プロが教えるメリノウールの自宅での洗濯方法

ウール
nishikawa

メリノウールはその柔らかさと保温性で知られ、寒い季節に大活躍のアイテムです。

ですが、この高品質な素材を洗濯する時は慎重さが必要となり、誤った方法で洗濯すると、収縮や毛玉のリスクが高まります。

そこで、メリノウールを自宅で安全かつ効果的に洗う方法を詳しくご紹介。

メリノウールのアイテムを長く美しく保つためにも、ぜひ参考にしてみてください。

メリノウールとは

ウールは自然の繊維素材で数多くの種類が存在し、その中でもメリノウールは高級なウールの一つです。

メリノウールは、特にその柔らかさと高品質で知られており、多くの魅力的な特徴を持っています。

また、メリノウールでも4種類あり、以下の表に特徴をまとめました。

種類繊維の太さ用途
スーパーエクストラファイン非常に細かい高級なアパレル、肌に直接触れる製品
エクストラファイン非常に細かいセーター、カーディガン、ベースレイヤー
ファイン細かいセーター、シャツ、アウトドアウェア
ストロング繊維が太く丈夫アウトドアウェア、靴下、耐久性が必要な製品

メリノウールのメリットとデメリット

ウールのニットやセーターの保管方法

高品質とされるメリノウールにも、メリットとデメリットが存在します。

まずはメリットからご紹介。

メリット

吸湿性

メリノウールは湿気を吸収し、体温を調整する能力に優れています。

寒い日には暖かさを、暖かい日には快適な涼しさを提供するので、衣服内のムレを防いで不快感を軽減することができます。

保温性

非常に保温性が高く、薄手の素材でありながら優れた暖かさがあります。

これは寒冷な気候でのアウトドア活動や、冬場の季節に最適です。

防臭力

メリノウールには天然の防臭性があり免疫機能もあるので、長時間着用しても不快な臭いを抑制します。

これはアクティブなライフスタイルや旅行に適しています。

肌触り

メリノウールの繊維は非常に細かく、肌触りが非常に柔らか。

かゆみや不快感を感じにくいため、敏感な肌の人にもおすすめです。

デメリット

一方で、以下のようなデメリットもあります。

毛玉になりやすい

ウール素材全般に言えることではありますが、メリノウールの場合は繊細な繊維でできており、摩擦に弱いため、毛玉ができやすい傾向があります。

特に摩擦が起きやすい、脇下や肘あたりなどはなるべく摩擦を与えないように要注意。

虫食い

メリノウールは天然の繊維であるため、虫食いのリスクがあります。

虫食いを防ぐための方法は後ほどご紹介します。

メリノウールを洗濯する際の注意点やリスク

ドラム式洗濯機

【注意点】

  • 手洗いをする
  • 水またはぬるま湯を使う
  • おしゃれ着洗剤を使う
  • 柔軟剤は最小限にする
  • 優しく押し洗いする
  • シミや汚れは部分洗いをしておく
  • すすぎを十分に行う
  • 平干しする

