タオルの生乾き臭の原因と消す方法をプロが解説
洗ったばかりのタオルから発する生乾き臭。一度臭くなってしまったタオルは、繰り返し洗っても簡単には取れません。
今回はタオルが臭い原因、臭いを消す方法、臭いを防ぐコツなどをご紹介します。
タオルの生乾き臭の原因
タオルから漂ってくる生乾き臭の原因は、「モラクセラ菌」と呼ばれる菌の繁殖です。
「モラクセラ菌」は人間や動物の体内に必ずいる常在菌と呼ばれる種類の菌で、温度や湿度、エサ、水分などの条件が揃うことで爆発的に繁殖します。
タオルの生乾き臭は「モクセラ菌」そのものがニオイを発生させるわけではなく、洗濯で落としきれなかった汗や皮脂、洗剤カスなどを菌が食べ、増殖する時に出す排泄物によるものです。
さらに「モクセラ菌」は5時間経った頃から爆発的に増殖するため、洗濯物が乾くまでの時間も重要です。
また、皮脂汚れや洗剤の溶け残りなどを栄養分として発生する洗濯槽の「カビ」も、生乾臭の一因です。
一見キレイに見える洗濯槽の裏側にはカビがびっしり付着していることが多く、カビがタオルにうつってしまい生乾き臭が発生することもあります。
タオルの生乾き臭を消す方法
モラクセラ菌は熱に弱いので、熱を利用した対処法が効果的です。
アイロンを使う
タオルを霧吹きなどで全体的に濡らし、アイロンを中〜高温(約160〜200℃)に設定し、洗濯物が乾くまでアイロンをかけます。
アイロンがけにムラがあると、また生乾き臭が発生してしまうので注意しましょう。
お湯でつけ置き
生乾き臭の原因であるモクセラ菌は60℃以上のお湯につければ、20分程度で死滅します。
つけ置きの際、お湯が冷めないよう差し湯をして温度をキープしましょう。
コインランドリーの乾燥機を利用する
家庭用の乾燥機は60℃程度なのに対し、コインランドリーの乾燥機は約80~120℃程度まで温度が上がるため、雑菌を死滅させることができます。
生乾き臭の応急措置
あくまで応急処置として、今すぐ臭いを消したいという場合の使用をおすすめします。
高温の蒸気をあてる
すぐに服のにおいを消したいときは、アイロンのスチーム機能や衣類用スチーマーなど、高温の蒸気を当てることで、除菌・脱臭の効果が期待できます。
消臭スプレーを使う
消臭スプレーは臭いの根本的な解決にはなりませんが、一時的な消臭には効果があります。除菌効果の高い消臭スプレーを使うことで、脱臭効果が期待できます。
携帯用の消臭スプレーも発売されていますので、1本持っていれば生乾き臭が気になったときにすぐに臭い取りができます。
タオルの生乾き臭を防ぐ洗濯方法
タオルの生乾き臭を防ぐために、普段のお洗濯で意識すべきポイントをご紹介します。
使ったタオルを放置しない
使ったタオルを湿ったまま洗濯カゴや洗濯機に放置すると菌が増殖し、臭いの原因となってしまいます。できるだけ溜めずに、こまめに洗濯を行うよう心がけましょう。
すぐに洗濯ができない場合は、そのまま洗濯カゴや洗濯機に入れず、ハンガーなどで干してしっかり乾かしてから洗濯するようにしましょう。
すすぎに残り湯を使用しない
お風呂の残り湯での洗濯は節水や水道代の節約になりますが、残り湯には雑菌が多く含まれています。生乾き臭を発生させてしまう可能性がありますので、残り湯での洗濯は避けた方が賢明です。
節約のために残り湯を使用する場合は、「すすぎ」の時は水道水を使うようにしましょう。
洗濯機に詰めこみすぎない
汚れが落ちにくくなってしまいます。
1回の洗濯量が多いと、洗剤や水が洗濯物に浸透しにくく、洗い残しの原因になってしまいます。洗い残しは雑菌や臭い発生の原因になりますので、洗濯機に入れる量は7~8割を目安に洗濯量を守るようにしましょう。
洗剤は「除菌・抗菌効果」のあるものを選ぶ
生乾き臭を予防したい場合は「除菌・抗菌効果」のある洗剤を選びましょう。雑菌の繁殖を抑え、生乾き臭の発生を抑えることができます。また、酸素系漂白剤を一緒に使うのも効果的です。
洗剤の規定量を守る
