クリーニングの汗抜きとは?効果や自宅で洗濯する方法

クリーニングでの汗抜きとはどのようなことが行われているのでしょうか。通常のクリーニングだけでは落とせないものなのでしょうか。
その汗抜きの必要性や効果、洗濯との違いとは?今回はそんな汗抜き加工について考えていきましょう。
クリーニングの汗抜きとは必要か?
クリーニングの汗抜きとは、水洗いできない物で、ドライクリーニングで落ちない水溶性の汚れに対応する特別なオプションです。
汗汚れと、クリーニングでの洗い方について整理しましょう。
汗は水溶性と言って水に溶ける性質の汚れです。そのため汗は水洗いで落とすことができます。ワイシャツのクリー二ングで代表的な洗い方である「ランドリー(水洗い)」なら、改めて汗抜きと言わなくても、同時に汗も落とすことができます。
しかし、家庭では洗えないウールなどの縮みやすい素材を扱うドライクリーニングでは、水を使わず有機溶剤というものを使用して洗浄しています。このドライクリーニングの特徴は油溶性の汚れを落としますが、水溶性の汚れを落とすことができません。
水洗い不可の洋服の汗汚れに対応する方法は、お店によっても異なりますが以下の2通り挙げられます。
■ウェットクリーニング
ウェットクリーニングと呼ばれることもあります。通常水洗いできないものを水で洗うため、一つ一つ職人が手作業で行います。そのため時間や費用がかかります。
■ドライクリーニング+汗抜き洗剤(加工剤)
水溶性の汚れを落とせる特殊な洗剤(加工剤)を使って落とします。こちらは一切水を使用しません。上述のウェットクリーニングに比べて加工料金も高くありません。
クリーニングの汗抜き加工のデメリット
大前提に汗抜きは有料になることがほとんどです。それに加えて以下のようなデメリットが考えられます。
- 生地を傷めてしまう
- お店によって技術の差が出やすい
■生地を傷めてしまう
もちろんクリーニングのプロにお願いしているので極力負担のかからない方法で落としてくれますが、特殊な洗剤や加工剤の使用を繰り返すと本来の色合いなどが落ちてしまう可能性があります。
そのため汗抜きの頻度は考えた方が良いでしょう。
■お店によって技術の差が出やすい
お店によっても汗抜きの方法や使用する洗剤も違えばもちろん職人の腕も違います。品質とコストのバランスをみて信頼できるクリーニング店の見極めが難しくなります。
クリーニングの汗抜きで黄ばみやワキガ等の臭いは取れる?
残念ながら汗が原因となって現れる黄ばみやワキガ等の臭いは「汗抜き」だけでは完全に取ることはできません。
汗抜きは黄ばみの予防にはなりますが、既に黄ばみとなってしまった場合は汗や皮脂汚れが酸化して既に汚れが進行している状態です。
ワキガ臭も水と漂白剤を使用すれば臭いは落とせるかもしれませんが、前述のように汗抜きの処理方法はお店によっても異なります。
汗抜きは既に発生した黄ばみや臭いにアプローチするものではなく、一歩手前の予防として考えましょう。
もし完全にそれらを取りたい場合は、直接的にアプローチできる臭いの原因となる雑菌を取り除いたり、滅菌加工を施すようなサービスのあるクリーニング店に相談してみましょう。
クリーニングの汗抜きの効果と通常洗いとの違い
汗抜きで得られる効果は一言でいうと衣類を長持ちさせてくれるところ。具体的には以下のような効果が挙げられます。
- 黄ばみ予防
- 臭いの予防
- カビの予防
- 変色や色褪せを防ぐ
- 虫食いによる穴あきを防ぐ
既にシミや汚れとなって現れていたらなんとかしないといけない!と思えるかもしれませんが、目に見えない状態ではピンとこないかもしれません。そこが汗抜き加工の弱点でもあります。
汗汚れを放置したことによるトラブルを回避するためには、予防として汗抜きを定期的に行い清潔にメンテナンスしておくことが大切になります。
そしてクリーニング店によっては汗抜き加工と言わず、ウェットクリーニング、ダブルウォッシュなど呼び方も異なります。分かりにくい場合はご自身でメニュー一覧だけで判断せずにクリーニング店に相談してみましょう。
クリーニング方法はお店によっても異なりますが、本来の生地素材に合わせた通常のクリーニングに加えて、汗を落とすための洗浄をしてくれます。
クリーニングの汗抜き料金目安

先ほど説明した洗い方によっても価格は変わってきますが、通常のクリーニング代に別途料金がかかります。以下の通り参考にして下さい。
■ウェットクリーニング… 約1,000円
■ドライクリーニング+汗抜き洗剤(加工剤)… 約500円
クリーニングで汗抜きに掛かる時間や日数

お店やその洗い方によっても異なりますが1週間ほどかかることが多いです。お急ぎの場合は個別で相談してみましょう。
しかし、汗抜きは頻繁に行うものではないのでシーズンの終わりなどの急がないタイミグで行うのがおすすめです。
クリーニングで汗抜きできないもの
洗い方と素材の相性によってはできないものもあります。クリーニング店によって洗い方が異なると説明した通り、水を使用する場合であれば革製品はできません。
ダメージが大きい物、経年劣化が酷い物、シルク、着物類なども汗抜きができない可能性があるので事前に確認しましょう。
クリーニング店の技術による所も大きいので、技術が高い所に任せる方が無難です。coromoeではウェットクリーニングも可能なので、ぜひご相談下さい。
汗抜きを自宅の洗濯で行う方法

水洗い不可の洋服はリスクが高すぎるので、クリーニング店の汗抜きの様な事は不可ですが、水洗いできる衣類なら自宅でも汗抜きや、汗染みを落とす事は可能です。
いつもの洗濯洗剤や酸素系漂白剤で、つけ置き洗いの方法もありますが、黄ばみかけている状態でもつかえるより洗浄力の高い方法を紹介します。
<準備するもの>
- 重曹
- 酸素系漂白剤
- 歯ブラシ
- スチームアイロン
<洗い方>
まずは家庭で洗えるか確認をしましょう。桶に×マーク以外は家庭でも洗うことができます。詳しくは以下の洗濯表示を参考にして下さい。
![]() | 家庭では洗えません |
![]() | 液温は40℃を限度に手洗いができる |
![]() | 液温は40℃を限度として洗濯機で弱い洗濯ができる |
皮脂などの油性の汚れ、臭いを取るために酸素系漂白剤と重曹を混ぜて使います。分量はそれぞれ1:1にしてお湯を入れてペーストを作ります。
※色落ちする可能性がありますので目立たないところでテストしてから使用して下さい。
汗抜きをしたい部分又は黄ばんでいる部分をお湯で濡らしておきます。そこに歯ブラシを使って②で作成したペーストを直接塗布します。
※力入れ過ぎると生地を傷めてしまいますのでゴシゴシこすらないように注意しましょう。
スチームアイロンのスチームをペーストを塗った部分にあてて熱を加えます。
全ての工程が終わったら、いつも通り洗濯機洗いをして下さい。