服に付いた焼肉の油やタレのシミ抜きをプロが解説

気を付けてはいても、日常生活の中で食べ物のシミ汚れが服につくことは少なくありません。うっかり服にこぼしてしまった焼き肉のタレや油は落ちにくく、困っている方も多いのではないでしょうか。
大切な服にシミを残さないために、正しいシミ抜き方法を覚えておけば、いざというときもあわてずに対処できます。
焼肉の油やタレの成分とシミが取れない理由
シミには「水溶性」のものと「油溶性」のものがありますが、焼肉のタレは、水分と油分のどちらも含んでいる「混合性」のシミになります。
混合性のシミは、油性の成分が多く含まれていて、水溶性の汚れを油分でコーティングしてしまっているため、洗濯用洗剤だけで落とそうとしても、なかなか簡単には落ちてくれずに、ガンコなシミとして残りがちです。
焼肉の油やタレの染み抜き方法

焼肉の油やタレの染み抜きを始める前に必ず洗濯表示を確認して下さい。
![]() | 桶に40は液温は40℃を限度とし、洗濯機で洗濯できる |
![]() | 桶に手は40℃を限度に手洗い可能 |
![]() | 桶に×は家庭での洗濯禁止 |
手洗いマークは手洗いで、家庭での洗濯禁止はクリーニングへ依頼しましょう。
焼肉の油やタレの染み抜きに必要な物
- クレンジングオイル
- 食器用洗剤
焼肉の油やタレの染み抜き手順
混合性のシミを落とすには、まず油溶性の汚れを落としてから、水溶性の汚れを落としていきます。
1.シミがついた部分にクレンジングオイル馴染ませ、油を浮かせます。
2.つぎに、食器用洗剤をシミ部分にかけ、優しくもみ洗いします。
3.ぬるま湯で軽くすすぎ、シミの落ち具合を確認しましょう。
4.シミが残っているようなら、②~③を繰り返します。
5.シミが落ちたら、ふつう通り洗濯機で洗って完了です。
クレンジングオイルは水に弱いという特徴があるため、濡れている衣類にクレンジングオイルを使用すると、乳化してしまい油汚れを落とす力が低下してしまいます。衣類が十分乾いている状態で使用するようにして下さい。
ゴシゴシ擦ると生地をいためてしまうので、優しくもみ洗いしましょう。
時間が経った焼肉の油やタレのシミの落とし方
シミは、付着してから時間が経つほど汚れが繊維の奥に入り込んでしまい、どんどん落ちにくくなります。食器用洗剤で油分をしっかり落とし、酸素系漂白剤でシミ抜きをしましょう。
![]() | 三角は塩素系及び酸素系の漂白剤を使用可能 |
![]() | 三角に斜め線2本は酸素系漂白剤は使用可能だが塩素系漂白剤は使用禁止 |
![]() | 三角に×は塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止 |
漂白剤の使用可否は洗濯表示で確認した上で進めて下さい。
用意する物
- 食器用洗剤
- 液体洗濯洗剤
- 酸素系漂白剤
- バケツや洗面器などの容器
手順
1.食器用洗剤をシミ部分にかけ、優しくもみ洗いします。
2.バケツや洗面器などの容器に40〜50℃のお湯をはり、酸素系漂白剤と洗濯洗剤を溶かします。
3.シミ部分を30分~1時間程度つけ置きします。
4.つけ置き後、汚れ部分をもみ洗いし、いつも通り洗濯機で洗えば完了です。
焼肉の油やタレのシミの応急処置
シミは少しでも早い処置が肝心です。正しい方法で応急処置をすることによって、帰宅後の洗濯でシミを落としやすくすることが出来ますので覚えておきましょう。
用意するもの
- ティッシュや紙ナプキン
- ハンドソープ、石鹸など
手順
1.シミを広げないように注意しながら、ティッシュや紙ナプキンで、表面に付着した油分を吸い取ります。
2.シミの裏側にティッシュなどをあてます。水で濡らしたティッシュにハンドソープや石鹸をつけ、シミ部分を軽くトントンたたきティッシュにシミを移していきます。
3.シミの裏側のティッシュを取りかえ、水を含ませた新しいティッシュで押さえ、服に残っている石鹸や洗剤を取ります。
4.乾いたティッシュなどで水分をしっかり吸い取ります。
慌てて擦ってしまうとシミが広がり、落ちにくくなってしまうので注意してください。飲食店などのおしぼりは、塩素系漂白剤で処理されている場合が多いため、衣類の色落ちにつながる可能性があるので使わないようにしましょう。