液体洗剤の正しい使い方をクリーニングのプロが解説

日々のお洗濯で何気なく使われている液体洗剤ですが、正しく使うことで液体洗剤の洗浄効果をぐっと高めることができるので、その方法を紹介します。
液体洗剤の正しい入れ方
洗濯機の電源を入れてコースを選択し水量が決まったら、それに合う量を適当に回しかける方もいらっしゃいますが、洗剤は正しい入れ方をする様にしましょう。
液体洗剤を入れるタイミング
液体洗剤を入れるタイミングは注水の前です。洗濯機が自動で洗剤を洗濯槽に拡散してくれるので、スタートボタンを押す前に入れておくようにしましょう。
スタートボタンを押したら量が表示される場合は、押してから注水が始まる前に入れましょう。古いタイプだとスタートボタンを押したら水量が表示され、直ぐに注水が始まるタイプもありますが、この場合は注水が始まる時に一時停止して洗剤を先に入れましょう。
液体洗剤を入れる場所は投入口へ
洗剤投入口は、洗剤と水を混ぜながら洗濯槽に注入してくれるような仕組みになっています。そのため、全ての衣類に洗剤が行き渡り、しっかりと汚れを落としてくれるようになります。
どうせ水で満たされて混ざるから、上から適当に回してかける人もいらっしゃいますが、洗剤が溶けている部分と、溶けていない水だけの部分とムラができてしまうし、洗剤の溶け残りにも繋がるので、必ず投入口に入れて下さい。
液体洗剤の投入口がない場合
最近の洗濯機では基本的に洗剤投入口がありますが、古いタイプの洗濯機には洗剤投入口がない場合があります。
洗濯機に洗剤投入口がない場合は、洗濯槽の中に水が充分たまった後に入れるようにしましょう。
洗濯槽の中に水が充分にたまっていない状態で洗剤を入れると、液体洗剤が水全体に行き渡らなくなって、汚れがまんべんなく落ちない事もあります。
また、衣類に直接洗剤がつくので洗剤が溶けず残ってしまい色落ちの原因や、仕上がりにムラができやすくなるので注意が必要です。
液体洗剤と柔軟剤は同じ投入口で良いか?
液体洗剤と柔軟剤は役割が違うため、それぞれの正しい効果を得るためには、決まった投入口に入れることが重要です。
液体洗剤は汚れを落とし、柔軟剤は衣類のケアをするという異なった働きをします。
洗剤と柔軟剤は使われるタイミングが違うため、同じ投入口に入れてしまうと互いの効果を打ち消し合ってしまい、それぞれの効果が得られなくなってしまいます。
液体洗剤と漂白剤は同じ投入口で良いか?
漂白剤は、液体洗剤と同じ投入口に入れても問題ありません。投入口に入れることで、洗剤と同じように洗濯物全体に漂白剤が行き渡らせる事ができます。
液体洗剤と漂白剤を混ぜるのは良いか?
漂白剤には“酸素系漂白剤”と“塩素系漂白剤”があります。
“酸素系漂白剤”は液体洗剤と一緒に入れても問題はありませんが、“塩素系漂白剤”と酸性タイプの液体洗剤を混ぜると、人体に有害な塩素ガスが発生します。
塩素系漂白剤には「まぜるな危険」というマークが表示されています。塩素系漂白剤を使用する前は、容器に書いてある注意書きをしっかり読みましょう。
また、酸素系漂白剤が入った液体洗剤と塩素系漂白剤を一緒に使うと、互いの漂白効果を弱めあってしまうので注意が必要です。
液体洗剤は水で薄める方が良いか?
粉洗剤と違い、液体洗剤は水に溶けやすいので薄める必要はありません。ただし、お使いの洗濯機や洗剤の種類によっては、薄めるように注意書きがある場合もあります。
液体洗剤をそのまま直接かけるのはNG
液体洗剤を直接衣類にかけてしまうと、液体洗剤をかけた部分が色落ちや変色する可能性があり、衣類に大きなダメージを与えてしまうことになります。
また、洗剤がうまく溶けず、全ての衣類に行き渡らなくなってしまうので汚れ落ちが悪くなります。
シミ汚れを落とそうと、濃縮液体洗剤を直接かけて洗濯機で洗ったら、汚れは落ちたが洗剤のシミが新たについてしまう様な事もあるので注意が必要です。
液体洗剤の1回分の計量方法と適量

