プロが教える服に付いた墨汁の落とし方や染み抜き
墨汁の染みは、多くの人にとって頭を悩ます問題です。
しかし、正しい知識と技術があれば、この困難な挑戦を乗り越えることができます。
これから、プロが教える服から墨汁を安全かつ効率的に取り除く方法を紹介します。
墨汁のシミの洗濯や染み抜きでの注意点
なぜ墨汁のシミは落ちづらいのか
墨汁のシミが落ちづらい主な理由は、墨の主成分であるカーボン(炭素)が不溶性であるためです。
この不溶性の性質が、水や一般的な洗剤で簡単に洗い流せない理由となっています。
墨汁は伝統的に炭素顔料と接着剤(動物性接着剤など)から作られており、これが布地に強く結合するため、シミが落ちにくくなります。
洗濯や染み抜きでの注意点
衣類についた墨汁のシミを洗濯や染み抜きする際の注意点とその理由は以下の通りです。
早急に処理をする
元々落としずらい墨汁ですが、時間が経過すればするほど、墨汁が乾燥し取り除くのが難しくなるため、シミが新鮮なうちにすぐに対応することが重要です。
ティッシュなどで優しく拭く
強く擦るとシミを広げたり、布地にダメージを与えたりする可能性があるため、墨汁が付いたら速やかにシミの部分をティッシュなどで優しくたたくようにしましょう。
対策
墨汁のシミに対する洗濯や染み抜きは、一般的な汚れとは異なり特別な注意が必要です。
以下のポイントを理解し適用することで、墨汁のシミを最小限に抑え、あるいは完全に除去することが可能になります。
ポリエステルの服を着る
ポリエステルなどの合成繊維は、天然繊維に比べて墨汁が染み込みにくい性質を持っています。
そのため、墨汁が付着しても取り除きやすいです。
また、墨汁が付いてもわからないように黒い服を着用すると良いでしょう。
洗濯で落ちるタイプの墨汁を使う
一部の墨汁製品は洗濯可能と表示されており、これらは水性ベースで作られていることが多く、通常の洗濯で比較的簡単に落とすことができます。
墨汁用の洗剤を使う
市販されている墨汁専用の洗剤は、墨汁の化学構造に合わせて作られており、一般的な洗剤よりも効果的に墨汁のシミを分解し、除去することができます。
クリーニング店へ依頼する
クリーニング店では、専門の技術と高度な洗浄方法を用いて墨汁のシミを除去することができます。
特に深いシミやデリケートな素材の衣類には、プロの技術が有効です。
これらの対策は、墨汁のシミを防ぐため、または発生したシミを効果的に取り除くための方法です。
しかし、どの対策も100%の効果を保証するものではないため、墨汁を扱う際は慎重に作業することが最も重要です。
服に付いた墨汁の簡単な落とし方
日常生活や趣味の中で墨汁を使う際、うっかり服にシミを作ってしまうことは珍しくありません。
そんな時、適切な方法と少しの知識があれば、これらの厄介なシミを自宅で簡単に落とすことができます。
服に付いた墨汁のシミを効率的に取り除くための実用的で簡単な方法をご紹介。
墨汁のシミにおすすめの洗剤や漂白剤
■スミノンアルファー 応急シミ抜き剤として使用でき、 墨汁や血液などの汚れを落とします。 |
■オキシクリーンEX【酸素系漂白剤】 漂白と消臭、除菌パワーが一つになった酸素系漂白剤。 オキシクリーンEXは、 酸素系漂白剤に洗浄成分(界面活性剤)と 香料がプラスされたシリーズで 墨汁シミを落とす効果あり。 | |
■ハイター【塩素系漂白剤】 真っ白に仕上げる白無地衣類専用の 塩素系漂白剤として代表的なハイター。 除菌もでき、頑固な墨汁シミも落としやすい。 |
墨汁が付いた服の洗濯方法や手順
前提として、これからご紹介する方法は衣類の素材によって適さない場合もあります。
事前に衣類についている洗濯タグを確認してから行いましょう。
熱湯
- 熱湯
- ゴム手袋
ご飯粒
- 炊いたご飯
- 洗濯洗剤
- スプーン
シミが薄くなるまで繰り返す
歯磨き粉
- 研磨剤入り歯磨き粉
- 歯ブラシ
生地を傷めないよう優しくこすりましょう
固形石鹸
- 固形石鹸
- 歯ブラシ
- 洗面器やタライ
- ぬるま湯
生地を傷めないよう優しくこすりましょう
マジックリン
- 台所用マジックリン
- 固形石鹸
- ゴム手袋
原液のままだと生地が傷むので、必ず薄める
塩素系漂白剤
色物や柄物は、色落ちする可能性が高いので注意が必要です。
また、塩素系漂白剤を使うときに酸性タイプと一緒に使うと有毒ガスが発生するため、取り扱いには十分気をつけてください。
- 塩素系漂白剤
- ゴム手袋
酸素系漂白剤
- 酸素系漂白剤
- 洗面器
- ゴム手袋
時間がたった服の墨汁のシミの落とし方
ご飯粒
- 炊いたご飯
- 洗濯洗剤
- スプーン
シミが薄くなるまで繰り返す
マジックリン
- 台所用マジックリン
- 固形石鹸
- ゴム手袋
原液のままだと生地が傷むので、必ず薄める
クリーニングでの墨汁の染み抜きと値段
クリーニング店で、墨汁の染み抜きのおおよその価格についてご説明します。
ただし、具体的な価格は地域やクリーニング店によって異なるため、以下の情報はあくまで目安としてご理解ください。
クリーニング店での墨汁のシミ取りに関する費用は、一般的には1,500円~始まることが多いです。
この価格は、衣類の素材やシミの範囲、さらにはシミの古さによって変動する可能性があります。
たとえば、デリケートな素材の衣類(カシミアやシルク、着物など)や大きなシミ、古いシミなどがある場合、より高度な技術と時間が必要とされるため、料金が高くなることがあります。
重要なのは、クリーニング店を選ぶ際に、価格だけでなく、その店の染み抜きに関する評判や実績も考慮することです。
染み抜きの成功は保証されていないこともあり、事前に店舗でその点を確認することをおすすめします。