手洗いをする

メリノウールはなるべく手洗いをすることで、繊維を傷めず長く愛用することができます。

どうしても、洗濯機を使う場合は洗濯ネットに入れて「弱水流モード」で洗いましょう。

水またはぬるま湯を使う

メリノウールを洗う際には、水または30度以下のぬるま湯を使いましょう。

熱いお湯で洗うと繊維を収縮させ、変色や縮む可能性があります。

おしゃれ着洗剤を選ぶ

おしゃれ着洗剤は、メリノウールの繊維を優しく洗い上げることができます。

漂白剤や強力な洗剤は繊維を傷つける可能性があるので使わないように。

柔軟剤は最小限にする

元々柔らかいメリノウールに多めの柔軟剤を使うと、繊維が糸構造から表面へ突き出てしまい、結果的に毛玉が発生する原因になることがあります。

優しく押し洗い

メリノウールを洗う際には、激しく擦ったり、ひねったりしないように注意してください。

優しく押し洗いし優しく扱うことが大切です。

シミや汚れは叩いて落とす

シミや汚れが付いている場合、洗濯機では落としきれないので事前に部分洗いをしましょう。

シミを落とす際は、擦ってしまうと繊維を伸びや繊維を傷める可能性があるため、汚れ部分におしゃれ着洗剤をつけて優しく叩くことが大切です。

すすぎを十分に行う

洗濯後、洗剤が残らないように十分にすすぐことが大切です。

残留した洗剤や石けんは変色や色褪せの原因となる可能性があります。

平らに広げて乾かす

メリノウール製品を洗った後は、軽く水気を取り除き、平らに広げて陰干しすることが最適です。

直射日光には当てないようにし、乾燥機は縮む可能性が高いのでなるべく避けることをおすすめします。

【リスク】

  • 縮みや変色
  • 毛玉や毛羽立ち
  • 型崩れ

縮みや変色

メリノウールは収縮しやすいため、熱水や過度な摩擦にさらすと収縮する可能性があります。

また、不適切な洗濯方法や洗剤の使用によって変色することもあります。

毛玉と毛羽立ち

メリノウールは毛玉や毛羽立ちが発生しやすい素材です。

洗濯機や粗い繊維との摩擦、強力な洗剤の使用が原因となります。

型崩れ

メリノウールは伸縮性があり、洗濯やドライクリーニングによって形状が変化することがあります。

上記の注意点とリスクをしっかり把握して正しい洗濯をすることで、メリノウール製品の寿命を延ばすことができます。

メリノウールの自宅での洗濯方法

洗濯

メリノウールの洗濯におすすめの洗剤

エマール:公式エマール

おしゃれ着洗剤で代表的なエマール。「カタチコントロール洗浄」で伸びやヨレを整えます。

また、メリノウール製品を毛玉や縮みから守りつつ、界面活性剤ポリオキシエチレンアルキルエーテル配合で、汚れもオフ。
アクロン:公式アクロン

エマールと同様、多くの方がご存知のアクロンですが、メリノウールにも安心して使用できる中性洗剤です。

シワやヨレを予防しつつ、シルキータッチ成分と繊維保護成分(SAPA)成分が繊維をコーティングすることで、毛玉を防止。

自宅で洗えるメリノウールの洗濯表示

洗濯表示 桶に30下に横棒2本は液温は30℃を限度とし、洗濯機で非常に弱い洗濯ができる桶に30下に横棒2本は液温は30℃を限度とし、洗濯機で非常に弱い洗濯ができる
洗濯表示 桶に手は40℃を限度に手洗い可能桶に手は40℃を限度に手洗い可能
洗濯表示 桶に×は家庭での洗濯禁止桶に×は家庭での洗濯禁止

洗濯機でのメリノウールの洗い方

用意するもの
  • 洗濯ネット
  • おしゃれ着洗剤
  • 柔軟剤
裏返して畳み、洗濯ネットに入れる

色が濃い製品の場合は、なるべく単体で洗う

洗濯機におしゃれ着洗剤と柔軟剤をセットする
洗いは「弱水流モード」脱水は30秒〜1分に設定する
洗濯開始

手洗いでのメリノウールの洗い方

用意するもの
  • タライや洗面器
  • 水または30度以下のぬるま湯
  • おしゃれ着洗剤
  • 柔軟剤
  • 洗濯ネット
タライに水をはり、おしゃれ着洗剤を溶かす
衣類を洗浄液に浸して、軽く押し洗いする

メリノウールのすすぎと脱水方法

2.3回水を替えてすすぐ
水をはり、柔軟剤を溶かしたら衣類を浸ける

柔軟剤をメリノウールに染み込ませるイメージ

軽く水気を取り畳んだら、洗濯ネットに入れて洗濯機で30秒〜1分脱水する

メリノウールの洗濯後の乾燥機や干し方

洗濯が終わったら、平らに広げて風通しの良い陰で干しましょう。

ハンガーを使うと、自重で肩部分にハンガーの跡がつく・全体的に伸びる可能性があるので、なるべくハンガーは使わないことをおすすめします。

高温での乾燥は繊維を収縮させ、製品の形状やフィット感を損なう可能性があるため、乾燥機の使用は避けましょう。

メリノウールの汚れに漂白剤は使用可能か?

