失敗しないつけ置き洗いのやり方たコツをプロが解説
ガンコな汚れや蓄積した黄ばみ、ちょっとしたシミ汚れなどスッキリ落としたいですよね。そんなときに試して欲しいのが「つけ置き洗い」です。
つけ置き洗いは汚れを落とすのにとても効果的ですが、つける時間や使用する洗剤をきちんと理解することで、より効果的に行うことが出来ます。
つけ置き洗いにはデメリットや、つけ置き洗いに不向きな衣類もありますので、正しい方法で行うことが大切です。
今回は、つけ置き洗いについての基礎知識や手順、注意点について紹介していきます。
つけ置き洗いとは?落ちる汚れと効果や理由
つけおき洗いとは、頑固な汚れや通常の洗濯ではなかなか落とすことが困難なシミが衣類に付着した際に、洗剤を溶かした水やお湯につけて洗濯する方法のことを言います。
つけ置き洗いは、頑固な汚れがついている衣類や、デリケートな衣類を洗濯するのに適しています。
つけ置きをすることによって、繊維の奥まで洗剤が入り込んで、しっかり汚れを落としてくれるだけでなく、消臭効果もあります。またデリケートな衣類はダメージを与えにくく型崩れもしにくいです。
ただし、なんでもかんでもつけ置き洗いをすれば良いというわけではありません。つけ置き洗いにも向き不向きがあります。間違ったやり方をしてしまうと色落ちや素材を傷めてしまう原因となるので、注意が必要です。
つけ置き洗いで黄ばみや泥汚れや臭いが落ちる
毎日きちんと洗濯していても、ワイシャツの襟やTシャツの脇の黄ばみがどうしても出てきてしまい気になってきませんか。
また泥汚れなどの頑固な汚れや、繊維の奥にひそんでいる気になる臭いも「つけ置き洗い」で落とすことができます。
つけ置き洗いで色落ちや色移りが起きる
しかし、衣類をつけておく時間には注意が必要です。臭いや汚れをしっかり落としたいからといって長時間つけ置くことは危険です。
長時間つけ置くことで、染料が溶けて色落ちや色移りが起きてしまう可能性があるからです。
またつけ置き洗いに使用した洗剤液は汚れていますので、汚れていない部分にまで汚れが付着してしまう恐れがあります。
つけ置き洗いの準備
つけ置き洗いの容器
つけ置き洗いには、まずバケツや洗い桶など洗濯物がしっかりつかる大きさの容器を用意します。洗面台でも可能ですが、つけ置き中は使用できないので、洗い桶やバケツが良いでしょう。
折りたたみ桶(バケツ)
出典「Amazon」
素材や形状も様々ありますがその中でも折りたためるタイプがおすすめです。使用しない時は隙間に収納できたり、フックで吊るせるものもあります。
お洗濯だけでなく災害時にも役立ちますので一つあると幅広く使えるグッズです。
「折りたためるバケツ」は柔らかなエラストマー製で、使わないときはジャバラ状に折りたたんでフックに吊り下げたり、すき間に収納できます。
発泡スチロールはほとんど温度が下がらず、ずっとお湯のままつけ置きができるのでおすすめです。
シリコンキャップ
出典「Amazon」
シンクでつけ置き洗いをする際に使用します。排水口にキャップを載せるだけでしっかり水を貯めることができます。
折りたたみ桶(バケツ)よりも省スペースですので場所をとりたくない方や衣類以外も一度でたくさんつけ置き洗いをする際はこちらがおすすめです。
つけ置き洗いにおすすめの洗剤
つけ置き洗いする前にまず、どの程度の汚れなのか、素材はどのようなものなのかを確認する必要があります。
デリケートな洋服には中性洗剤
ライオン アクロン
出典「Amazon」
スーパーやドラッグストアで手に入りやすい代表的なおしゃれ着洗剤の1つです。
通常のおしゃれ着洗剤ではすすぎ2回が多いところ、アクロンのなら1回でOK(「おしゃれ着コース」などの洗濯機の弱水流コースで洗った場合)です。節水やと時短にもなりますのでおすすめです。
