ワイシャツの変色や縮み等の洗濯時の注意点や対処方法

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洗濯はワイシャツの寿命を縮めるものでもあり、伸ばすこともできるものでもあります。

ボタン一つで洗濯機が洗ってくれますが、一歩間違えると変色がみられたり、取りづらい糸くずが付着したり、縮むことも逆に伸びてしまうこともあります。

それだけ洗濯はワイシャツの寿命を左右するものですので感覚ではなく、正しい知識を持って行いましょう。今回はワイシャツの洗濯における注意点とトラブルが起きた時の対処法を解説します。

ワイシャツの洗濯で変色した場合の対処法

汚れを落とし、清潔にするはずの洗濯で変色が起きてしまったことはありませんか。考えられる変色の原因とそれぞれに合った対処法をご紹介していきます。

ワイシャツが洗濯で黒い点や黒くなる原因と対処法

洗濯機で毎回洗って清潔にしているはずのワイシャツが洗濯で黒くなることがあるなんて想像し難いですよね。しかし嫌な臭いや黒い点がついていたらそれは洗濯機の中で繁殖した「黒カビ」が原因です。

洗濯層の裏側は衣類から出る汚れや洗剤の溶け残りなどが溜まりやすく、それらの汚れを栄養に雑菌やカビが繁殖していきます。

そのため黒い汚れが気になったらワイシャツを洗い直すのではなく、洗濯槽を衛生的な環境にすることを第一に考えましょう。

対処法

  1. 洗濯機のフタを開けておく
  2. 洗濯物を入れっぱなしにしない
  3. 洗剤の量は適量にする
  4. 槽乾燥する
  5. 洗濯槽を洗浄する

1.洗濯機のフタを開けておく

洗濯機のフタを開けて内部の湿気を逃がしましょう。一番簡単にできる洗濯槽のカビ予防です。

2.洗濯物を入れっぱなしにしない

洗濯籠代わりに洗濯機を使用していませんか。特に濡れたタオルや汚れたワイシャツなどを洗濯機に溜めておくと中に湿気が溜まりやすく雑菌やカビの繁殖に繋がります。

また脱水後の濡れたままの洗濯物を長時間放置することも同様のことが言えます。脱水後はすみやかに洗濯機から出して干しましょう。

3.洗剤の量は適量にする

洗剤はもちろん少なすぎても汚れを落としきれませんし、多すぎてもダメです。洗浄力を高めようと規定以上の量を入れてしまうと洗い残しが起こります。そうすると雑菌やカビの栄養となってしまいます。

4.槽乾燥する

週に一度を目安に洗濯槽内を乾燥させる「槽乾燥」コースを洗濯終了後に行いましょう。乾燥機能付きの洗濯機の場合も週に一度、乾燥運転をしましょう。

5.洗濯槽を洗浄する

これらのカビ予防をしていても完全にゼロにすることは難しいです。定期的に洗濯槽クリーナーを使ってお掃除をしましょう。月に一度のペースが好ましいです。

ワイシャツが洗濯で青くなる原因と対処法

原因は2つあります。一つはデニムなどの青い衣類からの色移り。二つ目は水道水に含まれる銅イオンです。

水道管の素材にも種類がありますが、銅管の場合だと銅イオンが水に溶け出し洗剤や皮脂などの油分に反応すると青い汚れとなる「銅石鹸」ができてしまいます。

比較的新しい銅管を使用している新築物件で発生しやすく、時間の経過とともに管の内側には酸化銅の膜ができるため次第に減少していきます。

これらの変色は全くの別物ですので対処法はそれぞれの原因に合わせて参考にして下さい。

対処法

  1. 色の濃いものとは分けて洗う
  2. 様子をみてみる
  3. お風呂の残り湯は使わない

1.色の濃いものとは分けて洗う

デニムなどの色の濃い衣類と一緒に洗濯をすると、その染料がついて色移りすることがあります。色落ちしやすい衣類とは分けて洗うようにしましょう。

2.様子をみてみる

銅イオンが原因なら次第に減少するので少し様子を見てみましょう。また銅管は熱に強いため給湯器のフィン(熱交換器)に使用されることが多くあります。

新しく交換したなど心当たりがあれば確認してみましょう。いずれにも該当しない場合は水質検査をしてみるのも一つです。

3.お風呂の残り湯は使わない

給湯器の一部で銅管が使われている可能性があると説明した通り、銅を使用している給湯設備からのお湯を使って洗濯すると銅石鹸ができて青くなることがあります。

その程度の銅が人体に影響を及ぼすことはないと言われていますが、洗濯でそのようなトラブルがないようにしたいものです。

ワイシャツが洗濯でピンクになる原因と対処法

続いてワイシャツがピンクになる原因は、他の衣類からの色移りと「酵母菌が挙げられます。色移りに関しては色が違うだけで青くなる時と同様に色の濃いものとは分けて洗うことで対処できます。

