プロが教えるセーラー服の洗濯方法と汚れの落とし方
セーラー服の汚れやシミは学生生活の避けられない問題です。
また、普段着ている衣類と違って、自宅では洗濯できないのではないかと考える方も少なくないでしょう。また、洗濯ができたとしても、正しい洗濯方法やシミの落とし方を知らない人が多いのも事実。
そこで、この記事では、洗濯のプロがセーラー服の正しいお手入れ方法を分かりやすくご紹介します。
セーラー服の洗濯の注意点
まず、セーラー服の洗濯を行う前に、事前に注意点を把握しておきましょう。
- 洗濯タグを確認する
- ポケットの中身、ほつれや取れかけたボタンがないか
- 上下セットで洗う
- おしゃれ着洗剤を使う
- 洗濯ネットに入れる
■洗濯タグを確認する
洗濯タグには、その服を洗濯する際の推奨される方法が記載されています。
桶に30下に横棒2本は液温は30℃を限度とし、洗濯機で非常に弱い洗濯ができる | |
桶に40下に横棒2本は液温は40℃を限度とし、洗濯機で非常に弱い洗濯ができる | |
桶に手は40℃を限度に手洗い可能 | |
桶に×は家庭での洗濯禁止 |
家庭での洗濯禁止の場合は、クリーニング店へ依頼しましょう。
■ポケットの中身、ほつれや取れかけたボタンがないか
ポケットに小物やゴミが残っていると、洗濯中に服や洗濯機にゴミまみれになることがあります。物によっては、洗濯物に色移りするリスクも。また、ほつれや取れかけのボタンがないかをチェックし、もしあればきれいに補正し直すか、またはボタンを一旦外しておきましょう。
■上下セットで洗う
上下別で洗濯してしまうと、色の差が発生してしまいます。そのため、色や質感の統一を保つためにもできるだけ上下セットで洗うようにしましょう。
■おしゃれ着洗剤を使う
通常の洗剤よりも優しい成分のおしゃれ着用洗剤を使用することで、服の色や素材を守りながら汚れを落とすことができます。
■洗濯ネットに入れる
洗濯ネットに入れることによって、洗濯中の摩擦から生地を守ります。また、他の衣類との絡まり防止にも最適です。
セーラー服の洗濯方法
セーラー服の洗濯におすすめの洗剤
■エマール 着用を繰り返してできた、伸びやヨレを エマールで洗うことによって元通りに。 泡切れもよく、すすぎ1回でOK。 ふわりと続く アロマティックブーケの香りに気分が華やぎます。 | |
■アクロン 繊維保護成分(SAPA)がセーラー服のテカリを 目立たなくするとともに、テカリの発生も抑えます。 セーラー服の色合いを守り、シルエットもキープしながら 洗い上げる。 |
セーラー服の洗濯機での洗い方
基本的に、セーラー服の洗濯には「手洗い」をおすすめします。
ですが、どうしても洗濯機で洗う場合は、服を長持ちさせ、形崩れや色褪せを防ぐためのも、以下の手順に沿って丁寧に洗濯しましょう。
- おしゃれ着洗剤
- 洗濯ネット
- 洗濯タグの指示に従い、適切な水温や洗濯モードを確認します。
- ポケットの中を確認し、中身を取り出します。
- ボタンやファスナーは閉じ、ほつれや破損がないかを確認し、必要なら修理します。
- 汚れやシミがある場合は、事前にポイント洗いをしてください。
- 色褪せを防ぐため、色物と白物は分けて洗います。
- 形崩れを防ぐため、セーラー服は洗濯ネットに入れて洗います。特に装飾がある場合やデリケートな素材の場合は、ネットの使用が必須です。
- おしゃれ着用の洗剤を使用します。これは、デリケートな素材や色を傷めずに汚れを落とすのに効果的です。
- セーラー服の素材に応じて、優しい洗濯モード(例えば「手洗い」や「デリケート」モード)を選択します。
- 洗濯タグに指定されている水温を守ります。一般的には、30℃から40℃のぬるま湯が適しています。
- 脱水は短めに設定し、服が傷まないようにします。
- 洗濯が終わったら、すぐに取り出しましょう。
セーラー服の手洗い方法
セーラー服を手洗いする場合、特にデリケートな素材やデザインの場合には、以下の手順に従って慎重に洗濯しましょう。
- タライ
- おしゃれ着洗剤
- ぬるま湯
- まずは洗濯タグの指示を確認し、適切な洗剤と水温を選びます。
- ポケットの中身を確認し、取り出します。
- ボタンやファスナーを閉じ、ほつれや破損がないかチェックします。
- 汚れやシミがある場合は、事前にポイント洗いをしてください。
- タライに、洗濯タグで推奨された水温の水を満たします。
- おしゃれ着用洗剤を適量溶かします。強い洗剤は避け、デリケートな素材に優しい洗剤を選びましょう。
