プロが教えるスモックの洗濯方法や絵具の落とし方
お絵描きや絵具遊びなど、子供にとってはとても楽しく想像力を形にする素晴らしいことですが、同時にスモックを汚す原因にもなります。
しかし、スモック自体が汚れることは避けられません。
この記事では、絵具の種類や食べ物の汚れに応じた洗い方、スモックの素材を考慮したケア方法など、スモックを長持ちさせるコツをご紹介します。
スモックの洗濯方法
ほとんどのスモックの素材は、洗濯が簡単で丈夫な素材で作られていますが、だからといって適当に洗濯しても問題ないというわけではありません。
特に幼稚園児が使用するスモックは、絵具や食べ物の汚れが頻繁に発生するため、適切な洗濯方法を知っておくことが重要です。特に目立った汚れがない場合の洗濯であれば、以下の順で洗濯しましょう。
まず、初めに洗濯をする前には、スモックに付けられている洗濯タグを確認します。
桶に30は液温は30℃を限度とし、洗濯機で洗濯できる | |
桶に30下に横棒1本は液温は30℃を限度とし、洗濯機で弱い洗濯ができる | |
桶に手は40℃を限度に手洗い可能 | |
桶に×は家庭での洗濯禁止 |
家庭での洗濯禁止の場合は、クリーニング店へ相談することをおすすめします。
- おしゃれ着洗剤または中性洗剤
- 柔軟剤
- 洗濯ネット
洗濯ネット入れることで、洗濯時の摩擦から生地を守ります
おしゃれ着洗剤や中性洗剤は素材を優しく洗うことができるのでおすすめ
※通常の洗濯洗剤でもOK
デリケートな素材でなければ通常のサイクルで洗濯可能
スモックに付いた絵具の落とし方
スモックに絵具がついた時の注意点は以下の通りです。
- すぐに対処する
- 素材を確認する
- 少なからず汚れ落としで繊維がダメージを受ける
■すぐに対処する
絵具は乾燥すると落としづらくなり、特にアクリル絵の具や油性絵の具は乾くと水や通常の洗剤では落ちにくくなります。シミに気づいたらできるだけ早く処理を行いましょう。
■素材を確認する
スモックの素材によっては、特定の洗浄方法や化学物質が適していない場合があります。デリケートな素材や特殊な加工が施されている場合は、自宅ではお手入れせずにクリーニング店へ相談しましょう。
■少なからず汚れ落としで繊維がダメージを受けることを理解しておく
汚れ落としの過程で、繊維がダメージを受けることがあります。これはスモックに限られた話ではないですが、無理に汚れをこすったり、強い洗剤などを使用、頻繁な洗濯によっても生地が傷む原因になります。
また絵具の種類によって、成分や特徴・落とし方が異なります。以下は「水彩絵の具」「アクリル絵の具」「油性絵の具」の3種類についての比較表です。
絵具の 種類 | 成分 | 特徴 | 落とし方 |
---|---|---|---|
水彩絵具 | 水溶性顔料 ガムアラビック等 | 乾燥後も水で溶ける、 透明感があり重ね塗りが可能 | 水またはアルカリ石鹸で洗う。 湿らせた布で優しくたたく。 重曹を使う。 |
アクリル絵具 | アクリル樹脂、水溶性顔料 | 速乾性、水に強い、多用途に使用可能 | 固形石鹸で洗う。 酸素系漂白剤+洗濯洗剤を使う |
油性絵具 | 乾性油、顔料 | 油と酸素が結合することで化学反応が起き定着する、 長時間乾燥させて乾かす、発色が良い、重ね塗りに適している、 | 除光液+酸素系漂白剤+セスキ炭酸ソーダ+クエン酸 |
- 水彩絵の具は水で溶けやすく、一般的に落としやすいです。
- アクリル絵の具は乾燥すると水に強くなるため、早めの処理が重要です。
- 油性絵の具は最も落としにくいため、専用の溶剤が必要なことが多いです。
それぞれ、絵具成分にあった方法で優しく処理することが大切です。また、スモックの素材によっては使用できない溶剤もあるので注意しましょう。
【水彩絵具の落とし方】
- 固形のアルカリ石鹸
- 歯ブラシ
- 40度~50度のお湯
- 洗面器
【アクリル絵具の落とし方】
- 洗濯洗剤
- 酸素系漂白剤
- 40度~50度のお湯
- 洗面器
汚れが広がらないように注意する
【油性絵具の落とし方】
- 除光液またはクレンジングオイル
- 酸素系漂白剤
- セスキ炭酸ソーダ
- クエン酸水
- キッチンペーパー
- 歯ブラシ
- 40度~50度のお湯
- 洗面器
セスキ炭酸ソーダはアルカリ性で汚れを落とす効果が高いですが、生地を傷めるため酸性のクエン酸水で中和する
こすり過ぎ注意
1回で汚れが落ちなければ、2.3回繰り返す
無理に落とさず、落としきれなかった場合はクリーニング店依頼しましょう
スモックに付いた泥汚れの落とし方
【泥汚れの落とし方:基本】
- 洗濯洗剤
- 洗濯用固形石鹸
- 約40度のお湯
- 洗面器
湿ったままの泥は広がりやすく、汚れがさらにひどくなる可能性があります
泥が完全に乾いたら、ブラシや手で優しく払い落とします
【泥汚れの落とし方:がんこ汚れ】