「酵母菌」とはあまり聞き馴染みがないかもしれませんが、カビになる一歩手前の段階で皮脂汚れなどを餌に増殖していきます。

よく浴室でみかけるヌルっとしたピンク汚れと同じです。特に汗をかきやすい時期はお洗濯でも発生しやすいので要注意です。

また「日焼け止めと塩素系漂白剤」が反応してピンクに変色することもあります。

対処法

  1. 濡れた洗濯物を放置しない
  2. 部分洗いをする

1.濡れた洗濯物を放置しない

たっぷり汗を含んだワイシャツを洗濯機に入れっぱなしにしていると菌が繁殖しやすい環境になってしまいます。できるだけ放置せずにすぐに洗いましょう。そして洗濯槽を洗濯籠して使わないことです。

2.部分洗いをする

日焼け止めのついたワイシャツを塩素系漂白剤に浸けたことでピンクになった場合は、日焼け止めをしっかり落とすことです。

日焼け止めが落ちていれば変色はしません。液体洗剤を塗布するなど、日焼け止めが付着しやすい部分をしっかり洗浄しましょう。

洗濯後にワイシャツに糸くずやほこりが付く原因と対処法

洗濯後にホコリ

考えられる原因は3つあります。「糸くず、ホコリの出るものと一緒に洗ってしまった」、「糸くずフィルターが正常に機能していない」、「洗濯槽が汚れている」です。

対処法

  1. 毛羽立ちそうな衣類は分けて洗う
  2. 洗濯ネットを使用する
  3. 洗濯槽や糸くずフィルターの掃除をする

1.毛羽立ちそうな衣類は分けて洗う

特に毛足の長いタオルや、新しいタオルは洗濯中に細かな繊維が出てきやすいので分けて洗いましょう。

2.洗濯ネットを使用する

洗濯ネットは洗濯中に起こるりうる様々なトラブルから守ってくれます。ホコリや糸くずの付着も防いでくれるので網目の細かい洗濯ネットを使うことをおすすめします。

3.洗濯槽や糸くずフィルターの掃除をする

別名「ごみ取りネット」とも呼ばれる糸くずフィルターですが、洗濯中に衣類から出る糸くずやホコリなどのゴミを絡め取り洗濯機中を綺麗にする役割があります。

この糸くずフィルターにゴミが溜まったままになっていると、回収した糸くずやゴミが逆流し衣類に付着することがあります。洗濯機を使用したら糸くずフィルターもきれいにする習慣をつけましょう。

洗濯槽も汚れもたまりやすいため定期的にお掃除をしましょう。洗濯機の使用頻度やまわす量などの条件は家庭によって違いますが、一般的に1〜2ヵ月に1回洗濯槽クリーナーを使って掃除をすることを推奨されています。

洗濯中にワイシャツが絡まない方法

水洗い不可の洗濯洗剤7

洗濯でワイシャツが他の衣類と絡んでしまうとシワの原因になるだけでなく、取り出す時にストレスに感じてしまいませんか。そこでワイシャツが絡まない方法としておすすめグッズを紹介します。

便利グッズ

洗濯ネット

先程糸くずやほこりから守るのにもおすすめしましたが、衣類の絡みも解消してくれます。やはりワイシャツの洗濯においては洗濯ネットが必須だと言えるでしょう。

洗濯ボール

ワイシャツを洗濯ネットに入れるだけでも十分効果が得られますが、洗濯ボールの併用もおすすめです。使い方は、洗濯ボールを洗濯槽に入れて一緒に洗うだけ。

衣類の絡み防止だけでなく、節水、洗浄力アップ、除菌・殺菌、糸くずや毛などの収集、乾燥時間の短縮、洗剤不要にしてくれるものなどと多岐に渡ります。

「ゴムタイプ」「セラミック・マグネシウムタイプ」「スポンジタイプ」と大きく3種類ありますので、それぞれの目的の効果に合ったボールを選びましょう。

その中でも衣類の絡み防止にはゴムタイプです。価格は数百円~1000円程度。100円ショップでも販売されていますので一度試してみてはいかがでしょうか。

柔軟剤

柔軟剤は最後のすすぎで使用され、繊維の表面を柔軟成分がコーティンするので衣類のすべりがよくなり洗濯物の絡まるのを防ぐ効果があります。

ワイシャツのようにパリッと仕上げたい場合には柔らかくふわっとさせる柔軟剤は不向きかと思われますが、シワをつきにくくしたり、静電気防止や花粉の付着からも守ってくれます。

