プロが教えるスラックスの洗濯と黄ばみ等の染みの落とし方
スラックスは、ビジネスやフォーマルな場面での着用に欠かせないアイテムです。
しかし、時間が経つにつれて黄ばみや汚れが目立ち、どうにかしてその染みを落としたいと思うことでしょう。
そこで、スラックスの洗濯方法や染み抜き、正しい保管方法についてご紹介。
スラックスをいつも美しく保つために、ぜひ参考にしてみてください。
スラックスの洗濯の注意点やリスク
スラックスの洗濯に失敗すると、以下のようなリスクが起きます。
【リスク】
- 色落ちや色移り
- 白くなる
- 毛玉や毛羽立ち
- 型崩れ
- 縮みや伸び
色落ちや色移り
スラックスの色落ちは、初めて洗濯した時や、洗濯の時に他の衣類と擦れることが原因です。
他にも、干す時に直射日光だと色褪せも起きます。
また、濃い色の衣類と一緒に洗濯したことによって、スラックスに色移りしてシミが残ることがあります。
色落ち・色移りを防ぐために、スラックスの色よりも濃い色の衣類と一緒に洗わないように注意しましょう。
白くなる
適切でない洗剤や高温の水温で洗うと、スラックスの生地が白く白浮きしてしまうことがあります。
これを避けるために、洗濯タグの指示に従い、正しい洗濯方法を選びましょう。
毛玉や毛羽立ち
摩擦により、スラックスの表面に毛玉や毛羽立ちができることがあります。
毛玉・毛羽立ちは、特にビジネスシーンでは身だしなみとしてもあまり良い印象ではありません。
そのため毛玉を予防するために、洗濯時にスラックスを他の粗い生地と一緒に洗わないようにしましょう。
型崩れ
適切でない乾燥方法や保管方法、あるいは雑に洗濯されると型崩れを引き起こす原因となります。
型崩れを防ぐために、スラックスは優しく洗濯し、干す時にはキレイに形を整えて保管することが大切です。
縮みや伸び
高温の水や高温の乾燥にさらすと、スラックスが縮む可能性があります。
また、洗濯が終わった後、湿った状態で無理に引っ張ったり、ぶら下げて長時間保管すると、スラックスの生地が伸びてしまう原因となるので気をつけましょう。
それでは、これらのリスクを回避するために、以下の注意点をしっかり確認しましょう。
【注意点】
- 洗濯タグを確認する
- 洗濯ネットを使う
- 優しいコースで洗う
- おしゃれ着洗剤を使う
- ジャケットとセットで洗う
洗濯タグを確認する
洗濯タグには、洗濯に使用できる温度や手洗いが必要かどうか、アイロンの設定などが記載されています。
洗濯タグの指示に従って洗濯を行いましょう。
洗濯ネットを使う
他の衣類やジーンズなどと一緒に洗濯すると、摩擦によるダメージが発生しやすいです。
洗濯ネットを使用することで、スラックスを保護し傷つけずに洗うことができます。
優しいコースで洗う
激しい洗濯コースは、生地を摩擦して傷つける可能性があるため「デリケート」や「手洗いコース」を選びましょう。
おしゃれ着洗剤を使う
おしゃれ着洗剤は、生地に優しい成分を含んでおり、色褪せやシワ・ヨレなどを防いでくれます。
通常の強力な洗剤は、色落ちの原因になることがあるので洗剤を使う前に、スラックスの目立たない部分でテストをしましょう。
ジャケットとセットで洗う
セットアップの場合、スラックスだけを頻繁に洗濯するとジャケットと色が合わなくなっていくので、なるべくジャケットも一緒に洗濯しましょう。
スラックスの洗濯方法
スラックスの洗濯におすすめの洗剤や柔軟剤
スラックスの洗濯において、選ぶべき洗剤と柔軟剤は重要です。
強力な漂白剤や漂白剤入りの洗剤は、スラックスの生地を傷つける可能性があるため、優しく洗うことができる「おしゃれ着洗剤」を使用することをおすすめします。
おすすめの洗濯洗剤
■エマール ダメージリペア技術で、スラックスの繊維の内側から補修し長くキレイに着れます。 シワ・色褪せを予防しながら優しく洗いつつ、汗や皮脂もしっかり洗浄。 | |
■アクロン 膝裏やお尻部分に着用ジワがついてしまいがちなスラックスも、アクロンの「キレイ修復洗浄」でシワやヨレをケアして整えます。 シルキータッチ成分と繊維保護成分(SAPA)、2つの成分が繊維をコーティングするので、毛玉を防止します。 |
おすすめの柔軟剤
■さらさ 厳選された植物由来成分で、お肌を優しく包み込みます。 ふわふわに仕上げるだけでなく、スラックスのニオイもしっかり防臭。 | |
■レノアハピネス夢ふわタッチ 5つ星ホテル推奨。最高量の柔軟成分を配合しているので、ふんわりやわらかな仕上がりに。 出張先で洗濯できないスラックスも、贅沢な香りが続きます。6種類の香りがあるので、ぜひお好みの香りを探してみてはいかがでしょうか。 |
スラックスの洗濯機での洗い方
多くのスラックスは手洗いが推奨されますが、洗濯機を使用する場合もあります。
まずは、洗濯をする前に洗濯タグを確認しましょう。
桶に30下に横棒1本は液温は30℃を限度とし、洗濯機で弱い洗濯ができる | |
桶に手は40℃を限度に手洗い可能 | |
桶に×は家庭での洗濯禁止 |
スラックスの手洗い方法
- 洗面器
- おしゃれ着洗剤
- 柔軟剤
- 水
スラックスの尿染みや黄ばみの落とし方
尿染みや黄ばみを落とす場合は、酸素系漂白剤を使います。
その際も、洗濯タグの確認を忘れないようにしましょう。
三角は塩素系及び酸素系の漂白剤を使用可能 | |
三角に斜め線2本は酸素系漂白剤は使用可能だが塩素系漂白剤は使用禁止 | |
