布団や枕の黄ばみの原因と落とし方をプロが解説

枕やカバーの素材
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それぞれのライフスタイルに違いはありますが、人は人生の約3分の1寝て過ごしていると言われています。

それだけの時間を費やしている睡眠空間ですが意外と寝具の交換、洗濯は怠りがちになってないでしょうか。

ここではそんな布団や枕についた黄ばみの原因と落とし方について紹介していきます。

布団や枕の黄ばみの原因

シーツや布団カバーなどの大物はお天気の悪い日が続くと洗うタイミング逃してしまいやすいもの。そして気付いた頃になってカバーを外すと、枕や布団が黄ばんでしまっている…なんてことになってしまいます。

まずはその黄ばみの原因から確認していきましょう。

布団のカバーやシーツが黄ばむ原因

  1. 皮脂
  2. 尿
  3. 防菌防臭 スプレー
  4. 洗剤の残り

■汗

人は体温を下げて深い眠りにつくために必ず寝ている間に汗をかいています。その量一晩でコップ1杯に相当すると言われています。

その量の汗が毎日どんどん蓄積されて枕や布団本体にまでにも浸透して酸化すると黄ばんでしまいます。

■皮脂

手の平や足裏を除いてほぼ全身の毛穴内にある皮脂腺で作られています。

頭皮は体の中で最も皮脂腺が多い部分になるため、横になる睡眠の体勢では皮脂汚れがつきやすく、洗う頻度が低い寝具は酸化して黄ばみになりやすくなります。

■尿

小さなお子様がいらっしゃるご家庭ではおねしょする日もあるでしょう。尿は黄ばみだけでなく臭いも残りやすい特徴があります。放置できないためすぐに対処する必要があります。

■防菌防臭スプレー

お天気が悪い日が続いたり、重たいマットレスを持ち上げて干したりできない時に手軽で便利ですが汚れを自体を落としているわけではありません。

スプレーするとキレイになった気になってしまいますが、実はこれらの使用によって逆に汚れを表面に浮き上がらせて黄ばみの原因となっていることがあります。

■洗剤の残り

洗浄力を高めるために洗剤の量を多くしてみたり、節水のためにすすぎ1回にしている場合は要注意です。洗剤を落としきれず繊維に残ってしまった残りカスが酸化して黄ばみとなります。

またそれらを餌に雑菌が繁殖する可能性もあります。

布団の口元が黄ばむ原因

寝ている間は無意識なので自分がどんな状態で寝ているか分かりません。ほとんどの人には自覚がありませんが、寝ている間口呼吸になる人は7~8割もいるとも言われています。

それに加え、横向きやうつ伏せになって寝ていると、口からでたよだれがシーツや布団にまで浸透することがあります。

よだれも酸化すると黄ばみになりますそしてよだれに含まれる菌が増殖すると臭いやカビが発生してしまいます。

布団のマットレスに黄ばむ原因

冒頭で人は一晩でコップ1杯の汗をかくと述べましたが、熱帯夜や汗かき体質の人、子供はこれ以上の汗の量になります。

毎日これだけの水分が出ているならば、シーツや敷パッドではガードしきれずマットレスにまで汗が浸透していることが想像できます。

水分を放出できていればまだ良いですが、布団やマットレスは湿気も溜まりやすいため水分をためこみやすく黄ばみやすくなります

旦那さんの布団の方が黄ばむ事が多い原因

一般的に女性よりも男性の方が皮脂の分泌が多いことはなんとなく知っている人が多いとは思います。女性は成人後、徐々に皮脂の分泌量が減少していくのに対して、男性は20代のピークからほとんど減ることがありません。

その量は女性の約2倍にもなります。そのため単純に皮脂量の多い男性の布団の方が黄ばみやすいと言えます。

また男性に限ったことではありませんが、運動不足や脂っこい食事を好むこと、寝不足やストレスも含め日々の乱れた生活習慣でも分泌される汗の質が変わり黄ばみやすいことも考えられます。