漂白剤

メリノウール製品は、塩素系・酸素系の漂白剤の使用には適さない繊維です。

漂白剤はメリノウール繊維を傷つけ、変色させる可能性があります。

洗濯しないメリノウールの臭いの対処法

ニット

頻繁に洗濯しない場合、どうしてもニオイが気になるということもあるはずです。

そんな時は、以下の方法で臭いを改善することができます。

通気性のある場所で陰干し

通気性のある場所で陰干しすることで、臭いを取り除くことができます。

注意点として、干す際に直射日光の当たらない場所に干すようにしましょう。

消臭スプレーを使う

ドラッグストアでも手に入る、衣類用の消臭スプレーを軽く吹きかけてから風通しの良い場所で陰干しするとニオイを改善することができます。

スチームアイロンを当てる

注意点として、メリノウール製品に直接当てないこと

ウールは高温に弱い繊維のため、誤って直接当ててしまうとテカリができて風合いが変わってしまうことがあります。

衣類から5㎝程度離して、スチームを当てていくようにしましょう。

メリノウールの毛羽立ち予防や毛玉取りの方法

毛玉取りとセーター

まず、毛羽立ちや毛玉の原因は「摩擦」や「静電気」ということを把握しておきましょう。

ですが、メリノウールを含めたウール素材は羊毛なので、毛羽立ちや毛玉は自然な現象です。

日常生活において、摩擦をさせることは難しいですが、気をつけて過ごすことによって予防することができます。

予防策

  • 着用後にブラッシングする
  • 2.3回着用したら洗濯する

着用後にブラッシングする

繊維が絡まることで毛玉が発生するので、絡まる前に柔らかい衣類用のブラシでブラッシングし、絡まりをほどきましょう。

2.3回着用したら洗濯する

摩擦や静電気以外にも、ホコリや汚れが原因で毛羽立ちや毛玉を悪化させます。

そのため、最低でも2.3回着用したら洗濯を行いましょう。

毛玉の取り方

毛玉取り機を使用して毛玉を取り除きましょう。

毛玉があると引っ張って取り除きたくなるのも分かりますが、繊維を傷めるため毛玉取り機がなければ、ハサミやカミソリでカットすることをおすすめします。

メリノウールのチクチク対策

アクリルニットがチクチク

基本的には、メリノウール素材がチクチクすることは少ない印象です。

ですが、同じメリノウールでも製法や素材そのもののクオリティ、加工方法によって肌触りがあまり良くないこともあります。

チクチクする場合は、直接肌への接触を避けるため、綿素材などのインナーを着用しましょう。

また、価格だけで選ばないことも重要です。

繊維の太さや編み方が異なる製品をいくつか試してみましょう。

メリノウールの虫食いしない保管方法

虫食いニットコート4

メリノウールは動物繊維なので、たんぱく質が含まれており虫食いの餌になります。

そこで、虫食いからメリノウール製品を守るために以下の方法をご紹介します。

通気性の良いところで保管

虫は湿度の高い環境を好むので、メリノウール製品を保管する前に、よく乾燥させてから通気性の良いところで保管しましょう。

衣類用圧縮袋に入れる

衣類用圧縮袋を使用して製品を密封し、虫やダニの侵入を防ぎましょう。

防虫剤や除湿剤を活用する

防虫剤や除湿剤を使用して虫食いを防ぎます。

注意点として、防虫剤は1種類を使い、規定の使用量を守りましょう。

複数の防虫剤を使うと、化学変化が起き衣類にシミや変色が発生する可能性があります。

メリノウールのクリーニング料金とおすすめ頻度

クリーニング

メリノウールのクリーニング料金は地域やクリーニングサービスによって異なりますが、大体1,500円〜1,800円程度。

料金は製品の種類やサイズによって異なり、場所によっても変動するので、事前にクリーニング店に問い合わせることをおすすめします。

メリノウールのクリーニング頻度は、一般的には頻繁にクリーニングする必要がないことが多いです。

メリノウールは天然の抗菌性を持ち、臭いを抑えやすいため、毎回の着用後に洗う必要はありません。

代わりに、製品を空気中で陰干しや通気性のある場所で保管し、定期的にブラッシングして清潔に保つことが大切です。

一般的に、数回の着用後にクリーニングが必要になります。

ただし、汚れが目立つ場合や臭いが気になる場合は、製品に合わせて洗う頻度を調整しましょう。

総じて、メリノウールはデリケートな素材であり、適切なケアとクリーニングが長寿命の秘訣です。

クリーニングが必要な場合は、信頼性のある専門のクリーニングサービスを利用し、製品を保護しながら清潔に保つよう心掛けましょう。

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