ワキガの臭いや黄ばみの消し方や洗濯方法をプロが解説

ワキガの臭いや黄ばみは、食べこぼしや通常の汗による汚れとは異なり、普通に洗濯しただけでは取り除くことが困難です。
臭いや黄ばみが気になり、外出が億劫になっている方もおられるのではないでしょうか。
正しく対処することでワキガの臭いや黄ばみを取り除くことができますので、悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
ワキガの臭いが取れる正しい洗濯方法
ワキガの臭いの原因は「アポクリン腺」から出る汗にあります。
アポクリン腺から出た汗は最初の時点ではほとんど無臭ですが、汗に含まれる脂質やたんぱく質が皮膚にいる細菌により分解されることで、ワキガ特有の臭いを発生します。
漂白剤は衣類についた色素を落とす役目がありますが、除菌・殺菌能力も非常に高く、臭いに対して大変高い効果があります。
![]() | 桶に40は液温は40℃を限度とし、洗濯機で洗濯できる |
![]() | 桶に手は40℃を限度に手洗い可能 |
![]() | 桶に×は家庭での洗濯禁止 |
先ずは洗濯表示を確認し、家庭での洗濯禁止はクリーニングへ依頼しましょう。それと共に、漂白剤が使用可能なのかも確認して下さい。
![]() | 三角は塩素系及び酸素系の漂白剤を使用可能 |
![]() | 三角に斜め線2本は酸素系漂白剤は使用可能だが塩素系漂白剤は使用禁止 |
![]() | 三角に×は塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止 |
塩素系漂白剤にはより強い漂白効果がありますが、衣類を色落ちさせてしまうため、色柄物の場合は必ず酸素系漂白剤を選ぶようにしましょう。
用意する物
- 粉末酸素系漂白剤
- 洗面器やバケツなどの容器
手順
1.洗面器やバケツなどの容器に40~50℃のぬるま湯を入れ、酸素系漂白剤を溶かします。
2.洗浄液に衣類を入れてつけ置きします。つけ置きの時間が長いほど漂白剤が衣類に浸透して消臭・除菌効果が上がりますので一晩放置しましょう。
3.つけ置き後、軽く絞ってふつう通り洗濯機で洗濯します。
4.できるだけ風通しの良い場所に干し、しっかり乾かしましょう。
ワキガで服に黄ばみやシミがある場合の落とし方

ワキガによる黄ばみやシミは、アポクリン腺から分泌されるリポフスチンという色素成分が原因です。
普通の脇汗による黄ばみと、ワキガによる黄ばみでは根本が異なるので、通常の脇汗よりも黄ばみが濃くなり頑固なシミになりやすいのです。
重曹はアルカリ性のため、酸性の皮脂汚れ(ワキガの脇の黄ばみ)に効果的です。重曹に酸素系漂白剤と混ぜることで相乗効果が生まれ、より強力に皮脂汚れを浮かしてくれます。
用意する物
- 重曹
- 液体酸素系漂白剤
- 中性洗剤
- 小皿などの容器
- 歯ブラシ
- 洗面器やバケツなどの容器
手順
1.小皿などの容器に、重曹小さじ1・液体酸素系漂白剤小さじ3・中性洗剤3滴を入れ混ぜ合わせます。
2.混ぜ合わせた洗浄液を、黄ばみ部分に歯ブラシでトントンと叩きながら付けていきます。
3.洗面器やバケツなどの容器にぬるま湯を入れ、2時間程度つけ置きします。
4.最後にふつう通り洗濯機で洗えば完了です。
繊維の奥に汗や皮脂が入り込むと、頑固な汚れとなり自分では対応しきれないこともあります。自宅で洗濯しても取れないワキガの臭いや黄ばみは無理をせずに、できるだけ早めに信頼できるプロのクリーニング店に相談しましょう。
ワキガの臭いはクリーニングで取れる?

