服に付いたケチャップのシミ抜きをプロが解説

いろいろな料理に欠かせない調味料のひとつであるケチャップですが、衣類に付いてしまい、なかなか落ちなくて困ったことがある方は多いのではないでしょうか。
正しいシミ抜き方法を覚えておけば、いざというときもあわてずに対処できますので、ぜひ参考にしてください。
ケチャップの成分とシミが取れない理由
ケチャップは鮮やかな赤い色が特徴ですが、この赤い色はトマトに含まれているリコピンという色素成分です。
このリコピンはたんぱく質などを少量含んでいますが、そのほとんどは水分で水に溶けやすいと言う性質があります。
ケチャップは水溶性のシミのため、比較的落ちやすいシミなのですが、衣類に付着するとしみ込みやすく、リコピンが衣類の繊維に入り込んでしまうと、反対に落としにくくなってしまいます。
シミが繊維にしみこんでしまう前に、手早く処置をすることが大切です。
ケチャップの染み抜き方法

ケチャップは水溶性のシミなので、中性洗剤か食器用洗剤を使うとキレイに落とすことができます。
洗濯表示を確認する
![]() | 桶に60は液温は60℃を限度とし、洗濯機で洗濯できる |
![]() | 桶に手は40℃を限度に手洗い可能 |
![]() | 桶に×は家庭での洗濯禁止 |
洗濯表示を確認し洗濯機可なら以下で説明する手順通りに、手洗いのみ可の場合は最後の仕上げは手洗いで、家庭洗濯禁止の場合はクリーニングに依頼して下さい。
ケチャップの染み抜きで用意する物
- 中性洗剤か食器用洗剤
- 歯ブラシ
- タオル
ケチャップの染み抜き手順
素材によっては水で洗えないものもあるので、まずは自宅で洗濯可能な衣類なのかを洗濯表示で確認してから、シミ抜きを行うようにしましょう。
1.シミが付いた部分を裏返し、シミの部分にタオルを当てます。
2.食器用洗剤を歯ブラシにつけ、シミ部分を優しくトントン叩きタオルにシミを移していきます。
3.ぬるま湯ですすぎ、洗剤を洗い流します。
4.シミが落ちたら、ふつう通り洗濯機で洗いましょう。
歯磨き粉でケチャップのシミは取れる?
ケチャップのシミは水溶性なので、付いてすぐのシミなら水や洗剤で落とすことが出来るのですが、時間が経ってしまった場合、洗剤を使用してもなかなか落ちてはくれません。
歯磨き粉に含まれている研磨剤は、繊維の中に入り込んだ汚れをかき出してくれます。
1.シミ部分をぬるま湯で湿らせます。
2.歯ブラシに歯磨き粉を少量付けて、シミ部分を優しくトントンと叩きます。
3.歯磨き粉が足りなくなったら、少しずつ足してシミを落としていきます。
4.シミが落ちたら、しっかりすすぎます。
5.最後に、いつも通り洗濯機で洗いましょう。
重曹でケチャップのシミは取れる?
ケチャップは酸性なので、アルカリ性の重曹によって中和され、汚れが取れやすくなります。
1.水3:重曹1の割合で混ぜ合わせ、重曹ペーストを作ります。
2.シミ全体を覆うように重曹パックを塗り、なじませます。
3.そのまま、30分程放置します。
4.ぬるま湯ですすぎ、重曹を洗い流します。
5.シミが落ちたら、ふつう通り洗濯機で洗いましょう。
日光など紫外線でケチャップのシミは取れる?
リコピンは、紫外線によって分解されやすい性質があります。
日光に含まれる紫外線には色素を分解する働きがあり、リコピンの色素を分解して色を薄くする効果が期待できます。
紫外線は、ケチャップの洗浄後に残った色素にだけに効くため、他の汚れを十分取り除いた後に効果があります。
![]() | 四角に1つの縦棒はつり干しが良い |
![]() | 四角に1つの縦棒に斜め線は日陰でつり干しが良い |
ただし、陰干しでなければいけない衣類や、デリケートな素材を天日干ししてしまうと、ダメージを受ける可能性があります。
また、濃い色柄ものは紫外線で色あせする可能性もあるので、洗濯表示を確認しておきましょう。
斜め線が入っていなければ、天日干し可能です。
この方法は、日光ではなく紫外線によって色素が分解されるため、ネイル用紫外線ライトや除菌用紫外線ライトなどの方法でもシミを分解することが出来ます。
時間が経ったケチャップのシミの落とし方
ケチャップのシミは、食器用洗剤で落とすことができますが、長時間放置してしまうと、簡単には落ちなくなってしまいます。
時間が経って落ちにくくなってしまったシミには、固形石鹸と漂白剤を使って落としていきましょう。
![]() | 三角は塩素系及び酸素系の漂白剤を使用可能 |
![]() | 三角に斜め線2本は酸素系漂白剤は使用可能だが塩素系漂白剤は使用禁止 |
![]() | 三角に×は塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止 |
用意する物
- 固形石鹸
- 酸素系漂白剤
- 歯ブラシ
- タオル
手順
1.シミ部分をぬるま湯でぬらします。
2.固形石鹸をシミに塗り込みます。
3.シミがついている部分を裏返し、シミの部分にタオルを当てます。
4.シミ部分を優しくトントン叩きタオルにシミを移していきます。
5.ぬるま湯で軽くすすぎ、石鹸成分を落とします。
6.酸素系漂白剤を加えて、ふつう通り洗濯機で洗いましょう。
※シミに酸素系漂白剤を直接つけて洗濯するのも効果的です
外出先でケチャップのシミの応急処置
シミは少しでも早い処置が肝心です。シミが繊維にしみこんでしまう前に、手早く応急処置をしましょう。
正しい方法で応急処置をすることによって、帰宅後の洗濯でシミを落としやすくすることが出来ますので覚えておきましょう。
ケチャップは水溶性のものなので、水だけでも十分に落ちるのですが、落ちにくいときは、ハンドソープや石鹸などをつけて落とします。
用意するもの
- ティッシュや紙ナプキン
- ハンドソープ、石鹸など
手順
1.シミを広げないように注意しながら、ティッシュや紙ナプキンでついたケチャップを取りのぞきます。
2.シミの裏側にティッシュなどをあて、水で濡らしたティッシュにハンドソープや石鹸をつけ、シミ部分を軽くトントンたたきティッシュにシミを移していきます。
3.シミの裏側のティッシュを取りかえ、水を含ませた新しいティッシュで押さえ、服に残っている石鹸や洗剤を取ります。
4.乾いたティッシュなどで水分をしっかり吸い取ります。
シミを残さないためには、自宅に帰ってからなるべく早くシミ抜きを行いましょう。自宅で落ちないシミや大切なお洋服の場合は、無理をせずにできるだけ早めに信頼できるプロのクリーニング店に相談しましょう。