洗濯マークの平干しとは?正しい方法をプロが解説
洗濯から乾燥まで自動で行ってくれる洗濯乾燥機もあり、洗濯を干す手間も省ける便利な時代にはなりましたが、乾燥機にかけることができない自然乾燥の衣類もあります。
今回はその中でも「平干し」についてご紹介したいと思います。
洗濯表示の平干しマークの説明
洗濯表示には洗い方だけでなく、干し方についても適切な方法を明記されていることはご存知でしょうか。まずは自然乾燥において推奨されている干し方をマークとあわせて確認していきます。
上から4つはつり干し、その下からが平干しです。平らになっている「━」横棒をイメージして「平干し」と覚えましょう。
つり干しが良い | |
日陰でつり干しが良い | |
ぬれつり干しが良い | |
日陰でぬれつり干しが良い | |
平干しが良い | |
日陰で平干しが良い | |
ぬれ平干しが良い | |
日陰のぬれ平干しが良い |
洗濯で平干しする理由
ご自身で洗濯をしていて「この服はハンガーで干したら伸びそうだな~」と思ったことはありませんか。まさに平干しする理由はそこにあります。
洗濯物を干す時にハンガーやピンチハンガーを使って吊り干しをすることが多いですが、衣類によっては吊るのに向いていないものがあります。
例えば水分を含んだ服を吊るするとその重みで生地が伸びてしまったり、ハンガーの跡が付いてしまうような衣類は平干しがおすすめです。
つまり、平干しは生地の伸び縮みを防いで、型崩れから守ってくれる優しい干し方なのです。
平干しする服の素材やタイプ
それでは平干しするのはどのような服なのでしょうか。洗濯表示で平干しマークのある衣類は勿論のこと、代表としてはニットやウールのセーターです。
これらは水分を含むと型崩れしやすい素材なので平干しが基本になります。
それ以外でもダウンもンコートや中綿ジャケットのように中に入っている詰め物が吊ることで偏ってしまうタイプは、平干しがおすすめです。
また小さな子供の靴下や細々したものを一度に並べて干すこともできるので時短にもなります。他にもピンチハンガーで挟むと跡が付いてしまうようなデリケートな衣類や、ぬいぐるみ、枕なども平干しが適しています。
平干しは衣類への負担が少ない干し方とは言えども、生地同士重なる部分は乾かすのに時間がかかり、通気性も悪くなりがちです。
そのため、時間を置いて上下を裏返してみたりと工夫が必要なこともあります。
またワイシャツのように襟付きシャツは、ハンガーに吊るして干すことで水分の重みでシワを伸ばす効果が得られるため、何でもかんでもスペースの許す限り平干しすれば良いということでもありません。
- 型崩れしやすい衣類(セーター、カーディガン、ニットワンピース、Tシャツ等)
- 詰め物が入っている衣類(ダウンや中綿ジャケット、コート、枕、ぬいぐるみ等)
- ピンチハンガーの跡が付いてしまう衣類(ストール、マフラー、帽子等)
- 襟付きの衣類(ワイシャツ等)
- 乾きにくい衣類(フード付きパーカー、デニム、ズボン等)
洗濯物の平干し方法
次に平干し方法を紹介していきます。平干しはハンガーでのつり干しと違い、場所を取りやすいため干す場所の確保や干し方にも工夫が必要です。
平干しの置き方
平干しの置き方のポイントは大きく2つです。
- シワをしっかり伸ばしておくこと
- 生地同士が重なったりくっつかないようにすること
平干しはハンガーを使わない分、干す時間を短縮することができますが、置く際には「通気性」を意識しましょう。
通気性が良くないと服は乾きにくくなり、雑菌の繁殖や嫌な匂いの原因にもなりかねません。
できるだけ網目のものの上に置くなどして、服の接地面積を最小限にすることを心がけましょう。
平干しネットの使い方
平干しであると便利なのが「平干しネット」です。使用しない時はコンパクトに畳んで隙間に収納することができるものが多いので、場所を取らずに使うことができます。
その使い方もとても簡単。平干ししたい衣類を前述のようにシワをしっかり伸ばして、生地が重ならないようにネットの上に置くだけです。
平干しネットには形状や大きさも選べますが、大人のセーターを干すことを目安に考えると直径70cm程度のものがおすすめです。形状については大きく以下の2種類です。
