脇汗で服が臭い時の洗濯方法や予防方法をプロが解説
脇汗の臭いに悩まされているという方は多いのではないでしょうか。脇汗の臭いに関する悩みは切実です。汗をかきやすい夏場はもちろんですが、寒い時期になっても気が抜けません。
脇汗の臭いを気にせず人前でも安心してふるまえるよう、自分に合った対策を見つけましょう。
脇汗で服が臭くなる原因
汗腺には「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2種類があり、それぞれ分布や汗の性質が違います。
人間の身体のほぼ全体に分布されているエクリン腺は、体温調整の役割を持っています。エクリン腺から出る脇汗は水と塩分でできており、脇汗そのものには臭いはありません。
脇汗が皮膚の表面で皮脂や汚れなどと混ざり合い、脇の上に潜む常在菌によって分解されることにより、臭い物質が作られ嫌な臭いを発します。
ワキガは、アポクリン腺の数が生まれつき多く発達していて、アポクリン腺から分泌される汗が原因となり独特な臭いを発生させますが、ワキガ体質でない方であっても、脇のエクリン腺から汗が多量に分泌されると、アポクリン腺からの汗が混ざって臭いが強くなることがあります。
脇汗の臭いが取れない服の洗濯方法
脇汗の臭い取りには、酸素系漂白剤でのつけ置きがもっとも効果的です。衣類の繊維まで浸透した臭いの原因である、汚れや雑菌を落とすことができます。
始める前に、必ず洗濯表示を確認して下さい。
桶に40は液温は40℃を限度とし、洗濯機で洗濯できる | |
桶に手は40℃を限度に手洗い可能 | |
桶に×は家庭での洗濯禁止 |
手洗い表示の場合は手洗いで、家庭での洗濯禁止の場合はクリーニングに依頼して下さい。
三角は塩素系及び酸素系の漂白剤を使用可能 | |
三角に斜め線2本は酸素系漂白剤は使用可能だが塩素系漂白剤は使用禁止 | |
三角に×は塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止 |
漂白剤を使用可能か、どのタイプの漂白剤ならOKかを、必ず洗濯表示を確認した上で進めて下さい。
つけ置き手順
(1)洗面器やバケツなどの容器に40~50℃程度のお湯を入れます。
(2)お湯に酸素系漂白剤大さじ2~3杯入れよく溶かします。
(3)臭いの付いた服を入れ、30分から1時間ほどつけ置きします。
(4)つけ置き後は洗浄液ごと洗濯機に入れ、普段通り洗濯しましょう。
通常の洗濯で取れないない臭いには、液体より強力な効果を持つ粉末タイプをおすすめします。しかし、粉末タイプはウールやシルクなどのデリケートな衣類には使えないので、衣類の素材によって、液体タイプと粉末タイプを使い分けると良いでしょう。
脇汗で服が臭くならない為の予防や対策
脇汗で服が臭くならない為に、普段から予防や対策をしっかり行いましょう。
- 外出前に脇を清潔にする
- 汗腺を鍛える
- 脇毛処理はこまめに行う
- 脇に生地が直接触れない服を選ぶ
- なるべく早く洗濯する
- 脇汗をかいたら早めに拭き取る
- 脇汗パッドを使う
- 制汗剤を活用する
- 首や脇を冷やして汗を止める
1.外出前に脇を清潔にする
身体を清潔に保ち、皮膚の細菌を増やさないことが重要です。朝軽くシャワーを浴びるだけでも、睡眠中にかいた汗や皮脂など、臭いの原因となるものを洗い流すことができ、日中も臭いを防げます。
シャワー後は再び汗をかかないよう、体温が下がってから服を着ましょう。朝にシャワーを浴びる時間がない場合は、汗拭きシートなどで脇を拭くだけでも良いです。
2.汗腺を鍛える
汗を出す汗腺は、普段あまり汗をかかずにいると機能が低下して、ベトベトした臭い成分を多く含む汗になります。汗腺の衰えを防ぐためには、汗腺を怠けさせないことが大切です。
ウォーキングなどの運動で日頃から適度に汗をかき、汗腺を鍛えましょう。また、しっかり湯船に浸かり体を温めることで、汗と一緒に汚れや雑菌も排出されます。
シャワーだけで済まさず、しっかり湯船に浸かる習慣をつけましょう。
3.脇毛処理はこまめに行う
脇毛があると汗や皮脂がたまりやすく、通気性も悪いので常在菌が増えやすくなります。
脇毛処理をした方が、表皮の温度が下がって汗の量が減るとともに、毛穴の汚れや雑菌が溜まりにくくなり臭いを軽減できるので、こまめに処理することが大切です。
