シルクのシワの取り方と失敗しないアイロンの掛け方

シルクは、とてもデリケートで耐熱温度が低い素材です。そのため、一般的な服と同じようにアイロンをかけてしまうとトラブルの原因となり、せっかくのシルクが台無しとなってしまいます。
ですが、シルクだからといってアイロンが使用できないわけではありません。温度や掛け方のコツをしっかりおさえておけばシルクにアイロン掛けができます。
そこで、シルクの正しいアイロンの掛け方やシワの取り方について、説明していきます。
【シルクとは】
カイコが作り出す繭(まゆ)から作られた、タンパク質の天然繊維。滑らかで光沢感のある、軽くて柔らかいため肌触りでお肌が弱い方にもおすすめ。
また、吸湿性や放湿性にも優れており静電気が起きにくいという特徴もあります。
シルクのアイロン掛けに失敗すると起きるリスク

とてもデリケートなシルクだからこそ、アイロン掛けに失敗すると、下記のようなことが発生する可能性があります。
繊維が損傷する
高温のアイロンで過剰に圧迫すると、繊維が損傷しテカリや変色が発生してしまうことがあります。また、繰り返し力を加えたり、摩擦をかけると毛羽立つなど劣化を招きます。
【テカリができた時の対処法】
- 当て布の上からスチームアイロンを少し浮かせた状態で当てる
- テカリ部分を洋服用のブラシで軽くブラッシングする
シワやシミが残る
アイロンのかけ方が不十分であったり、シルク製品が完全に乾いていない場合、シワが残ってしまうことがあります。
また、シルク生地は水気が原因で縮んだりシミになることがあります。そのため、スチームアイロンが原因でこのようなトラブルも発生します。
染料が溶ける
シルク製品の染料は水に溶けやすく、高温でアイロンをかけると溶けて変色してしまうことがあります。
シルクの失敗しないアイロンの掛け方とシワの取り方

温度を110度〜130度に設定(機種によってシルク専用設定がある)
アイロンはシルクに直接触れないように注意。
シワが強い場合は、当て布に霧吹きで水をかけてアイロンを当てる
アイロンを使わないシルクのシワ伸ばし

湿らせた布もしくは霧吹きを使う
シルクに直接水をかけるとシミができてしまうため、まずは水に濡らした布を軽く絞り、シルク製品を上から軽くタップしながらシワを伸ばします。その後、風通しの良い日陰に干しましょう。
ハンガーにかけて風通しの良い場所で吊るす
シルク製品をハンガーにかけ、風通しの良い場所で吊るしておくことで、自然にシワが伸びます。
ただし、風通しの悪い場所や直射日光の当たる場所に吊るすと、黄ばみや退色の原因となるため注意が必要です。
スチームクリーナーを使う方法
スチームクリーナーの使用方法には注意が必要で、シルク製品に直接当てる前にまずは目立たない場所でテストを行うことをおすすめします。
クリーニングに出したシルクの服にシワがあった時の対処法

シルクのシワ取りを自身で行い失敗してしまったら、と思うと気が引けますよね。そういう時は、やはりプロにお任せするのも一つの方法です。
ただし、クリーニングへ出したにも関わらず、シワが改善できていない・むしろ無かったはずのシワができた状態で返却されたという事例もあります。もし、このような状況になった場合は、速やかにクリーニング店へ問い合わせたをしましょう。
また、シルク生地のみならずクリーニング店から返却された際は、なるべくその場で仕上がりを店員さんと一緒に確認することをおすすめします。