ウェットクリーニングとは?プロが教える意味と特徴や効果

普段依頼するクリーニングの殆どが街中で見かけるドライクリーニングで洗われています。
ですが、汚れの具合や、衣類によってはドライクリーニングよりもウェットクリーニングが最適な場合があるのです。ウェットクリーニングとはいったい何なのかをプロが解説します。
ウェットクリーニングマークと意味
先ずは洗濯表示のウェットクリーニングのマークの見方から覚えておきましょう。
![]() | 丸にWはウェットクリーニング可能 |
![]() | 丸にW下に横棒1本は弱いウェットクリーニング可能 |
![]() | 丸にW下に横棒2本は非常に弱いウェットクリーニング可能 |
![]() | 丸にWに×はウェットクリーニング禁止 |
本来ドライクリーニング推奨の衣服で水を使って洗う洗濯方法を指すマークです。ウェットクリーニングの頭文字Wから来ているマークです。
ウェットクリーニングの意味は、水洗いの中でも特に高度で特殊な水洗いを行えるクリーニング業者が行う水洗いの洗濯方法です。
水洗い不可でもこのマークが記載されていれば、ウェットクリーニングに依頼すれば、クリーニングを行ってくれます。
ウェットクリーニングの特徴や効果
以下動画は新幸と共にcoromoeを協業しているCOCOLOカンパニーの作業風景です。coromoeではこのレベルで洋服を綺麗にする事が可能です。
ウェットクリーニングとはプロのクリーニング店が特殊な技術で水洗いと仕上げまでを行う洗濯方法です。水溶性の汚れを得意としますが、それ以外の汚れも洗剤を調合して落とすことが可能です。
ウェットクリーニングを行うことで、繊維に浸透した汗や皮脂汚れを落とし黄ばみを防いだり、衣類の風合いを損ねずに綺麗にすることが可能です。
ドライクリーニングをした場合、水溶性の汚れは落とすことができないので、繊維に浸透した汗を落とすことができません。
クリーニングに依頼したし、見た目は特に汚れていないから大丈夫と思っていても、それらの汚れが原因となって保管している間に汚れが酸化し黄ばみ等の原因になります。
それに比べてウェットクリーニングは手洗いで1点1点丁寧に洗っているため、素材への影響を抑えながら洗え、汚れも落とし切ることができるので、衣類にとって一番最適なクリーニング方法と言えるでしょう。
ウェットクリーニングとドライクリーニングの違い
ウェットクリーニングとドライクリーニングの違いは大きく4つです。
- 水洗いするしないか
- 落とせる汚れ
- 大量洗いか1点洗いか
- クリーニング費用
1.水洗いするかしないか
ドライクリーニングは水を使用せず石油系の有機溶剤で衣類を洗います。ウェットクリーニングは水洗いを行います。
2.落とせる汚れ
ドライクリーニングが得意とする汚れは油溶性の汚れです。油溶性の汚れとは主にファンデーションや口紅、チョコレートといった油汚れ等は得意ですが、汗等の水溶性の汚れは殆ど落とせません。
ですので、ドライクリーニングだと実は汗汚れなど水溶性の汚れは残ったまま返却されます。
一方ウェットクリーニングは、水と様々な種類の洗剤を使い分けて洗濯機は使用せずに洗い上げる方法です。水洗いの得意な汚れは水溶性の汚れです。
水溶性の汚れは、汗や、尿素、タンパク質、飲食物の汚れです。油溶性の汚れも落とすことができます。ウェットクリーニングだと殆ど全ての汚れがを落として返却されます。
3.大量洗いか1点洗いか
ドライクリーニングは洗いの際に色々な洗濯物、多くの人の洗濯物を同時に洗濯機で大量洗いします。ウェットクリーニングは1点1点職人の手によって手洗いで水洗いされます。
4.クリーニング費用
大量洗い出来るのでドライクリーニングはクリーニング店の洗いメニューの中でも1番安い。逆に1点ずつ洗う上に手間が掛かり技術が必要なウェットクリーニングは1番高い。激安クリーニング等では殆どがドライクリーニング、高級系だとウェットクリーニングを取り扱っている場合が多いです。
ウェットクリーニングと水洗いの違い
ウェットクリーニングも水洗いですが、単純な水洗いではなく、高度な技術と知識を持ってプロが行う水洗いがウェットクリーニングです。
水洗い可の洋服なら自宅の洗濯機で洗濯したり、一般的なクリーニング店で水洗いが可能です。しかし、水洗い不可の衣類の場合は、水洗いを行うと衣類にトラブルを招いてしまう可能性があります。
水洗い不可の洋服で汗汚れ等の水溶性の汚れを落としたい場合に、ウェットクリーニング技術があるクリーニング店だと、水洗いで落としてくれるという事です。
水洗いが出来ずに諦めていた汚れも、ウェットクリーニング技術があるクリーニング業者なら落としてくれる可能性はあります。
ウェットクリーニングのメリット
専門のプロが汚れにあった洗剤を調合し衣類を傷めないように手洗いで水洗いを行います。それによりドライクリーニングでは取れなかった汚れを繊維の奥までしっかりと落とすことが可能です。
これから衣類に起こるであろうトラブルを未然に防ぎ、買ったときのような綺麗さを取り戻すことができるのです。
通常お洗濯できないようなデリケートな衣類も洗うことができるのもメリットです。
ウェットクリーニング料金相場

