プロが教えるお酢の本当の洗濯効果と正しい使い方
皆さん、お洗濯の際にお酢を使用できることはご存じですか?実はお酢は食べること、飲むこと以外にもお掃除やお洗濯に役立つことが出来るのです。
身近なものでお洗濯ができるのは便利です。今回はお酢を用いた洗濯効果や使い方についてご紹介していきます。
お酢の3つの洗濯効果
お酢には3つの洗濯効果があります。洗濯効果を得たい場合は「穀物酢」を使って下さい。「果実酢」など糖分が入ったお酢では効果は見込めません。
1.お酢は柔軟剤の代わりになる
お酢は酸性で洗剤のアルカリ性を中和して繊維の弾力が失われないようし、洗濯物をふっくら仕上げてくれるのでくれるので柔軟剤の代わりとして使うことができます。
最近の柔軟剤は香りが強めのものが多いので、強い香りが苦手な人にもおすすめです。また、化学成分や添加物を含んでいない為、アレルギーで肌が弱い人や赤ちゃんの洗濯物にも安心して使用していただけます。
但し、中性や酸性の合成洗剤と一緒に使う場合に互いの効果を打ち消してしまい、効果がでないので注意しましょう。それから製品化されている柔軟剤の様な分かりやすい効果は出ないので、それを前提に使いましょう。
2.お酢で洗濯での色落ち防止
桶やバケツなどの容器に水をため、そこに大さじ一杯のお酢と塩、色落ちする衣類を入れて、30分~1時間程度、つけ置きましょう。
例えばジーンズならインディゴと言う油分の多い染料を使っており、洗濯洗剤のアルカリ性で落ちやすいですが、お酢を加える事でアルカリ性が中和され落ちにくくなります。
また、塩を入れる事で染料を定着させたままにしやすくなるので、お酢と塩によって色落ちを防止する事が可能になります。
3.お酢で洗濯すれば軽度のシミであれば取りが可能
お酢をタオルやハンカチに染み込ませて、汚れた部分をポンポンと優しくたたくように拭いていきましょう。
ついたばかりのシミや軽度のシミであればお酢の効果でシミをだいぶ落とせるはずです。シミを落とした後お酢の臭いがしみ込んでしまう前に通常通りのお洗濯を行いましょう。
お酢で染み抜きが出来る理由としては、例えば醤油のシミの場合は、醤油の汚れを引きはがす訳じゃなく、お酢で醤油の色の成分を分解し無色に見える様になると言う仕組みです。
お酢で洗濯機の黒カビ等の掃除はNGな理由
酢は環境にも体にもよく安心安全ですし、酸性ですので、石けんカスを溶かす効果や、アルカリ性であるアンモニア臭を中和したりする効果があります。
しかし、お酢ではこべり付いた汚れやカビを落とすことはできません。またそのお酢が、雑菌やカビの繁殖の原因になるなど場合もあります。お酢の成分によって洗濯槽を傷めてしまう可能性もあるため、黒カビなどの洗濯槽洗浄はおすすめできません。
洗濯槽の掃除には洗濯槽クリーナーや代用品を使う様にして下さい。
お酢の洗濯で殺菌や消臭は期待薄な理由
お酢の主成分である酢酸には強力な殺菌力があり、殺菌や消臭の効果がないわけではありませんが、洗濯での効果は殆ど見込めません。
実際に洗濯機で通常通りに洗濯する際に、お酢で洗濯して見ても、黄色ブドウ球菌などの数は殆ど減りませんでした。
こういう事から、洗濯する際にはお酢ではなく洗濯用洗剤を使う事をおすすめします。
お酢での洗濯方法
お酢単体では衣類の汚れを取ることはできません。ですので、洗剤として使用するのではなく柔軟剤が無い時のあくまで代用品として使用しましょう。
柔軟剤の代わりに
洗濯物を柔軟剤使用時のようにふんわりと仕上げたい時は、水45リットルに対してお酢を50ccが目安です。
柔軟剤投入口に、お酢の混ぜた水を注ぎいつものように洗濯物を回しましょう。使用する物はお酢と水だけで簡単なので柔軟剤を切らした時の代用品として利用してみてはいかがでしょうか。
お酢に含まれる酸性は繊維の弾力を損なわないようにするほか、環境や体にも影響がないため、お肌にトラブルを抱えている方や赤ちゃんの衣類などには最適です。
洗濯槽の掃除にも
先に説明した通り洗濯槽の黒カビ掃除には使えませんが、プラスチックの洗濯槽の掃除をする際にはお酢を使用していただけます。
洗濯機を満水にしてから、その水の量に対して10分の1程度のお酢を注ぎ、洗濯をするように洗濯機を稼働させるだけです。あとはそのままの状態で一日置き、再びいつも通りに洗濯し排水まで行えば洗濯槽の中の汚れも一緒に流れ落ちていきます。
気を付けていただきたいのは、ステンレス製の場合はお酢の成分によって洗濯槽が壊れてしまう可能性があるという事です。
洗濯槽クリーナーの代わりに使用する場合は、メーカーの指示に従いダメな場合は使用を控えましょう。
ただ、水量の1割をお酢にするので、かなりの量を使います。費用対効果を考えても専用の洗濯槽クリーナーを使った方が良いと思います。
お酢でつけ置き洗いする時に入れるタイミングと分量
つけ置きの際は簡単です。大さじ1杯の酢を入れて30分〜1時間つけておきましょう。お酢でつけ置きすることで得られる効果は洗浄ではなく色落ちを防いだり柔軟剤の効果です。
ある程度の汚れなら落とすことが出来ますが繊維に染みついた汚れは落とすことが出来ませんので、そういった場合には漂白剤を使用しましょう。
仕上げに洗濯機にお酢を入れれるのはNG
基本的に洗濯槽に直接投入するのはNGです。
理由は洗濯槽を傷めてしまう可能性があるためです。また仕上げで入れてしまう事によってお酢の臭いが残ってしまう場合があります。お酢を使用するのはつけ置きの際やすすぎの際など洗濯槽を使用しない場合にしましょう。
お酢を使用する際に一番気を付けていただきたいことは塩素系のものと絶対に混ぜてはいけないという事です。
塩素系と酸性を混ぜてしまうと有毒なガスが発生し、死に至ることもあります。使用法をよく読み混ぜるな危険と書いてある場合は併用は絶対にしてはいけません。
またお洗濯の際に使用するお酢は食用酢のものにし糖分が入っていないものを使用しましょう。代用品としてクエン酸も同じ効果が期待できます。
お酢の使用方法についてご紹介いたしましたが、お酢を洗濯で使う事はトラブルを発生させることもあるためおすすめはできません。
お洗濯の際は専用の洗剤やクリーナーを使用することがベストです。