表示より洗剤量が少ないと汚れ落ちが悪くなり、多すぎると洗剤が洗濯物に残ってしまい生乾き臭の原因になります。
また洗剤の入れすぎは、衣類にダメージを与えるだけでなく、洗濯槽のカビの原因にもなります。洗濯量、水量に合わせて洗剤は必ず適量を守りましょう。
洗濯終了後はすぐに干す
濡れたままの状態が長いと雑菌が繁殖しやすくなるので、洗濯終了後は放置せず、すぐに干すようにしましょう。
タオルの生乾き臭を防ぐ干し方
生乾きの臭いの元となる「モラクセラ菌」は紫外線に強いとゆう特徴を持っていますので、天日干しをしただけでは雑菌や臭いを取り除くことができません。
モラクセラ菌は5時間経った頃から爆発的に増殖するため、より速く乾かすための工夫が必要です。
タオルの干し方に一手間加えるだけで乾きのスピードが変わってきますので、干し方を工夫しましょう。
タオルを振る
タオルを干す前に、バサバサと振りましょう。振ることによって生地に空気が入って倒れていた繊維が立ち上がるので、タオルが乾きやすくなります
風通しの良いところに干す
風通しを良くしておくことで、濡れている時間を短縮し、菌の繁殖を防ぐことができます。
タオルを部屋干しすると生乾き臭が出るという方も多い様ですが、湿度や温度の管理を上手にできれば、室内干しでもカラッと臭いなく乾かせます。詳しくは記事下部の部屋干し方法を参考にして下さい。
間隔を開ける
洗濯物が密着すると、空気の通り道がなくなり乾くのに時間が掛かってしまいます。タオル同士の間隔をこぶし1個分程度開けて干しましょう。
■ずらして干す
タオルを半分に折って干すと乾くのに時間がかかってしまいますので、重なる面積ができるだけ少なくなる干し方が理想的です。
長さを非対称にし、ずらすようにして干すことで、空気に触れる面積が広くなり乾きが早くなります。
■ジグザグ干し
ピンチハンガーに、タオルをジグザグにして干します。タオルの間に空間ができて空気が循環しやすいので、乾きやすくなります。
■マント干し
ハンガーの肩の部分にマントのようにバスタオルをかけて、中心でタオルの端同士を洗濯バサミで留めます。
この方法であれば、大きめのバスタオルでもスペースを取ることなく干すことができるため、早く乾かすことが可能です。
タオルの生乾き臭を防ぐ部屋干し方法
外干しに比べて乾きにくい部屋干しは、干し方を工夫することで乾きやすくなり、生乾き臭を防ぐことができます。
部屋の中央に干す
日が当たる窓際の方が早く乾きそうな気がしますが、部屋の中央はもっとも空気が動く場所です。リビングなど広めの部屋の中央や廊下は空気が通りやすく、部屋干しにぴったりです。
部屋干しするときに、ついカーテンレールに干してしまいがちですが、窓際は湿気が溜まりやすくタオルの乾きが悪くなります。
また、カーテンや窓枠には意外とホコリや汚れが溜まっているので、せっかくきれいに洗ったタオルにホコリや雑菌が付着する恐れもあります。
また、一度にたくさん干すことで、タオル同士の間隔を充分に確保できない状態になます。そのため風通しが悪くなり、かえって乾きにくくなります。
できるだけこまめに洗濯を行い、一回に干す量を調整しましょう。
浴室に干す
一見すると湿度が高くて風通しが悪く部屋干しには不向きな場所だと思われがちですが、換気設備が整った浴室は部屋干しに最適です。
お風呂場の換気扇を回しておくことで、効率よく洗濯物を乾かすことができます。
エアコンや除湿器を使う
洗濯物は気温が高く、湿度が低い方が乾くまでの時間が短くなります。エアコンや除湿機で湿度を下げれば、部屋の湿気を取り除けるので、洗濯物も乾きやすくなります。
扇風機やサーキュレーターを使う
エアコンのない部屋で部屋干しするときは、扇風機やサーキュレーターを使って空気を循環させると効率よく乾かすことができます。
洗濯物の真下や斜め下などに置き、首振りモードで風を送ることで、洗濯物の間に空気が送られるので効率よく乾かすことができます。