男性は腋毛を処理されない方も多いですが、チクチク感じない程度に短くカットするだけでも効果があるので、ぜひやってみて下さい。
4.脇に生地が直接触れない服を選ぶ
肌にピタッと密着した服の中は、雑菌が好む高温多湿の環境です。
脇に衣類の生地が直接触れない、脇周りが広くなっているデザインを選ぶと良いでしょう。脇にゆとりのある、通気性の良い服装を心がけるようにしましょう。
5.なるべく早く洗濯する
汗で濡れた衣類を放置すると雑菌が繁殖して臭いが強くなってしまいます。時間が経てば経つほどに落とし難くなるので、できるだけ早めに洗濯するようにしましょう。
洗濯の際には、抗菌効果のある洗剤や柔軟剤を使って、臭いの原因となる菌をしっかり取り除くのも効果的です。
6.脇汗をかいたら早めに拭き取る
脇汗をかいた後、約1時間で臭いを発するため、早めに拭き取ることが大切です。
脇汗をかいたら、サッとボディシートで拭き取ることで臭う前に汗を処理できます。ボディシートがないときには、ハンカチやタオルを水で絞って拭き取るだけでも臭いを軽減できます。
7.脇汗パッドを使う
脇汗パッドは、脇汗を吸収し漏らさないので、上手に貼れば洋服の脇部分に汗が付きません。汗が付かないので、洋服が臭くなるリスクもかなり減ります。
8.制汗剤を活用する
脇汗の臭い対策としておすすめなのが「制汗剤」です。皮膚にしっかりと密着する「ロールオンタイプ」や「スティックタイプ」がおすすめです。朝の忙しい時間帯でも手間がかからないのが嬉しいポイントです。
制汗剤は、汗をかく前に塗る必要がありますので、汗をかいている場合は、汗拭きシートなどでしっかりと拭き取ってから制汗剤を使用しましょう。
9.首や脇を冷やして汗を止める
汗が噴き出す大きな原因は体温の上昇です。そこで血液を冷やし、その冷えた血液によって体温を下げる事で汗を止める事ができます。
熱中症の時と同様に、冷えたペットボトル飲料を購入し、首や脇に当てると汗は止まります。
ソニーから着るクーラーが発売され話題ですが、そもそも体温を上げずに涼しい状態をキープする商品を使えば汗を大量にかく事もないので、おすすめです。
脇汗の臭いが出にくい服の素材
脇汗の臭いが気になる方は、綿や絹、麻などの素材を使用した服を選ぶと良いでしょう。吸水性はもちろん通気性が優れているので、脇に溜まりやすい熱を放出してくれます。
天然繊維は繊維と繊維の間に無数の隙間が存在し、汗を吸収するため蒸れにくく、雑菌が繁殖する環境になりづらいので臭いを軽減できます。
また、速乾タイプの素材を使った洋服も、湿気が溜まった状態を早く解消して雑菌の繁殖を抑えるので、おすすめです。
外出先で脇汗の臭いやシミの応急措置
外出先で脇汗の臭いが気になり焦ってしまうと、余計に汗が吹き出してしまいます。
脇汗の臭いの原因である細菌の繁殖を抑えるための確実な方法は、汗をかいたらその都度対策することです。慌てずに、身近な物を使って対処しましょう。
1.濡れたタオルで拭きとる
外出先で脇汗の臭いが気になったら、脇汗をふき取って雑菌が繁殖できにくい環境を作る事が大切です。まずはハンカチやタオルを濡らして、脇汗や汚れを優しく拭きましょう。
水分を含んだ濡れタオルで拭くことで、蒸発する水分量が増え、皮膚の表面温度を下げる事ができるため余分な脇汗がかきにくくなります。
汗腺はとてもデリケートなので、摩擦による刺激で傷めてしまう可能性があるため、ゴシゴシ擦らず優しく拭き取りましょう。
2.除菌シートや消毒用エタノールを使う
除菌シートを使うか、消毒用のエタノールをハンカチやティッシュなどに湿らせて拭き上げるのも効果的です。ただし、お肌が弱い方には刺激が強い事がありますので注意してください。
外出先で慌てないために、普段から携帯用の除菌シートや消臭スプレーをバッグに入れておくようにすると安心です。近くにコンビニやドラックストアがあれば、購入するのも一つの方法です。
アルコールで色落ちする可能性があるので、問題ないか目立たない場所に使ってみてからにしましょう。
脇汗が付いた衣類を放置すると汚れが固着し、酸素と結合して酸化が進むためシミになってしまいます。脇汗がついた衣類は早めの対処が肝心です。
帰宅後は、出来るだけ早く洗濯するように心がけましょう。また、汚れが蓄積され黄ばみが目立つ前に、定期的に漂白剤などを使ってきれいに保つようにしましょう。