クリーニングには「ドライクリーニング」と「水洗いやウエットクリーニング」があります。
「ドライクリーニング」は水の代わりに専用の有機溶剤を使うので、衣類を型崩れさせずに洗えるのがメリットです。
ところが、ドライクリーニングは油に溶けやすい油溶性の汚れには強いものの、汗の汚れや臭いなど水溶性の汚れには弱いというデメリットがあります。
クリーニングに出してもワキガの臭いが取れないという場合は、ドライクリーニングを利用しているケースが多いようです。
ワキガの臭いを取りたい場合には、クリーニングに出す時に「汗抜き」サービスがないか確かめるか、もしくは「水洗い」できないか確認しましょう。
クリーニング店に臭いが強めについている事をきちんと伝え、相談してみてください。
洗えない洋服のワキガ臭はどうする?

洗濯表示で「水洗い不可」となっている洋服は、クリーニング店でドライクリーニングしてもらうしか方法がありません。
しかし、ワキガの臭いはドライクリーニングが苦手とする水溶性の汚れのため、ドライクリーニングでは取り除くことができません。
高い技術を持つクリーニング店であれば、水洗いできない洋服でも、訓練された職人がウェットクリーニングにより“専門的な知識”と“高度な技術”で、取り除くことが可能になります。
洗えない洋服のワキガ臭も、あきらめずに高い技術を持つクリーニング店に相談してみましょう。
他の服や洗濯物にワキガの臭いはうつる?

ひどいワキガの臭が付着している衣類と一緒に洗濯した場合、他の洗濯物にも臭いが移ってしまう場合があります。
また、ワキガ臭のする衣類を他の洗濯物と同じカゴなどに入れておくことでも臭いが移ってしまう可能性があります。臭いのする衣類と洗濯カゴはできるだけ分け、一緒に置かないようにしましょう。
長時間置いておくと臭いや黄ばみが落ちにくくなりますので、こまめに洗濯するようにしましょう。
すぐに洗えない場合は、脱いだらそのままつけ置きできるよう、バケツなどに酸素系漂白剤で洗浄液を作って準備しておきましょう。
ワキガの臭いの応急措置の消し方や取り方

ワキガ臭の応急処置にはミョウバンがおすすめです。
ミョウバンは、アンモニウムやカリウムなどの金属イオンが結晶化してできた複合塩で、乾燥硫酸カリウムアルミニウムとも呼ばれる物質です。
ミョウバンは水に溶けると弱酸性となるので、皮膚の常在菌が好むアルカリ性の環境を酸性の状態に変化させる作用があります。
また、ミョウバンには収れん作用・殺菌作用・制汗作用があり、このミョウバンを水で薄めてスプレー状にし、脇に振りかけることで消臭作用が期待できます。
ミョウバン水の作り方
空のペットボトルに水道水500ccと焼ミョウバン15gを入れて混ぜ合わせます。ミョウバンはすぐには溶けないため、そのまま一晩ほど置きます。白濁から透明になったら、ミョウバン水の完成です。
市販されているスプレーにいれて臭いが気になるところに直接ふきかけるほかに、ガーゼにミョウバン水を浸して気になる部位を拭く方法もあります。
洋服の素材でワキガの臭い対策

洋服の素材によって、ワキガの臭いの強さは変わります。
ナイロン、ポリエステル、アクリルなどの化学繊維は強度や耐水性には優れていますが、吸汗吸湿性が低いため、服の中で蒸れてしまい皮膚上から汗が出て行けず臭いを強くしてしまいます。また、化学繊維素材は臭いが一度つくとなかなか取れないのも厄介です。
臭いを抑えるのに適した素材は『天然素材』です。
綿(コットン)は、吸水性・吸湿性が高く、速乾性にも優れています。
汗を吸い取る性質が優れているため蒸れを解消し、臭いのもととなる雑菌の繁殖を抑えてくれるため、ワキガの臭いが気になる人に適している繊維です。
この場合、化学繊維系との混紡ではなく、コットン100%の素材を選びましょう。麻(リネン)もコットン以上に、吸水性と吸湿性に優れた素材です。
汗をかいても肌にくっつきにくく、夏場にも適した素材と言えます。麻は種類がたくさんありますが、コットンなど他の天然素材との混紡でもOKです。