尿染みのシミ抜きや落とし方をクリーニングのプロが解説

尿漏れや、小さなお子さんのおねしょで衣類にシミやにおいが残ってしまい、困っている方は多いのではないでしょうか。
大切な衣類にシミを残さないために、正しいシミ抜き方法を覚えておけばあわてずに対処できますので、ぜひ参考にしてください。
尿染みの成分とシミが取れない理由
尿漏れで衣類にシミや臭いが残るのは、尿に含まれるたんぱく質などの汚れ成分や、汚れに作用して臭い物質を生み出す菌が原因です。
尿のシミは、水に溶けやすい「水溶性」のシミになるため、ついたばかりであれば水洗いで落とすことが出来ます。
そのため、すぐに洗い流して洗濯機で洗えば、十分に汚れを取り除くことが可能ですが、時間が経ってしまうと繊維に定着し、黄色く変色して非常に落ちにくいシミに変化してしまいます。
また、突発的なおもらしは比較的に簡単に落とすことができますが、じわじわと付いた尿漏れはシミ抜きが困難で、シミの落ち方が全く異なります。
尿染みの染み抜き方法

尿染みが出来て間もない黄色く変色し定着する前なら、通常の洗濯でも綺麗に落とせますが、時間が経った場合は染み抜きが必要です。先ずは洗濯表示を確認しましょう。
![]() | 桶に60は液温は60℃を限度とし、洗濯機で洗濯できる |
![]() | 桶に手は40℃を限度に手洗い可能 |
![]() | 桶に×は家庭での洗濯禁止 |
尿染みの染み抜き手順
普通に洗濯しただけでは落ちない尿の黄ばみには、漂白剤を使用しましょう。
漂白剤は繊維の中に染み込んだシミの色素を分解し、臭いの原因菌を落とします。酸素系漂白剤であれば、色柄物にも安心して使うことができます。
漂白剤での尿染みの染み抜き手順
用意する物
- 液体酸素系漂白剤
- 洗面器やバケツなどの容器
- 歯ブラシまたは綿棒
- タオル
漂白剤を使う場合は以下の洗濯表示も確認して下さい。
![]() | 三角は塩素系及び酸素系の漂白剤を使用可能 |
![]() | 三角に斜め線2本は酸素系漂白剤は使用可能だが塩素系漂白剤は使用禁止 |
![]() | 三角に×は塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止 |
使用可能であっても、色落ちしないかどうか、衣類の目立たないところで確認してからシミ抜きを行いましょう。
1.シミの裏側にタオルを置きます。
2.シミ部分に液体酸素系漂白剤をかけ、歯ブラシや綿棒でシミをトントンと軽く叩きます。
3.そのまま5~10分放置します。
4.洗面器やバケツなどの容器に40℃程度のお湯を入れ、液体酸素系漂白剤を規定量溶かし、30分~2時間ほどつけ置きします。※2時間以上のつけ置きは衣類を傷めたり、色落ちの原因となりますので注意しましょう。
5.最後に、衣類の洗濯表示に合った洗濯方法で洗濯をします。洗濯機が使える衣類であれば、そのまま洗濯機に入れて通常通り洗濯をしましょう。
セスキ炭酸ソーダでの尿染みの染み抜き手順
尿のシミが取れにくいのは、尿に含まれるタンパク質が固まってしまっているためです。
このタンパク質を分解する力が強い、アルカリ剤の一種であるセスキ炭酸ソーダは、重曹に炭酸塩を加えたもので、重曹よりも粒子が細かく、水に溶けやすいという利点を持っています。
洗浄力に対して、セスキ炭酸ソーダは肌への刺激が穏やかなのも魅力です。
用意する物
- セスキ炭酸ソーダ
- クエン酸
- スプレーボトル
- 歯ブラシ
1.スプレーボトルに水500ml、セスキ炭酸ソーダを小さじ1杯を加えてよく混ぜます。
2.シミ部分に溶液をたっぷりとスプレーします。
3.10分~20分程度放置して、水ですすぎます。
4.水200mlに対してクエン酸小さじ1杯を溶かし、歯ブラシでシミ部分に叩き込みます。
5.シミが落ちたら、ぬるま湯でよくすすぎます。
6.最後に、衣類の洗濯表示に合った洗濯方法で洗濯をします。洗濯機が使える衣類であれば、そのまま洗濯機に入れて通常通り洗濯をしましょう。
お酢での尿染みの染み抜き手順
色落ちが心配な衣類や、デリケートな素材にはお酢を使ったシミ抜き方法がおすすめです。お酢は酸性のため、アルカリ性の尿の汚れだけでなく、臭いもしっかり落とすことができます。
お酢は揮発性なので、蒸発すればお酢の臭いは気にならなくなりますので、洗えないカーペットやソファーなどにも使えます。
用意する物
- お酢
- スプレーボトル
- タオルまたはキッチンペーパー
お酢でのシミ抜き手順
1.スプレーボトルに、お酢と水を1:2の割合で入れます。
2.シミ部分にたっぷりと振りかけ、タオルやキッチンペーパーで水分を拭き取ります。
3.尿のシミが取れるまで繰り返しましょう。
4.シミ、臭いがとれたら、天日干ししてしっかり乾かしましょう。
自宅で落ちないシミやデリケートな素材、大切なお洋服の場合は、無理をせずにできるだけ早めに信頼できるプロのクリーニング店に相談しましょう。
その際、尿が原因であることを伝え、それに合った対応をしてもらいましょう。