プロが教えるクエン酸の洗濯効果や正しい使い方と注意点
お洗濯にクエン酸が使用できるという事を皆さんはご存じですか?
あまりご家庭にはおいていないクエン酸ですが通常の洗濯洗剤ではなくクエン酸でもお洗濯ができます。今回はクエン酸を使用したお洗濯方法や注意点をご紹介していきます。
クエン酸の5つの洗濯効果
クエン酸を洗濯に使うと大きく5つの効果が見込めます。
1.臭い消し
洗濯や柔軟剤で臭いを消したとしても繊維に染みついた臭いはなかなか取り除くことができません。乾いた時には大丈夫でも、衣類が濡れると臭ってしまう事もあります。
クエン酸には臭いを取り除く効果があり、尿臭や加齢臭、生乾きの臭いといった嫌な臭いもクエン酸を使ったお洗濯で消すことが出来ます。
臭いが気になるときには、クエン酸でお洗濯をしてみましょう。
2.血液やシミや黄ばみ取り
クエン酸単体では落とし切れる汚れに限界がありますが、酸性のクエン酸と弱アルカリ性の重曹を組み合わせると、洗浄力、除菌効果がアップします。
頑固なシミや黄ばみ、血液の汚れなど、襟や袖の汚れにクエン酸は効果的です。
ですが、クエン酸でのお洗濯は脱色や変色の恐れもあります。色落ちしやすい衣類やデリケートな衣類のクエン酸でのお洗濯は避けましょう。
3.静電気防止
衣類の静電気に柔軟剤が効果的ですが、それと同様、クエン酸を使用した洗濯にも静電気を防止する効果があります。
冬の時期や乾燥する時期は特に静電気が気になりますのでクエン酸を利用してみてはいかがでしょうか。
4.ごわつき予防しふわふわに
クエン酸には柔軟剤と同じ効果があり、クエン酸を加えることで洗剤の弱アルカリ性の成分を消してくれるので、ごわつきがなくなり、洗濯物がふわふわに仕上がります。
柔軟剤の代用品としても使えますし、柔軟剤の臭いが苦手な方でもクエン酸は無臭で洗い上げてくれます。
5.ティッシュを一緒に洗濯した時にも効果
ティッシュを一緒にお洗濯してしまった際、取るのはかなり大変な作業です。乾いてからコロコロをするのが面倒な時に再度お洗濯をする方法があります。
こういう時は、クエン酸でお洗濯することで静電気を防ぎティッシュの付着を防ぐことが出来ます。
クエン酸がない場合、柔軟剤にも静電気防止効果がありますので、ティッシュを一緒に洗濯してゴミがついてしまった場合は、クエン酸や柔軟剤を使用し、再度お洗濯をしてあげましょう。
洗濯洗剤を使わずクエン酸だけでも洗濯可能か?
クエン酸だけでお洗濯するとクエン酸では落とすことが出来ない酸性の汚れが残ってしまいます。ですので、お洗濯は洗濯洗剤や柔軟剤を使用することをおすすめします。
クエン酸と一緒に洗剤や柔軟剤を使用すると、クエン酸と洗剤が中和し洗剤、柔軟剤の効果がなくなってしまうので、クエン酸を使用するときはクエン酸のみを使用しましょう。
クエン酸を使用し洗濯した後、普段通りのお洗濯をすることで、衣類についた様々な汚れをしっかりと落とすことができます。
クエン酸で洗濯する4つのデメリットや注意点
クエン酸を使用することでのメリットがありますが、もちろんデメリットも存在します。デメリットや注意点をご紹介していきます。
1.普段の洗濯より手間がかかる
前記で説明した通り、クエン酸でのお洗濯は落とせる汚れに限りがあります。
洗剤と一緒にお洗濯を行うとアルカリ性と酸性が中和され汚れが落ちにくくなってしまうので、クエン酸でのお洗濯後は再度洗濯洗剤を使用し通常のお洗濯を行わないといけないという手間がかかります。
2.酸性に弱いデリケートな衣類には向いていない
クエン酸の成分は酸性ですので、酸性に弱いデリケートな衣類に使用してしまうと、衣類を傷めてしまう可能性があります。黄ばみ等の汚れを落としやすい反面、着色された染料も落としやすいので色落ちの原因にもなります。
使用する際はしっかりと洗濯表示タグを確認してお洗濯を行うようにしましょう。
3.傷口にしみる
クエン酸は傷口に触れるとしみてしまいます。
手荒れしてしまう事もあるので直接触れるのは避けて、手洗いする場合などには、手袋を使用するようにしましょう。
4.混ぜると有毒なガスが発生する
ハイターなどの塩素系漂白剤は酸性であるクエン酸と混ぜると、有害なガスを発生させてしまいます。このガスは命を落とすことも考えられるので注意が必要です。
クエン酸を使用する際は用法をしっかりと守り使用するようにしましょう。
クエン酸を使った洗濯方法
では、実際にクエン酸を使った洗濯方法についてご紹介していきます。
クエン酸洗剤の作り方
クエン酸小さじ1杯を水50ccで溶かし、洗剤を作ります。(約6kgの衣類の場合)ドラム式洗濯機の場合、柔軟剤投入口に投入して通常通りお洗濯をすれば使用できます。
縦型洗濯機を使用する場合洗剤のつくり方は同じですが投入の際柔軟剤投入口に入れる他、すすぎが始まったらクエン酸小さじ約1杯を洗濯槽に直接入れるという方法もあります。
クエン酸の代用にお酢やレモン水はOKか?