個人の体質や生活習慣もありますが、男性の体はそのように大きく女性との違いがありますので旦那さんを責めずにこまめに洗濯をしてあげしょう。

枕が黄ばむ原因

頭は汗をかきやすく頭皮には皮脂の出口である「皮脂腺」が多く存在しています。その上、髪の毛によって蒸れやすい状況ため、人が寝ている約6~8時間ものあいだ頭を乗せている枕は一番影響が出やすくなります

髪の毛の長い方はきちんと乾かしてから寝ているでしょうか。生乾きや濡れた髪の毛のまま寝ることも黄ばみにつながります。髪の毛に残った水分によって枕の中で雑菌が繁殖して黄ばみとなってしまうからです。

またヘアトリートメントやスキンケアなどのクリームやオイルが枕に付着することで黄ばみとなるケースもあります。

布団の黄ばみの落とし方

布団をクリーニングに出す

それでは布団のお洗濯の基本と、黄ばみの落とし方を紹介します。

黄ばんだ布団の洗濯手順

まずは家庭で水洗いできるかどうか確認しましょう。布団本体に付いている洗濯表示タグで確認することができます。桶に×のマーク以外は以下のことに注意すれば家庭で洗うことができます。

洗濯表示 桶に40下に横棒1本は液温は40℃を限度とし、洗濯機で弱い洗濯ができる.液温は40℃を限度とし、洗濯機で弱い洗濯が可能
洗濯表示 桶に手は40℃を限度に手洗い可能40℃を限度に手洗いが可能
洗濯表示 桶に×は家庭での洗濯禁止家庭での洗濯禁止

次に布団の大きさですが、洗濯機で洗うには洗濯機の7~8割を目安に収まれば洗うことができます。

収まらない場合はコインランドーで洗う方法もありますが、持ち運びやその後の干す工程のことを考えると、お家で完結できる方法としてお風呂の浴槽を使ったつけ置き洗いも紹介します。

■洗濯機で洗う方法

  1. シーツを外して布団用の洗濯ネットに布団を入れる
  2. 布団コース又はドライコースに設定する
  3. 中性洗剤と酸素系漂白剤を適量入れる
  4. 洗濯終了後、形を整える
  5. 干す

布団専用の洗濯ネットがありますので必ず使用しましょう。洗濯機に入れる際には布団は縦方向に3つ折りにして、くるくると巻いて入れると中まできれいに洗えます。

干す際は2本の竿にまたがるように布団をかけてМ字にして干しましょう。そうすることで風通しもよく、水分の重みで布団の中が偏よることを防げます。

■浴槽で洗う方法

  1. 浴槽に3分の1ほどの水かぬるま湯をはる
  2. 適量の洗濯洗剤と酸素系漂白剤を溶かし入れる
  3. 布団を付けて1時間ほどつけ置き洗いをする
  4. 洗浄液を抜いて新しく水またはぬるま湯をためてすすぐ
  5. 布団を折った状態にして水分をきる
  6. 干す

部分的に黄ばみがひどい場合は、汚れた部分を押したり揉んだり洗濯洗剤を直接塗布して洗いましょう。洗剤がしっかりすすぎきれていないまた黄ばみの原因となってしまいます。上から踏んでしっかり洗剤を絞り出して下さい

布団の黄ばみにおすすめの洗剤

やさしく洗い上げてくれる液体の中性洗剤がおすすめです。

■さらさ

さらさ

出典「Amazon

着色料無添加、植物由来の厳選成分配合のためお肌の弱い方やあかちゃんのいるご家庭でも安心して使えます。

お肌に優しいだけでなくしっかり皮脂汚れを落とし防臭もしてくれます。香りもひかえめなのも寝具には欠かせないポイントです。

布団の黄ばみにおすすめの漂白剤

洗濯時と同様に、洗濯表示より漂白剤が使えるかどうか確認をしてから使用して下さい。

洗濯表示 三角は塩素系及び酸素系の漂白剤を使用可能塩素系及び酸素系の漂白剤を使用可能
洗濯表示 三角に斜め線2本は酸素系漂白剤は使用可能だが塩素系漂白剤は使用禁止酸素系漂白剤は使用可能だが塩素系漂白剤は使用禁止
洗濯表示 三角に×は塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止

