液体洗剤のメリットとデメリットをプロが解説
最近では液体洗剤の種類も増え、水に溶けやすく使い勝手の良さから、液体洗剤を使用しているというご家庭も多いのではないでしょうか。
今回は、液体洗剤のメリットとデメリットについて紹介します。
液体洗剤のメリットや効果
- 液体洗剤なら溶け残りのリスクが低い
- すすぎが1回で済む場合が多い
- 色落ちリスクが低く色柄物に使える
1.液体洗剤なら溶け残りのリスクが低い
液体洗剤の最大の特徴は、液体なので洗剤が水に溶けやすいという点です。界面活性剤の配合が多く繊維に入り込みやすいので、粉洗剤のように固まってしまったり、溶け残るということがありません。
水温の低い冬などでも洗剤の溶け残りの心配がないので、オールシーズン使いやすく便利です。
2.すすぎが1回で済む場合が多い
液体洗剤は水に溶けやすく衣類に成分が残りにくいので、すすぎが1回で済むものがほとんどです。
すすぎが1回で済むので、節水・節電効果もあり時短にもつながるので、毎日忙しい主婦の方にとっても液体洗剤は魅力的です。
また、泡切れが良いので、使用する水量が少ないドラム式洗濯機を使用のご家庭にも、液体洗剤はおすすめです。
3.色落ちリスクが低く色柄物に使える
一般的に販売されている液体洗剤のほとんどは中性で、弱アルカリ性の洗剤に比べ洗浄力は劣りますが、色柄物にも安心して使うことができます。
色移りも抑えられ、素材に与える負担も少なく済みます。
ですが、蛍光増白剤入りの液体洗剤は、白いものをより白く見せる効果があるため、白いシャツなどを洗濯するにはよいのですが、淡い色の衣類に使用すると、白っぽく色あせてしまう可能性があります。
パステルカラーや淡い色の衣類には、蛍光増白剤が含まれていない洗剤を選ぶようにしましょう。
液体洗剤のデメリットや注意点
- 液体洗剤は洗浄力で粉洗剤に劣る事が多い
- 液体洗剤でも溶け残りは起きる
- 液体洗剤を直接かけシミになる
- 液体洗剤はほとんど水で重い
- 液体洗剤でアレルギーや肌荒れに
- 液体洗剤は粉洗剤に比べて割高
- 液体洗剤がドロドロに固まる
1.液体洗剤は洗浄力で粉洗剤に劣る事が多い
液体洗剤と粉洗剤との大きな違いは洗浄力です。粉洗剤の多くはアルカリ性で皮脂汚れなどの酸性の汚れを落とす力に長けています。
一方、ほとんどの液体洗剤は中性で、粉洗剤に比べ洗浄力は弱いですが、その分衣類へのダメージは少なく済みます。
2.液体洗剤でも溶け残りは起きる
液体洗剤は溶けやすく洗剤残りが起こらないと思っている方も多いかもしれませんが、洗濯物に液体洗剤が白く洗剤残りしてしまうことがあります。
洗剤を多く入れれば入れるほど汚れがしっかり落ちると思われがちですが、適量を超えて使用してしまうと溶け残りの原因になります。
3.液体洗剤を直接かけシミになる
液体洗剤を直接衣類にかけてしまうと、液体洗剤をかけた部分が色落ちや変色、シミが残ってしまう可能性があります。
また、洗剤がうまく溶けず全ての衣類に行き渡らなくなってしまうので、汚れ落ちが悪くなり、衣類に大きなダメージを与えてしまうことにもなります。
4.液体洗剤はほとんど水で重い
液体洗剤の“7割は水”というのは本当です。
液体洗剤というのは、洗剤の主成分である“界面活性剤”を水に溶かしているもので、この界面活性剤を水に溶かせる容量には限界値があります。
界面活性剤を水に溶かすと20〜30%くらいで最高濃度になります。これを超えて入れると安定性が悪くなったり、分離したり、固まったりといろいろな問題が出てきます。
最近ではこの「30%」の限界量を超えて、高濃度に配合されているものがあります。この液体洗剤の濃縮は特殊な化学溶剤というものを配合することで実現しています。
