ミートソース等パスタのシミ抜きをプロが解説
日常生活の中で食べ物のシミは、気を付けてはいても汚れが服につくことは少なくありません。特にミートソース等パスタのシミは落ちにくく、困っている方も多いのではないでしょうか。
服にシミを残さないために、シミ抜き方法を覚えておけばいざというときもあわてずに対処できますよ。
ミートソースの成分とシミが取れない理由
ミートソースのシミの成分は、油溶性成分と水溶性成分の混合型で、その他にトマトなどの色素も含まれているため、油溶性のしみ抜きと水溶性のシミ抜きを行う必要があります。
トマトなどの濃い色素を油分でコーティングしてしまっているため、洗濯用洗剤だけで落とそうとしても、なかなか簡単には落ちてくれません。
ミートソースの染み抜き方法
ミートソースの染み抜きに必要な物
食器用洗剤には、食器の油を分解させるための成分が配合されているため、ミートソースの油分を分解するには、食器用洗剤を使うのがおすすめです。
- 食器用洗剤
- 酸素系漂白剤(液体)
- 歯ブラシ
ミートソースの染み抜き手順
混合型のシミは、先に油汚れを分解するのがポイントです。
色素が目立つのでつい漂白剤を先に行ってしまいがちですが、実はそれらの汚れをくるんでいる“油分”を先に分解させてから、水に溶けやすい“色素”を落とすことが大切なのです。
1.大まかな汚れを落とす
シミの裏側から流水で大まかな汚れを落とします。
2.シミに食器用洗剤をつける
シミ部分に食器用洗剤を数滴たらし、優しくもみ込み油溶性の汚れを浮かせて落とします。デリケートな衣類などは、歯ブラシなどを使用してください。
※ゴシゴシ擦ると生地をいためてしまうので、優しくもみ洗いしましょう。
3.すすぐ
ゆるんだ油分をぬるま湯ですすぎます。
4.酸素系漂白剤をつけ洗濯する
シミ部分に直接酸素系漂白剤をかけ、いつも通り洗濯機で洗えば完了です。
時間が経ったミートソースのシミの取り方
1.ミートソースの染み抜き手順を参考に、食器用洗剤を優しくもみ込みます。
2.バケツや洗面器などの容器40〜50℃のお湯をはり、酸素系漂白剤と洗濯洗剤を溶かします。
3.シミ部分を30分~1時間程度つけ置きします。
4.つけ置き後、汚れ部分をもみ洗いし、いつも通り洗濯機で洗えば完了です。
シミは、付着してから時間が経つほど汚れが繊維の奥に入り込んでしまい、どんどん落ちにくくなります。外出先などですぐに洗濯ができない場合でも、早めの応急処置を心がけるようにしましょう。
ミートソースのシミは日光など紫外線で取れるか?
ミートソースのトマトに含まれるリコピンという色素成分は、紫外線で分解される性質があります。ただし、日光で分解できるのはトマトの色素成分のみなので、事前に洗剤で油分を洗浄しないと油汚れが残ってしまい、油シミや変色の原因となりますので注意しましょう。
ミートソースのシミはアルコールで取れるか?
ニットなど、水洗いができない衣類の場合には、消毒用アルコールを使用して、ピンポイントでシミ抜きする部分洗いがおすすめです。
タオルの上に、シミ部分が直接当たるようにして置きます。別のタオルや布巾でベンジンや消毒用アルコールを含ませ、トントンと叩きタオルにシミを移していきます。
水で濡らした布巾で、トントンと叩いて薬剤を吸い取とりましょう。
外出先でミートソースのシミの応急処置
外出先の食事でミートソースを洋服に飛ばしてしまった際、あわててこすってしまうとシミが広がり、落ちにくくなってしまいます。
まずはシミを広げないように注意しながら、固形物をつまんで取り除きましょう。
1.ティッシュや紙ナプキンで、表面に付着した油分を吸い取ります。
2.シミの裏側にティッシュなどをあてます。水で濡らしたティッシュにハンドソープや石鹸をつけ、シミ部分を軽くトントンたたきティッシュにシミを移していきます。
3.シミの裏側のティッシュを取りかえ、水を含ませた新しいティッシュで押さえ、服に残っている石鹸や洗剤を取ります。
4.乾いたティッシュなどで水分をしっかり吸い取ります。
飲食店などのおしぼりは、塩素系漂白剤で処理されている場合が多いため、衣類の色落ちにつながる可能性があるので使わないようにしましょう。
シミを残さないためには、自宅に帰ってからなるべく早い処置を行うことが大切です。シミがついた部分に液体酸素系漂白剤を直接つけて、普段通りにお洗濯しましょう。
その他のパスタの染み抜きポイントと注意点
油が多いオイル系パスタの染み抜き
軽い油溶性のシミなら台所用洗剤でも落とせますが、油が多いオイル系パスタのシミにはクレンジングオイルが最適です。クレンジングオイルは、油分を含んだお化粧を落とすために作られているため、油汚れを落とすのにも適しています。
用意する物
- クレンジングオイル
- タオル
- 歯ブラシ
手順
1.タオルを敷き、シミのついた部分が上になるように置きます。
2.シミ部分にクレンジングオイルをつけ、歯ブラシでシミ部分をトントン叩きタオルにシミを移していきます。
3.シミ部分をぬるま湯でもみ洗いし、クレンジングオイルをキレイに洗い流します。
4.いつも通り洗濯機で洗えば完了です。
クレンジングオイルは水に弱いという特徴があるため、濡れている衣類にクレンジングオイルを使用すると、乳化してしまい油汚れを落とす力が低下してしまいます。
衣類が十分乾いている状態で使用するようにして下さい。
乳成分が多いクリーム系パスタの染み抜き
クリーム系パスタの乳成分に含まれるたんぱく質は、時間の経過とともに固まって繊維に固着し落ちにくくなります。
また、タンパク質は熱を加えると固まる性質を持っているので、お湯を使うと汚れのタンパク質が固まって取れにくい汚れになりますので、シミ抜きの際にはぬるま湯または、水を使用するようにしましょう。
手順
1.ティッシュなどで固形物を取り除きます。
2.シミ部分に食器用洗剤を数滴たらし、優しくもみ込み汚れを浮かせて落とします。
※ゴシゴシ擦ると生地をいためてしまうので、優しくもみ洗いしましょう。
3.ぬるま湯または水ですすいで汚れを落とします。
4.普段と同じ様に洗濯機で洗えば完了です。