- セーラー服を水に浸し、やさしく押し洗いをします。強くこすったり、絞ったりしないように注意してください。
- 特に汚れが目立つ部分は、指で優しくたたくようにして汚れを落とします。
- 洗剤が残らないように丁寧にすすぎます。この時、洗濯水を何度か替えると良いでしょう。
- 軽く押し出して水を切りますが、絞ると服が傷むので避けてください。
- 大きめのタオルに包んで、優しく押して余分な水分を吸い取ります。
セーラー服の襟や脇やスカーフの黄ばみの落とし方
セーラー服の襟や脇の部分、スカーフにできる黄ばみは、汗や皮脂、摩擦などによって発生しやすいものです。
これらの部分の黄ばみを効果的に落とすためには、以下の手順を参考にしてください。
【食器洗剤を使う場合(簡単な黄ばみ)】
- 洗面器
- 食器洗剤
- 歯ブラシ
- ぬるま湯
黄ばみが落ちずらい場合、歯ブラシで軽く擦る
【セスキ炭酸ソーダを使う場合(時間が経った黄ばみ)】
- 洗面器
- スプレータイプのセスキ炭酸ソーダ
- ぬるま湯
【酸素系漂白剤を使う場合】
- 洗面器
- 液体の酸素系漂白剤
- ぬるま湯
黄ばみは時間が経つにつれて落ちにくくなるため、早めの対処が効果的です。素材によっては特定の洗剤や漂白剤が適していない場合もあるので注意して、定期的なケアと適切な洗濯方法で、セーラー服を清潔で美しい状態に保ちましょう。
セーラー服の白線部分の汚れの落とし方
セーラー服における白線部分(例えば襟や袖口など)は特に汚れやすく、また汚れが目立ちやすい部分です。このような部分汚れを効果的に落とすには、以下の方法をお試しください。
- 固形石鹼
- 歯ブラシ
- ぬるま湯
力を入れすぎないように注意し、汚れを丁寧に落とします。
セーラー服のおすすめ洗濯頻度
セーラー服の洗濯頻度は、使用状況や季節、個人の活動レベルなどによって異なります。
そこで、一般的なガイドラインとして以下の点を考慮すると良いでしょう。
■定期的な洗濯
夏服の場合、夏は汗を多くかくので汗や皮脂は汚れや臭いの原因となります。放置すると黄ばみや生地の劣化につながることがあくため、セーラー服は毎日洗濯することをおすすめします。
冬服の場合、冬は比較的汗をかきにくいため、夏服と比較して洗濯の頻度は少ないですが、月に2回程度を目安にしましょう。しかし、長い着用期間や密閉された室内での着用により、臭いが付着しやすいことも考慮する必要があります。
季節関係なく汗をかいたり、明らかな汚れが付いた場合はできるだけ早く洗濯することが望ましいです。
■適切なケアと保管
着用後は、セーラー服を風通しの良い場所で干しておくことをおすすめします。湿度が高い、直射日光が当たる場所は、カビや色褪せの原因にも繋がるので避けましょう。
セーラー服のお手入れは、ただ洗濯するだけでなく、いかにして服を長持ちさせ美しい状態を維持するかということにも関わってきます。服の状態を定期的にチェックし、必要に応じて洗濯を行いましょう。
セーラー服の干し方や乾燥機の使い方
セーラー服を干す際には、形崩れや色褪せを防ぐためにいくつかのポイントを考慮することが重要です。
【干し方のポイント】
■水気を取り形を整える
洗濯後、セーラー服から余分な水分を優しく取り除きます。強く絞るのではなく、軽く押して水を切るか、タオルに包んで吸水させるのが効果的です。また干す前に、襟や袖、裾などが正しい位置にあることを確認し、必要に応じて手で軽く伸ばして形を整えましょう。
ハンガーにかけて干すと形が保たれやすいので、肩部分が太めで服の重さに耐えられる丈夫なハンガーを使いましょう。
■陰干しをする
直射日光は色褪せや素材の劣化を引き起こす可能性があるため、セーラー服は風通しの良い場所で陰干しすることをおすすめします。
【乾燥機の使用について】
セーラー服の素材や構造によっては、基本的に乾燥機の使用はおすすめしません。
ですが、どうしても乾燥機を使用する際には、セーラー服に付いている洗濯表示タグを確認し、乾燥機の使用が可能かどうかを確認します。可能な限り低温・乾燥時間は短く設定し、セーラー服が完全に乾燥する前に取り出しましょう。
取り出した後は、風通しの良い陰で自然乾燥させてください。
セーラー服のシワ取りとアイロンの掛け方
セーラー服のシワ取りとアイロン掛けは、服の見た目を整え、きちんとした印象を保つために重要です。
以下の手順に従って、セーラー服にアイロンをかける際のポイントをご紹介します。
まずは、アイロンが使用できるのか確認しましょう。
アイロンに点が1つは温度110℃を限度としてスチーム無しでアイロンかけ可能 | |
アイロンに点が2つは温度150℃を限度としてアイロンかけ可能 | |