デリケートなセーターやシルク素材などをつけおきする時は、おしゃれ着洗い専用の中性洗剤を選びましょう。型崩れを防ぎながら繊維の奥の汚れも取り除くことができます。
落ちにくい汚れにはアルカリ性の洗剤
東邦 ウタマロ石けん
出典「Amazon」
部分汚れに強い万能石鹸といえばウタマロ石けんです。食べこぼし、化粧品汚れ、泥汚れなどの頑固な汚れに強い主婦の味方です。
固形石鹸ならでは直接汚れている部分にぬり込み使用します。ひどい汚れに関しては「もみ洗い」をおすすめしますが、その後の「つけ置き洗い」にも使用するとより効果的です。
なかなか落ちない泥汚れや皮脂汚れは酸素系の汚れです。このような汚れにはアルカリ性の洗剤を使うと効果的に落とせます。
とくに頑固な汚れには酸素系漂白剤と重曹の組み合わせもおすすめです。酸素系漂白剤は柄物の衣類にも使うことができます。
重曹は酸素系漂白剤より強いアルカリ性で、2つを組み合わせることで、油脂や皮脂などの酸素系の汚れに対して強い洗浄力を発揮します。
つけ置き洗いにおすすめの漂白剤
花王 ワイドハイター EXパワー
出典「Amazon」
これ一本で漂白、洗浄、消臭、抗菌が叶う使い勝手の良い万能洗剤です。普段使用している洗濯洗剤に足して使用します。
特に汗や皮脂からくる黄ばみや消臭に効果があり色柄物に安心な酸素系漂白剤です。抗菌成分が洗濯中の菌移りを防ぎ、まとめ洗いも安心なため「つけ置き洗い」たけではなく普段の洗濯機洗いでももちろん使えます。
重曹は酸素系漂白剤より強いアルカリ性です。
とくに頑固な汚れには酸素系漂白剤と重曹の組み合わせがおすすめです。
酸素系漂白剤は柄物の衣類にも使うことができます。この2つを組み合わせることで、油脂や皮脂などの酸素系の汚れに対して強い洗浄力を発揮します。
塩素系漂白剤は色落ちさせてしまう恐れがあるので、色柄物に関しては酸素系漂白剤の使用がおすすめです。
つけ置き洗いのお湯の温度
桶に40は液温は40℃を限度とし、洗濯機で洗濯できる |
つけ置き洗いは基本的に、40度程度を目安にしましょう。
温度は高ければ高いほど洗浄力が上がるので汚れは分解されやすくなりますが、これ以上高温になると生地を傷めてしまうことがあります。
また、これより低い温度ですと汚れを浮き上がらせるという目的を達成することが出来なくなってしまいます。
生地によっては熱に弱い素材を使用していることがあるため温度に制限を設けていることもあるので、必ずタグなどについている洗濯表示を確認してから行うようにしてください。桶の中の数字が、限度の液温となっています。
つけ置き洗いの手順
衣類の量や大きさに合わせた洗面器やバケツなどの容器を用意し、40℃前後のぬるま湯を入れましょう。衣類の洗濯表示や、汚れの度合いに応じて温度は調節が必要です。
ぬるま湯が入った容器などに洗剤を溶かす。粉末洗剤なら溶け残りが出ないよう混ぜます。
汚れの範囲や落としにくさによって、混ぜる洗剤は使い分けるのが衣類を美しく保つコツ。 真っ白な衣類なら蛍光剤が入った物を、色物のつけ置きには蛍光剤が入っていないものがおすすめです。
※洗剤の量は水の量に対してきちんと量り入れましょう。入れすぎると洗い残しの原因になりかえって衣類を傷めてしまいます。
汚れが浮いてきているか目視出来るのがつけ置きの魅力でもあります。洗剤とぬるま湯を混ぜたものに、5分~15分程度つけ置きします。
それでも落ちない場合のみ、衣類の状態を見ながら伸ばしますが、それでも30分程度までにしておきましょう。
頑固な汚れの場合はつけ置く時間を延ばすよりもつけ置き洗い後、洗濯機でもう一度通常の洗濯をして下さい。