■オキシクリーン

オキシクリーン

出典「Amazon

色柄物でも安心して使える酸素系漂白剤がおすすめです。オキシクリーンと言えばつけ置き洗いの「オキシ漬け」のイメージが強い方も多いでしょう。

そんな「オキシ漬け」だけでなく、いつもの洗濯機洗いでも洗剤にオキシクリーンを足すだけの「オキシ足し」で手軽に効果が得られます。

枕の黄ばみの落とし方

枕と枕カバー

枕にも洗える枕、洗えない枕があります。それぞれの黄ばみの落とし方を紹介します。

黄ばんだ枕の洗濯手順

布団と同様にまずは家庭で水洗いできるかどうか確認しましょう。

その中でも洗濯機が使えるもの、手洗いする必要があるものがあります。枕本体に付いている洗濯表示タグで確認ができます。

洗濯表示 桶に40は液温は40℃を限度とし、洗濯機で洗濯できる洗濯機で洗濯可能
洗濯表示 桶に手は40℃を限度に手洗い可能手洗いで洗濯可能
洗濯表示 桶に×は家庭での洗濯禁止家庭での洗濯禁止

万が一使用している枕に洗濯表示のタグが付いていない場合は、素材でも見極めることができます。参考にしてみてください。

〇洗える…「ポリエステルわた」「パイプストロー」「コルマビーズ」など

×洗えない…「そばがら」「低反発ウレタン」「羽毛・羽根」など

洗濯機で洗う方法

  1. 枕カバーから外して枕を洗濯ネットに入れる
  2. ドライコースに設定する
  3. 中性洗剤と酸素系漂白剤を適量投入する
  4. 洗濯終了後、形を整える
  5. 平らにして干す

基本的には洗濯表示通り洗いましょう。洗濯コースは手洗いやドライやソフトなど優しい弱水流のコースがおすすめです。

パイプストローやコルマビーズなどの穴があいている素材は穴に水が残ることがあるためしっかり乾かしましょう。

干し方も洗濯表示の特記事項に記載されているはずですので天日干し、陰干しを適切に行いましょう。

枕は乾くのに時間がかかりますので乾き具合を確認しながら向きを変えて全体的に乾かしきれるように工夫して下さい。

干し方についての記載がなければ以下を参考にしてみて下さい。

  • 天日干し…「ポリエステルわた」「コルマビーズ」「そばがら」「パイプストロー」
  • 陰干し…「低反発ウレタン」「羽毛・羽」

■手洗いする方法

  1. 枕が入るサイズの桶に水またはぬるま湯を張る
  2. 中性洗剤と酸素系漂白剤を溶かし入れる
  3. 枕を入れて両手で押し洗いをする
  4. 泡がなくなるまでしっかりとすすぐ
  5. 水気を切って枕の中身の偏り整える
  6. 干す

