハヤシライスの染み抜き方法
ハヤシライスの染み抜きを始める前に、洗濯表示を確認して下さい。
桶に40は液温は40℃を限度とし、洗濯機で洗濯できる | |
桶に手は40℃を限度に手洗い可能 | |
桶に×は家庭での洗濯禁止 |
手洗いマークは手洗いで、家庭での洗濯禁止はクリーニングへ依頼しましょう。
三角は塩素系及び酸素系の漂白剤を使用可能 | |
三角に斜め線2本は酸素系漂白剤は使用可能だが塩素系漂白剤は使用禁止 | |
三角に×は塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止 |
漂白剤を使うので、酸素系漂白剤が使用可能かも洗濯表示で確認し、問題なければ染み抜きを進めて下さい。
ハヤシライスの染み抜きに必要な物
食器用洗剤には、油を分解させるための成分が配合されているため、ハヤシライスの油分を分解するには、食器用洗剤を使うのがおすすめです。
- 食器用洗剤
- 液体酸素系漂白剤
- セスキ炭酸ソーダ(重層)
- クエン酸
- 歯ブラシ
- ドライヤーまたは熱湯
ハヤシライスの染み抜き手順
混合型のシミは、先に油汚れを分解するのがポイントです。
色素が目立つので、つい漂白剤を先に行ってしまいがちですが、実はそれらの汚れをくるんでいる油分を先に分解させてから、水に溶けやすい色素を落とすことが大切です。
まずは、食器用洗剤をシミ部分に付けて、歯ブラシで擦らないようにトントンと軽く叩きます。すすいでシミが落ちていれば良いですが、落ちていない場合は漂白剤を使います。
1.固形物がある場合はシミを広げないように注意しながら、つまんで取り除きましょう。
2.シミ部分にセスキ炭酸ソーダをふりかけ、その上から酸素系漂白剤をかけます。
3.ドライヤーで加熱するか、コップに熱湯を入れ、シミ部分にゆっくりかけて5分~10分ほど放置します。
4.アルカリ性を中和するために、クエン酸を水に溶かしたものをシミ部分にかけます。
5.シミが残っていたら、根気よく同じ作業を繰り返しましょう。
6.シミが落ちたら、いつも通り洗濯機で洗って完了です。
ゴシゴシ擦って生地を痛めないように注意しましょう。
時間が経ったハヤシライスのシミの落とし方
時間が経ったハヤシライスのシミにはオキシクリーンが最適です。
用意する物
- オキシクリーン
- バケツや洗面器などの容器
- ゴム手袋
手順
1.バケツなどの容器に、オキシクリーンをスプーン1杯入れます。
2.50℃のお湯4ℓを入れ、オキシクリーンを溶します。
3.1時間~2時間程度つけ置きします。
4.つけ置き後、汚れ部分を軽くもみ洗いし、ぬるま湯で軽くすすぎます。
5.シミが落ちたら、ふつう通り洗濯機で洗って完了です。
ハヤシライスのシミの応急処置
シミは少しでも早い処置が肝心です。正しい方法で応急処置をすることによって、帰宅後の洗濯でシミを落としやすくすることが出来ますので覚えておきましょう。
用意するもの
- ティッシュや紙ナプキン
- ハンドソープ、石鹸など
手順
1.まずはシミを広げないように注意しながら、固形物をつまんで取り除きましょう。
2.ティッシュや紙ナプキンで、表面に付着した油分を吸い取ります。
3.シミの裏側にティッシュなどをあてます。水で濡らしたティッシュにハンドソープや石鹸をつけ、シミ部分を軽くトントンたたきティッシュにシミを移していきます。
4.シミの裏側のティッシュを取りかえ、水を含ませた新しいティッシュで押さえ、服に残っている石鹸や洗剤を取ります。
5.乾いたティッシュなどで水分をしっかり吸い取ります。
慌てて擦ってしまうとシミが広がり、落ちにくくなってしまいますので注意してください。また、飲食店などのおしぼりは、塩素系漂白剤で処理されている場合が多いため、衣類の色落ちにつながる可能性があるので使わないようにしましょう。