■吊り下げタイプ
出典「Amazon」
ハンガーと同じ感覚で気軽に平干しができます。取り外しが簡単なので物干し竿や引っ掛ける場所さえあれば室内干し・室外干しと場所を選ばず使用できるところが魅力です。
外干しする際には風で飛ばされないようなガード付きや、バンド付きのものがおすすめです。
■据え置きタイプ
出典「Amazon」
浴室乾燥、室内干し派におすすめなのが据え置きイプ。スタンド付きもあれば、ネットのみのタイプもあります。
スタンド付きであれば、スタッキングできて何段にも重ねることができます。一方、シンプルに収納時も省スペースを希望する方にはネットのみがおすすめです。
幅広タイプにすれば浴槽の淵に渡して使うことができるので使用しない間の浴室を有効活用になります。
平干しネットが無い時の代用
やはり平干しで懸念してしまうのが干す場所の問題。平干しネットがない場合は使用していないスペース、時間帯をフルに有効活用しましょう。
- メタルラック
- 机の上
- ピンチハンガーの上(天面)
- 洗濯籠の上
■メタルラック
使用していない段があればその場所を利用できます。場所をつめると空くスペースがあるかもしれません。気になる通気性も天板が網目のため心配いりません。
ただし、滴が落ちて下に置いているものが濡れてしまう可能性も考えられますのでタオルを敷いておくなどの対策は必要です。
■テーブルの上
テーブルも上にあるものを片付ければ平干しができます。バスタオルなどを下に敷きましょう。ただし、ぬれ干しには向いていません。
■ピンチハンガーの上(天面)
ピンチハンガーの上も有効活用をすれば平干しができます。形状によっては変な型が付いてしまう場合もありますので、干すものとお手持ちのピンチハンガーの天面を見て判断しましょう。
■洗濯籠の上
洗濯籠をひっくり返して底の平らな部分を使って干すことも可能です。風通しの良い場所に移動させることも簡単ですし、場合によってはサーキュレーターと併用するのもおすすめです。
■お風呂の蓋
蓋の上にタオルを敷いて平干しができます。浴室乾燥や換気扇を活用して通気性を良くしましょう。
ベランダが狭く平干し場所が無い場合の対処法
ただでさえ狭いベランダで平干しは難しいと思われますが、便利グッズを使えば可能になります。更に平干しに限らず普段の吊り干しする洗濯物も干すことができるものを選べば一石二鳥です。
■【RAKU】ベランダ用物干し
出典「Amazon」
工具不要でベランダの手すりに簡単に引っ掛けて取り付けができます。使用しない時には折りたたむこともできるため付けっぱなしでも場所を取らないのも嬉しいポイントです。
平干し以外でもタオルやハンガーを引っ掛けることは勿論、小物干しハンガーも付いているためピンチハンガーがなくても靴下やハンカチもまとめて干すことができます。
浴室乾燥で平干しする方法
浴室内に引っ掛ける場所があれば、吊下げタイプの平干しネットが使えます。万が一、なくても浴槽のフチに渡して使える平干しネットが便利です。
お風呂の蓋とは違い、通気性も抜群です。水が滴り落ちても浴槽なので濡れても心配いりません。特に陰干しや風邪に飛ばされそうなデリケートな衣類におすすめです。
大量の平干しをしたい場合の対処法
衣替えでまとめてセーターを洗う時にはやはり平干しネットの活用が不可欠です。先述紹介した吊下げタイプ・据え置きタイプにはそれぞれ連結する商品があります。
吊下げタイプはもともと段数の多いものを購入しておくのも一つです。
据え置きタイプはどんどん上にスタッキングできるようになっているものがあるので、吊下げタイプ以上に対応できます。
乾かない平干しを工夫し時短する方法
風通しの良い場所で乾かすのが一番ですが、天候や季節によっては乾きの悪い時期もあります。そんな時は上手に短時間で乾燥できるこれらの家電製品を活用しましょう。
- 浴室乾燥
- エアコンの除湿機能や洗濯乾燥機能
- サーキュレーター
- 扇風機
これまで自己流で干してきた方も多いかもしれませんが、それぞれの暮らしにあった平干しをマスターして大切なお洋服をきれいにお手入れしていきましょう。