三角に×は塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止 |
- 洗面器
- 酸素系漂白剤
- 40度程度のお湯
スラックスのカビの落とし方
いつの間にか、カビが生えていたという経験をされたことがある方も多いはずです。
カビは保管方法が主な原因で発生します。
そんなカビですが、種類がありお手入れ方法も異なるので、まずはカビの種類や特徴を確認しましょう。
カビの種類
特徴 | 白カビ | 黒カビ |
---|---|---|
形状 | ふわふわとした綿毛のような外観 | 黒色で平坦な表面のような外観 |
スラックスへの影響 | 衣類に白い斑点を残す | 衣類に黒い斑点を残す |
スラックスを収納する際に、湿度が高い場所や衣類が汚れたままで保管すると、カビの発生が起こることがあります。
カビが生えた場合、できるだけ早く対処することが重要なので、以下の方法でカビのお手入れをしていきましょう。
白カビの落とし方(シルク・ウール・ポリエステルに可)
- 消毒用アルコール
- 歯ブラシ
- ドライヤー
スラックスの生地を傷めないように優しくこする。
黒カビの落とし方(ポリエステルに可)
- 粉末 酸素系漂白剤
- タオル
- ドライヤー
黒カビの落とし方(シルク・ウールに可)
- 液体 酸素系漂白剤
- タオル
- ドライヤー
手順は、粉末 酸素系漂白剤を使う時と同じようにお手入れしてください。
スラックスに付いたボールペン汚れの落とし方
- 消毒用アルコール
- 汚れてもいいタオル
タオルにボールペンの汚れを移すイメージ。
スラックスに付いた油汚れの落とし方
- 食器洗剤
- 洗面器
- 歯ブラシ
- ぬるま湯
水で洗うと油が固まって取りづらくなるので、必ずぬるま湯で行う。
通常の洗濯で落ちないスラックスの臭いの落とし方
スラックスは身体に直接触れるため、汚れが蓄積されて不快な臭いになることがあります。
通常の洗濯では落ちにくい臭いを取り除く方法として、カビ取り方法でもご紹介した「酸素系漂白剤」につけ置きすると、臭いの原因を改善することができます。
もし、洗濯ができない状況であれば、風通しの良い場所に干すことでも改善することができます。
その時に合わせて、衣類用消臭スプレーなどを活用すると良いでしょう。
スラックスのおすすめ洗濯頻度
スラックスは、毎回の着用後に洗う必要はありません。
特に、高品質なウールスラックスは、空気を通す時間を与えることが大切です。
したがって、着用後は風通しの良い場所に吊るして休息させることをおすすめします。
ですが、汗をかいた時や前回洗濯してから日が経つ場合などは洗濯を行いましょう。
スラックスの干し方や乾燥機
スラックスの形状を保つためにも、干し方はとても重要です。
スラックスを干す際には、ボタンとファスナーを開けて裏返し、筒状になるようにしましょう。
干す場所は、直射日光を避け風通しの良い場所で干してください。
乾燥機を使用する場合は、低温設定にし長時間乾燥させすぎないように気をつけてください。
スラックスのシワ伸ばしとアイロンの掛け方やコツ
アイロンなしのスラックスのシワ伸ばし
アイロンを使わずにスラックスのシワを伸ばすには以下の方法があります。
- 浴室に干してシャワーを浴びる(蒸気を利用してシワを伸ばす)
- シワ取りスプレーを吹きかけて風通しの良いところに干す
スラックスのアイロンの掛け方やコツ
- アイロン
- アイロン台
- 綿素材の当て布
- 水の入った霧吹き
スラックスはセンタープレスに沿って畳む
長時間当てるとテカリの原因になるので、5秒程度当てる。
シワが深い場合は、霧吹きで濡らしたあとにアイロンを当ててください。
スラックスの型崩れやシワにならない収納保管
スラックスの型崩れやシワを防ぐためには、適切な収納と保管方法が大切です。
スラックスの保管におすすめのカバー
スラックスを保管する際には、通気性のある布製のカバーを使用することをおすすめします。
通気性のあるカバーは、スラックスの生地を守りながら、湿気やホコリからも保護します。
スラックスをたたむ前に、カバーに収納しておくと、型崩れやシワができにくくなります。
スラックスの旅行や出張時のシワにならない畳み方
もう少しコンパクトにしたい場合は、さらにもう一度折りたたむ
スラックスのハンガー保管での型崩れしない吊るし方
スラックスのハンガーは滑り止めのクリップが付いているものを使うと、しっかりと保管できます。
スラックスのクリーニング料金相場と日数や時間
スラックスをクリーニング店に出す場合、クリーニング料金は地域やクリーニング店によって異なりますが、大体500円〜1,000円程度で行えます。
ですが、高級スーツのパンツなどは、慎重に取り扱う必要があるのでもう少し料金が高くなる場合があります。
そのため、クリーニング店へ依頼する際は、事前に料金を確認しておきましょう。
クリーニング店では、ドライクリーニングをはじめ、必要に応じてウェットクリーニングやシミ・カビ取りなどもオプションで依頼できます。
また、スラックスのセンタープレスが取れかけた際も、クリーニング店でキレイに形を整えることができます。
納期については、大体2日程度ですが繁忙期などは返却に時間を要することもあるので、着る予定がある場合は、余裕をもって依頼しましょう。
スラックスを長持ちさせ、いつでも清潔で整った状態に保つために、これらのアドバイスやテクニックをぜひ活用してください。