プロが洋服の保管収納にジップロックはおすすめしない理由
衣替えなどで長期保管に回す洋服などの衣類をジップロックに入れて収納する人もいますが、プロの視点からはおすすめしません。収納の際は長期保管対策を行った上で不織布カバーに入れる事をおすすめします。
洋服の保管収納にジップロックはおすすめしない理由
ジップロックで洋服を長期保管した際に起きる代表的なトラブルが以下です。
- 真空状態や完全密封じゃない
- 通気性が悪くカビが発生する
- カビが黒ずみやシミになる
- ダニや害虫が繁殖する
- シワになる
- 臭くなる
- 色落ちする可能性がある
- 色移りする可能性がある
- 費用が嵩む
- 他の洋服は更に酷いトラブルを起こす
1.真空状態や完全密封じゃない
ジップロックのオフィシャルホームページでも「完全密封ではないので、完全に湿気やほこりからは守れません」と書かれている通りです。
真空状態で密閉すれば色々なトラブルから守られると安心している人がいますが、そうではないという事です。
2.通気性が悪くカビが発生する
通気性が最悪なので少しでも湿気が残っていると中でカビが発生する可能性があります。
クリーニング後のビニール袋は家に持ち帰る時や宅配時に、一時的に埃や汚れから守る為の物で、通気性が悪く保管には向きませんが、それと同様です。
洋服にカビが生えるのを予防したいなら、逆に通気性を良くし湿気が溜まらない状態を作らなくてはなりません。
3.カビが黒ずみやシミになる
カビが生えてしまい長期保管で放置していると、繊維の奥深くまで根が張ってしまい黒カビとなり、一般家庭では取るのが難しい黒ずみやシミの原因になります。
これを家庭で落とすのは難しいので、クリーニングに出す手間や費用が必要になります。カビによるシミはプロの染み抜きでも無理な場合があります。
4.ダニや害虫が繁殖する
通気性が悪く湿気が溜まるとカビだけではなくダニや害虫も大量繁殖する可能性があります。
汚れなどは綺麗にして虫の餌がなくても、ダニ等はカビも餌にしてしまうので、カビが発生する場所ではダニも大量発生します。
密閉して安心していたのに、衣替えで取り出したら虫食い被害が起きていたという事もあります。
5.シワになる
密閉状態に近い状態で保管する人が多いので、洋服は綺麗に畳んだ状態から更に締め付けられている場合も少なくありません。
取り出した時にシワになっている事が多いので、取り出したらシワを取る作業が必要になってしまいます。ギュッと押して巻きながら空気を抜くと、洋服は圧迫されるのでシワ以上のダメージを負う事もあります。
6.臭くなる
湿気、カビ、ダニ、害虫などのトラブルが起きると匂いが発生し洋服が臭くなります。
衣替えで仕舞った洋服を久しぶりに取り出すと変な臭いがする場合がありますが、ジップロックに入れても同じ様なトラブルが起きる可能性があります。
7.色落ちする可能性がある
通気性が非常に悪く湿気が溜まりやすいので色物は色落ちする可能性があります。
湿気が溜まりやすく発散しにくいので、夏場は蒸された状態が続くので、通常の湿気程度では色落ちしなかった洋服にもトラブルが発生する可能性があります。
8.色移りする可能性がある
色落ちする可能性があるので、1つのジップロックに複数の洋服を一緒に入れてしまうと色移りする可能性があります。
ジップロックに限らず、もしも色落ちが発生してしまった場合に被害を拡大させない為にも、カバー1つに1つの洋服しか入れない様にしましょう。
9.費用が嵩む
ジップロック1枚で考えると大した金額ではありませんが、沢山の枚数が必要なるし、それぞれに湿気取り、防虫防カビ防ダニ剤などを入れると費用はかなり掛かります。
それならば、洋服の保管に適した衣類カバーを用意した方が費用対効果は良いと思います。
10.他の洋服は更に酷いトラブルを起こす
ジップロックに入れて洋服を保管しようと思うくらいなので、保管場所に何らかの問題がある場合が多い。
収納が狭くパンパンだから保管する洋服の保管に向かない場所に保管しなくてはいけないとか、収納には仕舞えるが湿気や臭い、埃や汚れが付くなど。
こういう状態だとジップロックに入れていてもトラブルは起きるし、入れていない洋服は更に酷いトラブルを起こすので、根本的な問題の解決を目指した方が良いでしょう。
収納の通気性を良くし湿気が溜まらない様にしたり、埃や汚れが溜まらない様に定期的に掃除を行って下さいお。また、収納が狭くパンパンな場合は保管サービスの利用をおすすめします。
ジップロックで洋服を保管する方法
トラブルを理解した上で、どうしてもジップロックを使って洋服を保管したい場合は以下の方法を実践して下さい。
- 洋服を綺麗に仕舞い洗いする
- 乾燥機でシッカリ乾かす
- 1つのジップロックの洋服は1つ
- 湿気取りや防虫防カビ防ダニ剤を入れる
- ジップロックに洋服を入れ空気抜き
1.洋服を綺麗に仕舞い洗いする
汚れが残っているとカビ、ダニ、害虫の餌になり大量繁殖に繋がるので、綺麗に仕舞い洗いをして下さい。
2.乾燥機でシッカリ乾かす
湿気が残ると中でカビが発生し、ダニや害虫の発生にも繋がります。可能なら乾燥機でシッカリ乾かして下さい。乾燥機なら高温で加熱が可能なので、洗濯後に残っているカビやダニも死滅可能です。
外干しする場合は虫や虫の卵が付いている場合があるので、ブラッシングして落としてから保管しましょう。
3.1つのジップロックの洋服は1つ
1つのジップロックに洋服は1つだけ入れましょう。手間が多く大変だし、枚数が多くなり費用が掛かりますが、大きなトラブル防止の為には必要な事です。
4.湿気取りや防虫防カビ防ダニ剤を入れる
1つのジップロック毎に湿気取りや防虫防カビ防ダニ剤を入れる必要があります。どうやっても湿気は溜まりトラブルを引き起こすので、きちんと保管したいなら最低限やらないといけない事ですが、こちらも費用が掛かります。
5.ジップロックに洋服を入れ空気抜き
ここまでの対策を行ったら、洋服を入れてチャックと逆側からペチャンコになる様に押しつけながら巻いて行き空気を抜きます。
チャックの所まで来たら押し付けながらチャックをすれば、完全ではありませんが空気抜きができます。
新生児や赤ちゃんの洋服はジップロック保管NG
ここまで挙げたトラブルを見て分かる様に、通気性の悪いジップロックで洋服を保管する事はおすすめできません。
新生児や赤ちゃんの洋服の保管は大人以上に気を遣うので、完全密封でトラブルが起きにくそうなジップロックを使おうと思う人もいらっしゃいますが、逆効果になる可能性も高いので止めておきましょう。
新生児用の洋服を水通しした後の保管などが心配なら、そういう大変な時期はクリーニングと保管のプロに任せるのも1つの手です。
洋服の保管はジップロックより不織布カバー
洋服の保管は不織布カバーがおすすめです。
通気性があるので湿気が溜まる事はなく、カビやダニ予防になり、匂いがこもる事も無いし、色移りなどの心配もありません。その上で、埃や汚れから守ってくれます。
収納場所の環境を良くして不織布カバーに入れておけば、洋服の保管中にトラブルが起きる事は少ないです。
洗濯後やクリーニング後の保管には、基本的には通気性がある不織布カバーを使う事をおすすめします。