どちらも代用品として使用していただけますが、それぞれの特徴や注意しておくことをご解説いたします。
お酢
クエン酸の代わりとしてクエン酸の成分が含まれているお酢は代用が可能です。洗濯物をふんわり仕上げるには水45リットルに対して50ccが目安です。
ただし全てのお酢がお洗濯に使用できるわけではありません。穀物酢やホワイトビネガーといった、食用酢で行うようにしましょう。
お酢はクエン酸と違い揮発性がありますので洗浄力はありますが、お酢のツンとした臭いが発生してしまう事も。
クエン酸を使用する時と同様、再度通常のお洗濯を行い、臭いを取り除いたりしっかりと風通しの良い場所で乾燥させて臭いを取り除いてあげましょう。
基本的にお酢は洗濯で使用する事はおすすめしていません。そちらについては以下の記事にまとめているので参考にして下さい。
レモン
レモンには洗浄力と殺菌効果があります。尿素などのアンモニア臭の分解はもちろん、水垢・石鹸カスの汚れを落とします。
お酢、レモンを使用する際はクエン酸同様、塩素系漂白剤と混ぜると有毒なガスが発生することがあるので注意が必要です。
クエン酸と洗濯洗剤を混ぜるのはOKか?
クエン酸と洗剤を混ぜるのはNGです。
洗剤や柔軟剤と混ぜて使用すると成分が中和されて洗浄力が劣ってしまいます。また、混塩素系のものと混ぜてしまうと人体に悪影響な有毒なガスを発生させてしまうケースがあります。
クエン酸を使用する際は必ず単体で使用するようにしましょう。
クエン酸と過炭酸ナトリウムを併用してOKか?
クエン酸と過炭酸ナトリウムを混ぜ合わせて水を加えると泡が発生します。
この泡は洗浄効果のあるものではないので汚れを落とすことが出来ません。クエン酸や過炭素ナトリウムの洗浄効果を打ち消してしまうため単体でお洗濯しましょう。
クエン酸と柔軟剤を併用してOKか?
こちらも洗剤同様、併用してしまうとお互いの効果を消してしまいます。クエン酸を使用した後に、通常のお洗濯で洗剤、柔軟剤を使用するようにしましょう。
クエン酸には柔軟剤と同様の効果が見られますので、すすぎの際に投入したりすることで、柔軟剤が不要になるくらいふっくらと仕上げることも可能です。
クエン酸を使う場合は液体洗剤が良い?
クエン酸が配合されている洗濯洗剤には液体タイプと粉末タイプがあります。
粉末タイプのほうが洗浄力は強いですが、その分、デリケートな衣類には不向きです。また粉末タイプはしっかりとすすぎを行わないと、洗剤カスが残ってしまい衣類に付着してしまう恐れがありますので、液体洗剤がおすすめです。
粉末タイプを使用する際はすすぎを2回行う他、暖かい水を使用することで溶けやすくなります。
クエン酸と石鹸を併用してOKか?
併用自体はしても問題ありません。
ですが、洗濯石鹸の効果やクエン酸の効果を見ると併用したくなりがちですが、クエン酸は単体で使用することで効果を発揮します。併用してしまうとお互いの効果を無くしてしまうので基本的に併用はしないほうがいいでしょう。
クエン酸と漂白剤を併用してOKか?
クエン酸と塩素系漂白剤は絶対に併用してはいけません。
併用をしてしまうと、有毒なガスを発生してしまい、体に悪影響を起こす恐れがあります。万が一使用してしまった場合はすぐに換気を行い、すぐに病院に行くようにしましょう。
クエン酸を入れるタイミング
クエン酸を使用する際に入れるタイミングですが洗濯機で洗う場合は、洗濯開始時に柔軟剤と同じ感覚で入れるか、すすぎの際に入れるかです。
どちらにしてもクエン酸で洗濯するなら、クエン酸だけでは落ちない汚れの種類があるし、他の洗濯洗剤と混同するとお互いの性質を消し合うので、再度洗剤で洗濯する必要があります。
クエン酸は洗濯機の柔軟剤投入口に入れるべき?