水への界面活性剤溶解度を高める化学溶剤を配合することで、界面活性剤の溶解安定性がアップし、通常30%程度までしか溶かせない界面活性剤が50%以上溶かせるようになるのです。
濃縮洗剤は、液体洗剤に含まれていた多くの水がカットされている分、パッケージもコンパクトで軽量です。しかし、濃縮洗剤には非常に多くの化学物質が入っているため、洗剤のすすぎ残しが肌に触れると刺激性が高く肌が荒れるリスクがあります。
液体洗剤は重く運ぶのが大変とゆうデメリットはありますが、「水」は決して不要なものではないのです。
5.液体洗剤でアレルギーや肌荒れに
液体洗剤が引き起こす肌荒れには、「乾燥」「かゆみ」「吹き出物」「赤み」などの症状があります。特に、アレルギーやアトピー体質の方は症状が重くなる傾向にあります。
しっかりすすいだつもりでも、洗濯物にはたくさんの洗剤が残っています。洗剤が洗濯物に残っていると、主成分である界面活性剤によってアレルギーや肌荒れの原因になることがあります。
この界面活性剤は、衣類についた皮脂や汗を浮かせて落とすのが役目です。しかし、この界面活性剤が肌に付着すると、バリアの役目をしている肌表面の皮脂まで奪ってしまうので肌荒れが起こってしまうのです。
液体洗剤による肌荒れを防ぐためには、界面活性剤が肌に触れて、肌表面の保護機能を壊さないようにする必要があります。
液体洗剤は「すすぎは1回」のものが主流ですが、1回のみのすすぎでは洗剤の成分を十分に流せていない場合があります。
洗濯物に成分が残らないようにすすぎ1回の洗剤でも、少なくともすすぎ2回行ったほうが肌荒れを防ぐことができます。
6.液体洗剤は粉洗剤に比べて割高
商品にもよりますが、基本的には粉洗剤に比べ、液体洗剤の方が割高です。液体洗剤はプラスチックのボトルに入っているため容器代もかかってしまいます。
ボトルの形もいびつなので、配送の際にも隙間が生まれやすく大量運搬ができないため、容器や配送に別途コストがかかり割高になってしまいます。
ですが、液体洗剤はすすぎ1回で済むものが多く、節水・時短にも繋がります。
7.液体洗剤がドロドロに固まる
液体洗剤には基本に使用期限はありませんが、高温多湿の場所や温度変化のある場所、直射日光の当たる所などの保管状況により、変質している可能性があります。
未開封でも、いつもと違う臭いや、固まっていたり色が変わっている場合は、変質して溶けにくく洗浄力が低下していることがあります。
液体洗剤の溶け残り対策と白い粉対策
液体洗剤は洗剤残りが起こらないと思われがちですが、液体洗剤であっても粉末洗剤と同じように白く溶け残ってしまうことがあります。
溶け残りの原因は「液体洗剤の入れすぎ」「すすぎが不十分」「水量が少ない」「水温が低い」などがあります。
溶け残り対策
■洗剤を規定量より多く入れてしまったり、水量が少ないと洗剤残りが起こりやすくなります。適切な洗剤量、水量で洗うようにしましょう。
■すすぎが不十分でも洗剤残りが起こりやすくなってしまいます。しっかり洗剤をすすぎきれるように、すすぎの回数を調節しましょう。
■水温の低さが原因で液体洗剤がうまく溶けずに、洗剤残りしてしまっている可能性があります。水温が低くい冬場の時期などは、ぬるま湯で液体洗剤を溶かしてから洗濯機に投入するようにすると、洗剤残りを予防することができます。
液体洗剤がドロドロに固まる時の対処法
ドロッと粘度が増した状態のものは、温めることで固まる前の状態に戻る可能性があるので、容器ごとお湯につけてみましょう。また、使いたい分量だけ取り出して、少しのお湯を混ぜて溶かして使うと良いでしょう。
ただし、分離しているものを使用してしまうと、シミがついてしまうなど、トラブルを招くことがあります。成分が変わってしまっていることもあるので、使用せずに処分してください。