※つけ置き時間が長ければ長いほど汚れが落ちるのではと考える人もいますが、長すぎると衣類が傷んだり色落ちの原因にもなりますので注意しましょう。
汚れた水は捨てて、新しい水に洋服を付け入れるのを繰り返してすすぎます。泡が出なくなるまですすぐのがポイントです。頑固な汚れがある場合は、その後に普段通り洗濯機にかけます。
終わったら30秒~1分程度の短時間、洗濯機の脱水にかけます。
脱水しすぎると衣類が伸びでしまったりシワになったりします。デリケートな衣類は洗濯ネットに入れて脱水することをおすすめします。
脱水まで手洗いする場合は、バスタオルを使用しタオルドライします。力を入れて絞ったり摩擦で衣類にダメージを与えないように、優しく扱いましょう。
バスタオルに衣類を挟み水分を移すような感覚で上から軽く叩きましょう。
脱水まで終えたらあとは干すだけです。その最後の工程まで衣類の性質に合わせて丁寧に行いましょう。できるだけ風通しのよい日陰に干すことです。日焼けによる変色を防ぎます。
ニットやセーターなどの伸び縮みしやすい服は、水平にして干す「平干し」がおすすめです。急ぎの際、衣類の素材によっては洗濯機の乾燥機能を使用するのも良いでしょう。
つけ置き洗いでの柔軟剤の使い方
柔軟剤を入れるタイミングは最後のすすぎが終わった後です。洗剤が残っていると柔軟剤の効果が薄れてしまうので、十分にすすぎをしてから使用します。
水(ぬるま湯)に柔軟剤を入れてなじませておき、2~3分を目安につけ置きましょう。
基本的にはそのまま脱水して問題ありませんが、柔軟剤に含まれる化学成分が付着することで肌の弱い方やデリケートな赤ちゃんは荒れの原因となるので、最後に仕上げのすすぎをすることをおすすめします。
良い香りをさせたいからと言って、入れすぎは禁物です。吸水性が悪くなってしまいふんわり仕上がらず逆効果となります。
衣替え時につけ置き洗いが良い理由
汚れていないと思ってしまった洋服が、衣替えの時に首回りや脇が黄ばんでいた事はありませんか?お気に入りの服に虫食いなどの経験はありませんか?
シーズンが終わった衣類を衣替えでしまうと約半年間、収納場所から取り出すことがありません。
普段の洗濯では繊維の奥の汚れまで落としきることができておらず、一見キレイに見えても、目に見えない繊維の奥の落としきれなかった汗や皮脂の汚れが蓄積しています。
繊維に残った汗や皮脂汚れは、時間が経つと酸化を始め、黄ばみやシミ、虫食いの原因となったりします。とくに、脇や首、襟もとは変色が起こりやすい部位なので、重点的に洗い繊維の奥の汚れをしっかり落とすことが大切です。
つけ置き洗いは繊維の奥まで洗剤が入り込んでくれるので、衣類をしっかりきれいにしてくれます洗濯で落としきれなかった汚れを、つけ置き洗いでしっかり取り除いておくことが大切です。
つけ置き洗いの注意点やデメリット
つけ置き洗いには注意点やデメリットがいくつかあります。やり方を間違えば衣類を痛めることにも繋がってしまいますので、ポイントを押さえて、衣類へのダメージを最小限にしましょう。
衣類のタグにある洗濯表示を確認する
水洗いができない場合もあるので、洗う前にしっかりタグを確認するようにしましょう。
長時間つけすぎない
長時間つけた方が頑固な汚れを落とせるのではと、長い時間放置してしまうことがあります。
長時間衣類をつけ置きしてしまうと、衣類の色落ちなどのダメージや、汚れが衣類のきれいな部分にも広がってしまう原因になります。
洗剤を入れすぎない
頑固な汚れを落とそうと洗剤を適量以上に入れてしまうと、汚れだけでなく色や柄などを落としてしまうこともあります。
また、すすぎ残しが衣類に残り、肌を傷つけてしまう可能性もあります。洗剤の量はしっかり守るようにしましょう。