液体洗剤を入れる量や計り方が分からない人はこちらを参考にして下さい。
液体洗剤のキャップで計る
洗濯機をスタートした時に表示される水量を確認し、洗剤の裏面に記載されている水量に対する洗剤量を確認してからキャップで計ります。
液体洗剤のキャップが無い場合の代用
ペットボトルのフタは、容量にかかわらず大きさが同じであるため、液体洗剤の計測に使うことができます。こぼれないギリギリまで注ぐと、おおよそ7ml入れることができます。
液体洗剤の量が分からない場合の目安
洗濯機は洗濯物の重さをはかって、それを洗濯するのに十分な水の量を決めていますので、その水にきちんと溶けて効果を発揮するだけの洗剤量を入れる必要があります。
洗濯機に表示される洗剤の量から、洗濯物の量の相場はだいたい同じなので、以下を目安に大まかな洗濯物の量を把握しましょう。ただし濃縮度によっては量がかなり変わって来るので、その点は考慮して下さい。
洗剤の量 | 洗濯物の量 |
1杯 | 6kg |
0.9杯 | 5kg |
0.8杯 | 4kg |
0.6杯 | 2kg |
0.5杯 | 2kg以下 |
液体洗剤を入れすぎた場合の対処法
洗剤をたくさん入れすぎてしまった場合は、再度水だけで洗い~すすぎをすることで洗剤の溶け残りをしっかり落とすことができます。
衣類に残った洗剤によって肌トラブルが起きてしまうこともありますので、洗剤成分が衣類に残らないようにすることが大切です。
液体洗剤でのつけ置き洗い方法

- 洗面器に水やぬるま湯を入れる
- 洗剤を入れる
- 衣類を入れて放置する
- 水やぬるま湯ですすぐ
- 脱水する
1.洗面器に水やぬるま湯を入れる
まず、洗面器などに水やぬるま湯を入れます。
2.洗剤を入れる
洗面器などに入った水やぬるま湯で液体洗剤を溶かしましょう。
3.衣類を入れて放置する
30分~1時間程度つけ置きします。汚れをチェックしながら調節しましょう。
4.水やぬるま湯ですすぐ
汚れた水は捨てて、新しい水ですすぎます。泡が出なくなるまでしっかりとすすぎます。
5.脱水する
すすぎ終わったら、短い時間洗濯機の脱水にかけます。頑固な汚れなどがある場合はいつもどおり洗濯にかけます。
つけ置きは洗濯機に比べ、生地や素材に対し負担が少なく、頑固な汚れを取るのにとても有効です。頑固な汚れを落とすためにもつけおき洗いは便利です。
[box class=”blue_box” title=”参考” type=”simple”]プロが教える失敗しないつけ置き洗いのやり方とコツ[/box]
液体洗剤での手洗い方法
![]() | 桶に手は40℃を限度に手洗い可能 |
液体洗剤での手洗いの手順
- 洗面器やバケツなどを用意
- 汚れている部分が表に来るように衣類を畳む
- 洗剤の表記にある適量の洗剤を溶かして洗剤液を作る
- 押し洗いorふり洗いする
- すすぎと脱水を行う
押し洗いは、洗剤液に衣類を浸けて、押したり持ち上げたりを20〜30回繰り返して、優しく押しながら洗います。
ふり洗いは、洗剤液に衣類を浸けて、衣類の両端を持ち容器の中で服をゆするように振って洗います。
すすぎ・脱水は、洗剤液をキレイな水に替えて、2回ほどすすぎます。手洗いした服をキレイにたたんでネットに入れ、洗濯機で15~30秒ほど脱水しましょう。
液体洗剤の使用期限や消費期限

基本的に開封前の場合は使用期限はありません。
薬機法では「適切な保存状態のもとで3年を超えて性状および品質が安定なものは使用期限を書かなくて良い」と定められています。
ですが、未開封であっても、高温多湿や温度変化のある場所、直射日光の当たる場所などで保管していた場合、変質している可能性があります。
固まっていたり、色が変わっていた場合は、変質して溶けにくくなっていたり、洗浄力が低下していることがありますので、使わないようにしましょう。また、開封後はなるべく早めに使い切る事をおすすめします。
余った液体洗剤の中身の捨て方

液体洗剤は基本的に可燃ごみになります。不要な新聞や布に液体洗剤を染み込ませて、液体がゴミ袋から漏れ出ないようにしっかり口を閉じて、可燃ごみとして捨てましょう。
また、液体洗剤が少量の場合は、排水溝やトイレに捨てても大丈夫です。