洗濯の際柔軟剤投入口に投入し洗濯します。
ドラム式の場合はこの方法になりますが、縦型洗濯機の場合は、柔軟剤投入口に投入するほかすすぎの際にクエン酸を小さじ1杯直接投入する方法があります。
効果としてはすすぎの際に投入することで水に溶かす手間が省けます。
クエン酸を洗濯機に入れる量や濃度
水が30ℓに対してクエン酸を30gを目安に入れましょう。
濃度は特に気にする必要はありません。また水でもお湯でも溶けますが、粉末タイプを使用する場合は冷たい水で溶かす際はしっかりと混ぜたり振って、粉が残らないようにしておくことで、洗濯の際にカスがつくことを防ぎます。
クエン酸で洗濯する際の温度
粉末タイプのクエン酸を使用する場合、冷たい水に溶けるかどうか心配になることがあると思います。ですが、クエン酸は水に溶けやすいので特に温度を気にする必要はありません。
洗濯をする際に柔軟剤投入口に入れる場合はあらかじめ水で溶かして投入するので問題ありませんし、すすぎの際に投入する際も水に溶けますので安心です。
普通の汚れであればすぐに洗濯機を回しても落とすことができますが、頑固な汚れの場合はつけ置き洗いを行いましょう。
クエン酸を手洗い洗濯で利用する方法
手洗いの場合、洗面器等の桶や洗濯槽に水をはりスプーン1杯分のクエン酸を溶かしましょう。そこへ洗濯物を入れ手洗いを行います。クエン酸は酸性の為、酸性に弱いデリケートな衣類は避けましょう。
手洗いで洗濯する際も汚れが目立つ場合はつけおきしておくと、汚れが落ちやすくなります。
注意するポイントは、クエン酸は、傷口にしみてしまったり、手荒れを起こしたりすることがあるため、手洗いするとき手袋を使用するようにしましょう。
洗濯でクエン酸を使った際のすすぎ量
洗濯でクエン酸を使用するときにすすぎの時に投入することもあるので、すすぎの量が気になりますがクエン酸は水に溶けやすいため、通常のお洗濯通りのすすぎの量、回数で問題ありません。
すすぎの際、30Lの水に対し1gのクエン酸を入れて、洗濯機を再稼働させて洗濯機が止まったら、通常のお洗濯を行い、干して乾かせばお洗濯が終わります。
クエン酸で洗濯機の洗濯槽を掃除する方法
クエン酸を使用すれば、洗濯槽の掃除をすることも可能です。クエン酸で洗濯槽を清掃する際の手順をご紹介いたします。
クエン酸で洗濯機のカビ取り
ネットに洗剤カスを溜めないようにするため、洗濯槽を洗浄する場合はあらかじめ糸くずネットを取り外しておきましょう。
洗濯槽全体がつかるようにたっぷりのお湯を溜めます。温度は40度前後のお湯で行うのがおすすめ。
重曹とクエン酸を入れたら、そのまま洗いコースを選択して洗濯機を回します。槽洗浄コースがある場合は槽洗浄コースで行いましょう。脱水は行わず水を貯めたままにしておきましょう。
洗濯槽クリーナーを使用する際は3時間~6時間程度ですが、洗濯槽をクエン酸で洗浄する際は、最低でも5時間、できれば一晩は放置します。
洗濯槽を洗う時につけ置きしておくと、黒カビや茶色いカスが浮いてきます。その汚れをネットですくい取り除いてあげましょう。汚れが浮いてこなくなるまで繰り返し行います。
黒カビや茶色いカスなどの汚れが洗濯槽内に残っている可能性があるため、もう一度槽洗浄コースや洗いコースで洗濯機を回します。浮いてきた汚れは再度すくい取りましょう。
洗濯槽の汚れ、クエン酸を洗い流すため、すすぎと脱水を2~3回繰り返し行います。落ちた汚れが洗濯槽の底や周りに溜まっている場合は、ふき取ってあげたりブラシできれいに取り除いてあげましょう。
脱水を終えて汚れが落ちていれば、フタを開けて洗濯槽内を乾燥させます。完全に乾いたら、洗濯槽の掃除の完了です。
洗濯槽クリーナーを使用するよりも汚れの落ちが少なく感じるかもしれませんが、塩素系洗剤は洗浄力が強くお肌にも刺激がある場合があるため、肌荒れが気になる場合は、クエン酸を使用したり、酸素系の洗濯槽クリーナーを使用しましょう。
クエン酸で洗濯機が錆びる可能性がある
クエン酸や酢、レモンは酸性のため、洗濯槽の金属部品などを酸化させてしまう可能性があります。そのためサビてしまったり、そのサビによって洗濯機の故障を招く恐れがあります。
洗濯槽の清掃や、洗濯の際に酸性のものを使用することを推奨していないメーカーや機種も存在しますので、使用前には説明書をしっかりと確認して使用するようにしましょう。
クエン酸はお洗濯以外にも、普段のお掃除に使用出来たりとても便利です。
粉末タイプのクエン酸や、クエン酸を配合した洗剤もありますので、クエン酸そのものを使用するのは少し不安だな、と感じる方は、クエン酸が配合されたものを利用するのもいいでしょう。