- 洗濯洗剤
- 重曹
汚れがひどい場合はもみ込んでおきましょう
スモックに付いた泥汚れを落とす際には、素材を傷めないように注意が必要です。
また、スモックの素材によって洗濯洗剤が合わない場合もあるので、目立たない部分に少量つけて色落ちしないかテストを行うことをおすすめします。
スモックに付いたマジック等のペン汚れの落とし方
【ペンの種類】
「水性ペン」と「油性ペン」にはそれぞれ異なる成分、特徴、落とし方があります。以下に表で示します。
種類 | 成分 | 特徴 | 落とし方 |
---|---|---|---|
水性ペン | 水、染料または顔料、その他添加物 | 紙に滲みにくい、色が明るい、においが少ない | 水または石鹸水で洗う。アルコールを使用することも可能。 |
油性ペン | 油、顔料、溶剤、樹脂 | 速乾性、水に強い、耐光性があり色あせにくい | アルコールや専用の洗剤を使用。ターペンチンが効果的な場合もある。 |
- 水性ペンは水や石鹸水で比較的簡単に落とせることが多いですが、乾燥すると落ちにくくなることがあります。
- 油性ペンは水性ペンに比べて落としにくいため、アルコールや専用の溶剤を使用する必要があります。
- どちらのペンも素材によっては落としにくい場合があるため、汚れた場合はすぐに処理することが重要です。
【水性ペンの落とし方】
- 食器洗剤
- 歯ブラシ
- タオル
汚れた面で叩き続けると、汚れていなかった箇所にもインクが付いてしまう可能性があるのでズラす
【油性ペンの落とし方】
- 除光液またはクレンジングオイル
- タオル
- 歯ブラシ
インクが付いている面を下にして、タオルの上に置く
ペンのインク汚れは取り除くのが難しいことがありますので、迅速な処理が重要です。
また、シミ抜き剤やアルコールを使用する際は、スモックの素材にダメージを与えないよう注意してください。
スモックに付いたペンキの落とし方
事前に理解してほしい事として、ペンキがスモックについた場合、完全に落とすことは難しいです。そのため、以下の落とし方はあくまでも応急処置としてご紹介します。
【ペンキの種類】
「水性ペンキ」と「油性ペンキ」はそれぞれ異なる成分と特徴を持ち、落とし方も異なります。以下の表にまとめました。
ペンキの種類 | 成分 | 特徴 | 落とし方 |
---|---|---|---|
水性 | 水、顔料、樹脂(アクリルやビニール系など) | 乾燥が速い、低臭気、環境に優しい、洗浄が容易 | 水または石鹸水で洗う。乾く前に処理するのが効果的。 |
油性 | 油(リンシードオイル等)、顔料、溶剤 | 耐久性が高い、光沢がある、色の深みがある、乾燥に時間がかかる | ターペンチンやペイントシンナーを使用して落とす。乾く前に処理が望ましい。 |
- 水性ペンキは水溶性であるため、水や石鹸水で比較的簡単に落とせます。乾燥すると落ちにくくなるので、早めの対応が必要です。
- 油性ペンキは耐水性があり、一旦乾燥すると水や石鹸水では落としにくくなります。専用の溶剤(ターペンチンやペイントシンナー)が必要です。
【水性ペンキの落とし方】
- 洗濯洗剤
- ぬるま湯
- 洗面器
【油性ペンキの落とし方】
- 除光液またはベンジン
- ティッシュ
- 歯ブラシ
【シンナーを使う場合】
毎日洗う?幼稚園児のスモックの洗濯頻度
幼稚園児のスモックの洗濯頻度は、何汚れなのか、またどれだけ汚れたかによって異なります。
■シミや汚れの程度
子どもたちが絵を描いたり、粘土遊びなどの汚れやすい活動をした日は、その日のうちに洗濯するのが理想的です。特に、明らかなシミや汚れがある場合は、放置する時間が長くなるほど落ちにくくなるので早めに洗濯することが重要。
食事時にのみ使用して軽い汚れの場合は、数回使用してから洗濯してもOK。
■洗い替えのスモックを用意する
スモックを毎日交換できるように、複数枚用意しておくと便利です。また、遊び用と食事用のスモックを使い分けることで衛生面もあまり気にせず使うことができるのでおすすめ。
■洗濯の頻度を決める
最終的には、保護者の判断でスモックをどれだけの頻度で洗濯するかを決めることになります。いつ洗うか悩む場合は、事前に洗濯頻度を決めておくとラクです。
過度な洗濯はスモックの素材を傷める原因にもなり得るため、バランスを考慮して洗濯しましょう。
園児服やスモックのクリーニング料金相場
スモックのクリーニング料金は、地域やクリーニング店によって異なるため、一概には言えませんが、1点あたりのクリーニング料金は通常、数百円から1000円程度が相場となっています。
一般的に、子ども服はサイズが小さいため、洗浄や処理にかかる費用が大人の衣類よりも安価です。ですが、特殊な素材やデザイン、汚れやシミを落としたい場合は追加料金が発生することがあるので、事前にクリーニング店へ確認しておきましょう。