便利グッズを使わない方法

何も準備する必要ありませんので今すぐ試せる方法を紹介します。

洗濯機の7~8割に抑える

単純に考えても一度に回す洗濯物の量が多いとそれだけ絡んでしまいます。またシワになりやすかったり、洗浄力が落ちてしまう可能性がありますので洗濯機パンパンにつめこんで洗濯を回すことは避けましょう。

洗濯物を入れる順番を工夫する

特に縦型の洗濯機を使用している場合は底から重たい順に入れていく方が回転がスムーズになり洗濯物が絡みにくく、汚れも落ちやすくなります。

何も考えずにこれまで洗濯籠からバサーっと放り込んでいたならば、バスタオル→ワイシャツ→下着のようなイメージで入れてみましょう。少し意識を変えるだけでも洗い上りが違うはずです。

ワイシャツが洗濯で縮む原因と対処法

ワイシャツの代表的な素材である綿が原因です。綿は吸水性・吸湿性に優れているため繊維の中に水分を含みやすく乾いたときに洗濯前よりも縮んでしまうことがあります。

対処用としておすすめなのは「手洗いをする」ことです。実際の手洗いの他、洗濯機ではおしゃれ着コースやドライコースなどのソフトな洗い方で、脱水時間が短いものなら縮みを軽減できるでしょう。

ワイシャツが洗濯で伸びる原因と対処法

一般的なワイシャツは洗濯をすると生地が縮むケースが多いですが、洗濯機の中でワイシャツが他の衣類が絡み合うと稀に生地が伸びてしまうことがあります。

他の原因としては洗濯をしたワイシャツがニットシャツであることも考えられます。

このニットと名前がつくと冬物のセーターを思い浮かべてしまう方も多いと思いますが、ワイシャツの素材はウールではなく、綿やポリエステルを使用されていて素材で見れば一般的なワイシャツと何ら変わりはありません。

この違いは「織物」か「編物」かの違いになります。つまりニットとは編物を指しています。

一般的なワイシャツは生地を引っ張っても伸びずに固い感触ですが、ニットシャツは柔らかく伸びるのが特徴です。そのため水分を含んだ状態で洗濯機で洗うとさらに伸びることが考えられます

対処法

  1. 洗濯ネットに入れる
  2. 洗濯表示に要注意

1.洗濯ネットに入れる

衣類の絡み、糸くずなどの付着だけでなくニットシャツの場合では伸びることからも守ってくれます。

2.洗濯表示に要注意

ニットシャツは着心地や機能性が高いですが洗濯時の扱いには注意が必要です。一般的な織物のワイシャツと同じ洗い方はしてはいけません。

ワイシャツの裏側についている白いタグには注意書きがありますので必ず確認してから洗濯しましょう

ワイシャツが洗濯で痛む原因と対処法

カビが生えた衣類

そもそも洗濯はワイシャツの汚れをすっきり落とすために生地に負担のかかることをしています。考えられる原因としては大きく3つです。

洗濯中に他の衣類とこすれること

他の衣類とこすれることでワイシャツの生地はダメージを受け、縫い目がほつれてしまうこともあります。

■使用する洗剤や漂白剤

使用する洗剤の種類や量(頻度)によって生地が薄く、弱くなるなることがあります。洗浄力の高い粉末の弱アルカリ性洗剤や漂白剤はその分、負担がかかりやすくなります。

■ワイシャツにあっていないハンガー

ワイシャツを美しく着用するためには洗濯で乱れた本来の形を干す時に戻してあげることです。型崩れしてしまうと見た目が悪くなります。

これらの原因からワイシャツ本来の風合いを失ってヨレヨレになってしまう、糸のほつれや薄くなってしまうなど生地の劣化がみられるようになります。

ワイシャツの洗濯においては「汚れをしっかり落とす」こと、「生地へのダメージを最小限に抑えること」この相反するもののバランスが大事だと言えます

対処法

  1. ドライコースなど優しい洗い方にする
  2. おしゃれ着用の中性洗剤を使用する
  3. 厚みのあるハンガーを使用する

1.ドライコースなど優しい洗い方にする

他の衣類とのこすれることを少なくするためには実際の手洗いの他、「ドライ」コースや「おしゃれ着」コースなどのソフトな洗い方を選びましょう。

ポイントは一緒に洗うものは少なく、水位は高め、脱水は短く(30秒程度) です

2.おしゃれ着用の中性洗剤を使用する

型崩れやシワを防いで優しく洗い上げてくれるおしゃれ着用の洗剤がおすすめです。皮脂や黄ばみ汚れに強い漂白剤や弱アルカリ性洗剤は生地を傷める可能性があります。しかしそれらの汚れをしっかり落とすには漂白剤は不可欠ですので使用する際は、適切な量・温度・時間を守ることです。

3.厚みのあるハンガーを使用する

ワイシャツの形をきれいに整えるためにはワイヤーハンガーを避け、厚みのあるハンガーを使いましょう。

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