洗剤が残らないようにしっかり泡がなくなるまですすぎましょう。布団と同様に部分的にしつこい黄ばみ汚れになっている場合は、直接洗剤を塗布してもみ洗いをしましょう。

枕の中までしっかり乾かす必要がありますので向きを変えたり工夫しながら干しましょう。

枕の黄ばみにおすすめの洗剤

■アクロン

アクロン

出典「Amazon

おしゃれ着洗い代表的なアクロン。衣類用中性洗剤のため優しくかつ汚れをしっかりすっきり落としてくれるので枕のお洗濯にもおすすめです。

液体の酸素系漂白剤を併用することができるので頑固な黄ばみの場合にはダブル使いが効果的です。

枕の黄ばみにおすすめの漂白剤

■ワイドハイターEXパワー

襟袖汚れ専用洗剤

出典「花王

これ一本で漂白、洗浄、消臭、抗菌が叶う使い勝手の良い万能漂白剤です。普段使用している洗濯洗剤に足して使用できます。

特に汗や皮脂からくる黄ばみや消臭に効果があり、色柄物でも安心して使えます。

テンピュールなど洗濯できない枕の黄ばみ対処法

部分的に洗剤で叩いて落とす方法がありますが、それでもやってみて落ちなければ買い替える方法も検討しましょう。

洗剤で叩いて落とす方法

  1. 中性洗剤を濡らしたタオルにつける
  2. 黄ばみの部分に叩きながら馴染ませる
  3. 濡れタオルで叩きながら水拭きする
  4. 乾いたタオルで水分を拭きとる
  5. 乾かす

<黄ばみが落ちなければ①~③を繰り返しましょう。>

■買い替える方法

人気のテンピュール枕の寿命は約3年。もちろんその物自体や、個人差はありますが洗えない枕は手入れするのにも限界があります。睡眠の質に直結する枕ですので消耗品と考えて新たに購入する方法も検討しましょう。

布団や枕の黄ばみを予防する方法と普段のお手入れ

布団を部屋干しする

■定期的に天日干し

敷布団に溜まっている汗や皮脂などを蒸発させましょう。敷布団をそのままにしておくと、湿気がどんどんこもってカビが発生しやすくなります。敷布団に日光を当てれば、湿気を発散することができて殺菌効果もあります。

時間は午前10時頃~午後2時頃までの間の約2時間がベストです。夕方になるにつれ空気中の湿気が多くなりますので時間帯に注意しましょう。

■布団クリーナーを使う

レイコップなどの布団クリーナーには除菌機能がついているものがほとんどです。枕に付いた小さなホコリやダニだけでなく皮膚片なども吸い取ってくれます。

お家にない場合は布団用のノズルを取り付けて掃除機で吸い取る方法もあります。

■起きてすぐに布団を片付けない、掛布団はを重ねて置かない

お布団の場合は敷きっぱなしにするとスペースの問題や、だらしなく感じてしまいますので気持ちとしてはすぐにでも片付けたくなります。

しかし、寝ている間に汗だけでなく布団には体温がこもっていますので少しそのままにして発散させましょう。掛布団は敷布団の上に重ねて置かずにどこか別の場所にかけておくと良いです。

マットレスの場合はそのまま敷きっぱなしになりますので、起きたら掛布団を上げて中にこもった湿気を逃しましょう。

 ■湿気を逃せるグッズを利用する

フローリングの直に布団やマットレスをしくと湿気がたまりやすいです。すのこや除湿シートを活用しましょう。折り畳み式のすのこベットなどもありそのまま室内で風通しよくかけて置けるものもあります。

サーキュレーターや扇風機などで風をあてるのも良いしょう。

■敷布団やマットレスをまんべんなく使う

いつも同じ場所で寝るとその部分だけに汚れが付いて黄ばみやすいため、定期的に回転させて向きを変えるのも効果的です。

クリーニングでの布団や枕の黄ばみの落とし方

布団クリーニング

クリーニング店では基本的に布団や枕は汗や尿などの水溶性の汚れを落としてくれる水洗いになります。

しかし黄ばみは油溶性の汚れである皮脂が原因でもありますので水洗いだけでなく、油溶性の汚れを落としてくれるドライクリーニングを両方おこなってくれるお店もあります。

全体的にではなく染み抜きのように部分的に対応してくれることもありますが、お店によっても洗浄方法や考え方が違う場合があります。

例えば黄ばみに効果的な漂白剤は布団や枕の素材を傷めてしまうため、使用しないお店も多いです。漂白剤で黄ばみが落とせたとしても、寝心地が悪くなってしまうなどのリスクを考えるとどうでしょうか。

そのため長期にわたってついてしまった黄ばみを落とすのには限界があると考えた方が良いでしょう。

その代わり、シーツやカバーを交換する頻度を上げたり、汗を吸収しやすい素材のパジャマにするなど他の部分で工夫することも一つです。

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