特別な専用洗剤と技術を使用して洗うウェットクリーニングの料金はドライクリーニングに比べると高くなっています。
お店や洗う洋服の種類によって料金は異なりますが、料金相場としてはドライクリーニングに比べると600円から1,000円程度プラスになります。高級衣類のクリーニングになると+3000円程の金額になります。
その理由は専用の洗剤を使用する事、1点1点洗う為に掛かる時間や手間、それらを行える知識や技術が違うからです。まとめて大量洗いをするドライクリーニングとはどうしても差ができてしまいます。
今まで水洗いできないと思ってきたものでも、水洗いで汚れを落としていくので、知識や技術、時間が必要なので料金が高めに設定されているのです。
ウェットクリーニングに掛かる日数や時間

- ドライクリーニング:2~3日程度
- ウェットクリーニング:1週間程度
あくまで目安であって、汚れ具合や衣類の状態によってはさらに時間が掛かるし、オプションなどでも返却日が大幅に伸びてしまう可能性があります。
店舗によって日数が異なりますので、すぐに必要な衣類などを依頼する場合はしっかりと日時を確認しておきましょう。
ウェットクリーニングに出すおすすめ頻度

クリーニングに出す頻度ですが、クリーニングに出しすぎは衣類を傷める原因になってしまいますので、衣替えの時期のしまい洗いの際に出すのがおすすめです。
着用したシーズンが終わればまとめてしまい洗いを行い衣替えしてしまいましょう。夏場の衣類は特に汗のかきやすい季節ですので、ウェットクリーニングへ出すことをおすすめします。
普段はドライクリーニングで見た目の汚れを落とす方も、衣替え時にウェットクリーニングに出し汚れをシッカリ落としましょう。費用が気にならない方は通常のクリーニングもウェットクリーニングにすれば、衣類へのダメージは少なく汚れはシッカリ落とせ、長持ちするのでおすすめです。
ウェットクリーニングをおすすめする服

ご自宅でお洗濯できない衣類からデリケートな衣類までウェットクリーニングへ依頼しましょう。
水洗い不可の衣類
ウールやカシミヤ、高級ダウン、シルクなどに汗染みや水溶性の汚れがついてしまっている水洗いのできない衣類にはウェットクリーニングがおすすめです。
ドライクリーニングだけでは汚れはどんどん蓄積されるので、最低でも衣替え時の仕舞い洗いではウェットクリーニングに出しましょう。
ドライクリーニングができない衣類
装飾品のあるもの、プリントされているもの、接着剤として樹脂が使用されているシームレスのものは、ドライクリーニングしてしまうと剥がれてしまう恐れがあります。
そういった衣類はクリーニングが断られる場合もあるので、ウェットクリーニングに依頼しましょう。
すでに汚れが浸透し変色している衣類
長く洗濯しておらず汚れが浸透してしまっている場合は、ドライクリーニングでは落とすことが不可能です。また、ドライクリーニングしかした事がない衣類にも汚れは大量に蓄積されています。
ウェットクリーニングならば極力黄ばみを目立たなくすることができますし、シミ抜きなどのオプションできれいになる可能性があります。
高級ブランドや大切な衣類
絶対に洗濯に失敗したくない高級ブランドや大切な衣類はウェットクリーニングにしましょう。ドライクリーニングだと汚れは落ちないし、通常の水洗いだと失敗してしまうクリーニング店もあります。
高級なダウンやコート、ジャケット等は自宅での洗濯は難しいし、技術が無いクリーニング店では失敗したり取り扱えない事があるので、ウェットクリーニングが安心です。
ウェットクリーニング不可、できない服

以下の表示が洗濯表示タグにある場合はウェットクリーニングできません。
- 洗濯表示がウェットクリーニング禁止
- 色落ちの可能性がある
- 経年劣化がある
ウェットクリーニングを行うことによって何らかのトラブルがある場合、受け付けて貰えない事が多いです。
経年劣化のある衣類は対応できない場合が殆どですが、ここでもクリーニング業者の技術の差が出てくる部分で、他店で断られても受け付けて綺麗にしてくれる業者もあります。
coromoeを協業する新幸とCOCOLOカンパニーは、他店で断られた衣類でも受け付け可能な場合が多いので、ぜひご相談下さい。
ウェットクリーニングマークを自宅で洗う方法

お洗濯前は、洗濯表示を必ず確認の上で行って下さい。また、基本的に家や技術が無いクリーニング店では水洗い不可なのがウェットクリーニングマークなので、それを自宅で洗うリスクを覚悟して洗って下さい。
温度が高すぎると熱に弱い衣類は傷めますし、冷たすぎてもニットのような素材は縮んだり硬化してしまいます。
洗剤はエマールやアクロンといったおしゃれ着用の洗剤を使用しましょう。ぬるま湯を使用しましょう。
この際強くこすったりすると衣類を毛羽立たせたり傷める原因になるので注意が必要です。
脱水を長時間行うと衣類を傷めたりシワになってしまう可能性があります。
洗濯機に菌が発生している場合この時点で菌が付着してしまいカビ臭の原因になるので、お洗濯前は洗濯槽やフィルターの清掃を行っておきましょう。
絶対にゴシゴシ強くしないで、優しく押し洗いする事を心掛けて下さい。
柔軟剤を入れる場合はこのタイミングで投入して下さい。
脱水は30秒ほど、その後はタオルドライで水分を取り除いていきましょう。
脱水は30秒ほど、その後はタオルドライで水分を取り除いていきましょう。
コインランドリーを使用する場合、乾燥にかける温度や、脱水時間には十分注意しましょう。アイロンがけを行う場合も洗濯表示タグで熱に弱いかを確認しておきましょう。
使用できる場合、スチームアイロンなどで、タバコなどの臭いを取り除いたり、シワを簡単に伸ばすことができます。