イロンに点が2つは温度200℃を限度としてアイロンかけ可能 | |
アイロンに×はアイロンがけ禁止 |
【スチームアイロンを使う場合】
- スチームアイロン
一般的には、低〜中温が適していますが、合成繊維の場合は低温が望ましいです。
シワが強い場合、蒸気を使うとシワが取れやすくなります。また、アイロンが直接服に触れるのを避けるために、薄い布を間に挟むことも効果的です。
これにより、アイロン掛けで整えた形が定着します。
【霧吹きを使う場合】
霧吹きボトルに40度程度のぬるま湯を入れて、セーラー服のシワ部分に吹きかけます。この時に、かけすぎないように注意。そのあとは、風通しの良い場所に半日~1日干すことでシワを取ることができます。
アイロン掛けは、セーラー服の見た目を整えるだけでなく、服の寿命を延ばす上でも重要なケアの一つです。焦らず丁寧に作業を進めることが、セーラー服のシワ取りとアイロン掛けのコツです。
セーラー服のテカリの直し方
セーラー服のテカリは、長時間の使用や特定の部分への摩擦、圧力によって生じます。完全に元通りに戻すのは難しい場合がありますが、テカリ対策としては、日常的な摩擦を最小限に抑えることも大切になってきます。
例えば、自転車通学時には適切なカバーやクッションを使用する、机や椅子に座る際には服の位置を調整するなど、日常生活の中で少し意識を変えるだけで、テカリを防ぐ助けになります。
また、セーラー服の素材や色によっては、一般的な方法が適していない場合がありますので、試す前に洗濯表示や素材の特性を確認することが大切です。
【直し方】
■蒸気を使った方法
スチームアイロンを使用して蒸気を当てることで、テカリが生じた部分の繊維を立ち上げることができます。アイロンは低温設定にし、服のテカリが生じている部分に直接当てるのではなく、当て布を間に挟んでから蒸気を当てましょう。
■ブラッシング
柔らかい衣類用ブラシを使って、テカリが生じた部分を優しくブラッシングします。ブラッシングによって、繊維が立ち上がり、テカリが目立たなくなります。
■霧吹きを吹きかける
テカリ部分に軽く水をスプレーし、自然乾燥させる方法も効果的です。ただし、水分が多すぎると服にダメージを与える可能性があるため、かけすぎないように注意してください。
■クリーニング店へ依頼する
頑固なテカリや、自宅でのケアに自信がない場合は、クリーニング店へ相談するのも一つの選択肢です。プロの技術で繊維の状態を整え、テカリを改善することが可能です。
セーラー服の衣替え時の収納や保管方法
セーラー服の衣替えを行う際、いつも通りだとシワやカビ、虫食いなどのトラブルの原因になります。そこで、以下の方法で保管をしましょう。
■清潔してほつれなどは補正しておく
収納前にセーラー服をきれいに洗濯し、完全に乾燥させます。汚れや汗が残っていると、保管中に黄ばみや臭いの原因となる可能性があります。また、収納前にほつれや破れ、取れかけたボタンなどがないかを確認し必要に応じて補正しておきましょう。
■防虫・防カビ対策
防虫剤や乾燥剤を使用して、虫食いやカビの発生を防ぎます。ただし、直接服に触れないようにし、ハンガーにかけて保管しましょう。ハンガーにかける場合は、服の形を崩さないような肩部分が太めになったハンガーを選び、スカート部分はスカートハンガーを使用すると良いでしょう。
■通気性の良い場所に保管する
通気性の良い場所に収納し、湿気が多い場所や直射日光の当たる場所は避けましょう。長期間保管する場合は、定期的に服の状態を確認し、風通しを良くするために一度出して干すことをおすすめします。
適切な保管は、服の寿命を延ばし、長期間にわたり快適に使用することにも繋がります。服を保管する際は、素材やデザインに応じた注意が必要ですので、洗濯表示や素材の特性を確認することをお忘れなく。
セーラー服のクリーニング料金相場と日数
セーラー服のクリーニング料金は、店舗や地域により多少の差異がありますが、一般的には1,000円~2,500円ほどです。
また、クリーニングに要する時間は、大体2日~7日の間で仕上がることが標準的ですが、店舗や時期、さらには追加したオプション(シミ取りなど)によって返却日が変わってきます。そのため、クリーニングに出すタイミングは必要な日程から逆算して依頼するようにしましょう。
セーラー服のような特別な衣類のクリーニングを依頼する際は、店舗の評判や専門性を事前に確認しておくこともおすすめ。最適なクリーニングサービスを選ぶためには、各店舗に直接問い合わせて、具体的な料金と仕上がり時間を確認することをおすすめします。