ワイシャツのボールペン等インクのシミ取り方法

ワイシャツにボールペンなどのインクが付いてしまったことはありませんか。すぐ落とせるものならまだ良いですが落ちにくいインクもあります。
またインクの種類によって使用する洗剤も異なりますので、洗濯の中でも染み抜きは難易度が高いと言えます。
特に職場や外出先などで行う場合は焦らず、慎重に行いましょう。今回はそのようなインクのシミの落とし方を紹介します。
ワイシャツのインクのシミ取り方法
仕事をしているとうっかりインクがワイシャツに付いてしまうこがあるでしょう。手に朱肉が付いたことに気付かずワイシャツを触ってしまったり、ボールペンの芯を出したままワイシャツのポケットに入れてしまったり…。
白いワイシャツにインクがつくと目立つ上に見た目も良くありません。通常の洗濯だけでは落ちにくいので染み抜きが必要です。その染み抜きはインクの種類によってやり方が異なるので、まずはシミとなったインクが何か知ることから始めましょう。
インクの主な成分は「溶剤」と「着色剤」です。
「溶剤」とは油性・水性の2種類、その中でもそれぞれ「着色剤」が染料・顔料と2種類存在します。
今回のシミ取りには溶剤の油性か水性かによって落とし方が大きく変わってきます。ボールペンやマジックを購入するとパッケージやペンの本体にも油性、水性と表記されているので溶剤については認知度もあるはずです。
まずは考えられるインクを油性、水性に分けてみましょう。
■水性
例:水性ボールペン、ゲルインクボールペン、サインペン、水性マジック、蛍光ペン、万年筆など。
水性は溶剤として主に「水」を使用します。油性に比べるとにじみや紙の裏写りが少なく、筆記面を溶かしにくい性質があるため、多くのものへ筆記ができ、臭いもあまりしません。
■油性
例:油性ボールペン、油性マジック、ホワイトボード用マーカー、朱肉など。
油性は溶剤として主に「揮発性有機溶剤」を使用します。水性に比べると乾きが早く、プラスチックや金属にも書くことができ固着性が強い性質があります。
水性・油性の2つのグループに分けましたが、万年筆と朱肉はそれぞれより適したやり方がありますので次の落とし方で紹介していきます。
各メーカーのホームページにもインク汚れの落とし方が説明されていますので、使用したペンが特定できる場合はそちらもあわせて参考にしてみて下さい。
水性インクの落とし方
準備するもの
弱アルカリ系洗剤or固形石けん
- インクのついた部分に水(ぬるま湯)と洗剤をつけて揉み洗いをする
- 水(ぬるま湯)ですすぐ
- インクが薄くなるまで1,2を繰り返す
- 洗濯機で洗う
油性インクの落とし方
準備するもの
- 消毒用などのアルコール系溶剤or 除光液orクレンジングオイル
- 歯ブラシ
- 汚れても良いタオル
- インクがついた面を下にして、その下にタオルを敷く
- 消毒用などのアルコール系溶剤をつける
- 歯ブラシでタオルにインクを移すイメージでトントンする
- すすぐ
- 洗濯機で洗う
朱肉の落とし方
油性インクの落とし方でも効果は得られますが、油性の中でも少し特殊なのが朱肉です。朱肉は契約を交わすなど重要な場面で印鑑を捺す時に使用します。
その印鑑が偽造されたり、簡単に消えてしまうことが起きてはならないので朱肉はそもそも落ちにくいようにできています。
完全に消すことは難しいインクですので目立ちにくくできればOKと思っておきましょう。油性インクの落とし方であまり効果を感じられない場合はこちらの方法も試してみて下さい。
準備するもの
- 台所用洗剤
- 洗濯用固形石鹸
- インクのついた部分に台所洗剤を垂らす
- 洗剤と生地が馴染むようにもみ洗いをする
- すすぐ
- インクが薄くなるまで1~3を繰り返す
- 固形石鹸を直接こする
- すすぐ
- 洗濯機で洗う
万年筆の落とし方
水性インクに分類しましたが、万年筆はとりたてて水性と呼ばれることはありません。着色剤である「顔料インク」「染料インク」「古典インク」で分類されています。いずれの着色剤でも効果的なのは重曹を使用した方法です。
準備するもの
- 台所用洗剤
- 重曹
- 洗面器
- インクのついた部分に中性洗剤をつける
- 洗面器に水(ぬるま湯)に重曹を溶かし入れる
- 中性洗剤につけたままのインクのついた部分を洗面器につけてもみ洗いをする
- すすぐ
- 洗濯機で洗う
以上の洗い方は全て水洗いできるワイシャツを前提としていますので、水洗いできないような特殊な生地のシャツは家庭で染み抜きはできません。その場合はクリーニングに出しましょう。
外出先でワイシャツにインクが付いた時の応急措置
このようにインクの種類によって適した洗い方や洗剤があることを知れば、ワイシャツにインクがついてしまったらとっさに水で洗ってこすったりすることはなくなるでしょう。
インクが油性か水性か判断がつかなければ中途半端にしてしまうと反ってシミが広がってしまったり、悪化させてしまう可能性があります。
とにかく分からない時は水分は使用しない方が無難です。ティッシュなどでまずは拭き取る程度に留めておきましょう。
もしインクが油性なら、持ち合わせている不要な布やティッシュでインクの付いた部分の下に敷いてこすらずトントンとティシュでたたきましょう。
水性なら水と手洗い石けんを使ってもみ洗いが基本になります。
あくまでも外出時の応急措置としてその場でインクを全て落とそうと思わず、帰宅後整った環境の中で落ち着いて染み抜きをしましょう。
落ちないワイシャツのインクはクリーニングの染み抜きへ

時間が経過してしまったシミの場合、無理に力を入れてこすったり洗浄力を高めようと洗剤などを多く使用したり間違ったやり方をすると生地を傷めてしまいます。
そして使用する洗剤によっては色落ちをしてしまうなどのリスクも伴います。そんな時は迷わずクリーニングに出しましょう。
クリーニング店には染み抜き専用の薬品や、専門知識のあるプロが行ってくれますので安心して任せられます。
染み抜きにかかる費用については染みの範囲や程度、お店によっても変わってきますので事前に相談しましょう。あわせて染み抜きをオーダーする際はペンの種類を伝えておくと良いです。
染み抜きは自分で慌てて行うと失敗するリスクもありますので、大切なワイシャツは潔くクリーニングに出してプロにお任せすることをおすすめします。