ドライクリーニングのメリットや効果とデメリット

衣類をクリーニングに出す際、ドライクリーニングに依頼する方が多いと思いますが、ドライクリーニングにはメリットとデメリットが存在します。
お金は払って依頼したのに汚れが落ちていないという事が起きないよう、ドライクリーニングとはどういう洗い方なのか、メリットや効果、デメリットや欠点について紹介します。
ドライクリーニングの4つのメリットや効果
ドライクリーニングには大きく分けて4つのメリットがあります。
- 油溶性の汚れを落とすのが得意
- 縮まずシワになりにくいのでデリケートな衣類が得意
- クリーニング料金が安い
- 仕上がり時間が早い
1.油溶性の汚れを落とすのが得意
衣類に付着する汚れには、大きく分けて3つあります。
- 油溶性の汚れ
- 水溶性の汚れ
- 不溶性の汚れ
ドライクリーニングで落ちる汚れは油溶性の汚れと、不溶性の汚れです。
油溶性の汚れとは主に、ファンデーションや口紅、チョコレートといった油を使用している物の汚れに、不溶性の汚れとは泥や墨汁などの汚れです。
2.縮まずシワになりにくいのでデリケートな衣類が得意
衣類が縮む原因は水によるフェルト化(硬化)が原因です。
水で洗うと縮んだり型崩れしたり色が出るといったトラブルを起こしやすい衣類を、ドライクリーニングは水の代わりに有機溶剤で洗浄する方法なので、衣類に優しくダメージを少なく洗えるので、縮みを防いでくれます。
また、水を使わないのでシワにならないのもメリットです。
シワになった洋服をドライクリーニングで伸ばす事はできませんが、シワになりやすい素材をドライクリーニングで洗えばシワにならず、衣類に負担をかけて伸ばす必要も少ないので、この点もダメージ予防に良い効果があります。
3.クリーニング料金が安い
ドライクリーニングは水洗いやウェットクリーニングとは違い1点の値段が安く設定されています。
ドライクリーニングは有機溶剤を使用して大量の衣類をまとめて洗うことが可能で、時間、手間、コストがかからないので、水洗いやウェットクリーニングと比べると、ドライクリーニングは安く設定されています。
激安系クリーニング店ではドライクリーニングが多く、とにかく表面の汚れさえ落ちていればと言う事もあります。
4.仕上がり時間が早い
水洗いと比べると、乾燥やシワ伸ばしの時間や手間が掛からないので、仕上がり時間が早いです。激安系のスピード仕上げ、即日仕上げなどは、ドライクリーニングを行っている事が多いです。
ドライクリーニングの7つのデメリットや欠点

ドライクリーニングにはメリットがある反面、デメリットも多く存在します。
- 汗など水溶性の汚れは落ちない
- 衣類が傷む事もある
- 健康被害が起きる事がある
- 石油臭い事がある
- 色落ちなど変色が起きる
- パリパリやゴワゴワになる
- 有害物質で環境問題が起きる
1.汗など水溶性の汚れは落ちない
ドライクリーニングでは水溶性の汚れは落ちません。
- 汗汚れ
- ワインや醤油など飲食物の汚れ
- 尿等
日々の生活で付く汚れの殆どが水溶性の汚れ、または水溶性の汚れが含まれた汚れと言われています。こういった汚れはドライクリーニングで落とすことはできません。
ドライクリーニング後は見た目には綺麗に見えていても、実は汗汚れなどは落とせないままに返却されているのが現実です。
綺麗になったと思い、そのまま収納に放置してしまっていると時間をかけて汚れが酸化し、黄ばみやシミといったトラブルを招いてしまいます。
水溶性の汚れは水洗いやウェットクリーニングでしか落とす事ができないので、水洗いできる物は必ず水洗いを心掛けましょう。最低でも衣替えなどで長期保管する前は、仕舞い洗いで水洗いを行う事をおすすめします。
2.衣類が傷む事もある
安全と言われているドライクリーニングですが、衣類が傷むこともあります。
- 落とせない汚れが原因で傷む
- ドライクリーニングで溶ける
ドライクリーニングで落とせない水溶性の汚れを放置していると、黄ばみやシミ、その汚れから菌の繁殖、害虫の繁殖といったトラブルが発生してしまいます。
他にも、スパンコールやビーズなどの装飾品がある物、接着に樹脂を使用している物は、ドライ洗浄の際に熱で溶けてしまう恐れがあるのです。プリントされている衣類もプリント部分が剥がれてしまう事があります。
もちろん依頼した際にクリーニング店も確認いたしますが、洗濯表示タグをチェックしドライクリーニングが可能なのかを確認してから依頼しましょう。
3.健康被害が起きる事がある
ドライクリーニングの溶剤が残ってしまっている場合、その溶剤でかゆみを感じたり、アレルギーになってしまったり、化学熱で火傷を負ってしまったりと健康へ影響する恐れがあります。
原因は乾燥不足による溶剤の残留です。
一度発生してしまったアレルギーはドライクリーニングを利用した際に再発してしまいますので、ドライクリーニング返却後の衣類は必ず袋から取り出し、風通しをし乾燥してあげましょう。
4.石油臭い事がある
ドライクリーニングに使用されている石油系等の有機溶剤は独特の臭いがします。
- 溶剤の繰り返し使用して溶剤が古い
- 溶剤がしっかり落とせていない
溶剤が使いまわしを続け古くて臭い場合は、他の店舗や業者に変える事をおすすめします。溶剤がシッカリ落とせていないのは1つ前でも説明した通り乾燥不足です。
クリーニング後に袋から取り出し風通しをしながら乾燥させる事で、嫌な臭いは和らぎます。
5.色落ちなど変色が起きる
ドライクリーニングの際は、洗浄前に洗濯表示タグを確認し作業に取り掛かりますが、まれに色落ちや変色といったトラブルを起こしてしまうケースがあります。
洗濯表示がドライクリーニング可能となっていても、ドライ溶剤で洗い始めると色が出る衣類があるからです。
原因としては、衣類の製造の段階で色止めが出来ていない事が考えられます。
色落ちしそうな衣類の場合、色落ちテストを行い他の衣類とは避けて洗いますが、目で見て判断できない場合は他の衣類と一緒に洗ってしまいます。これが原因で他の衣類への色移りなどの原因にもなります。
6.パリパリやゴワゴワになる
ドライクリーニングでは、汗や尿などの水溶性の汚れを取り除くことができません。取り除くことのできなかった衣類はそのまま乾燥して繊維に残ってしまいます。
汚れの水分だけが抜けて皮脂やアンモニアなどの固形成分が衣類の生地に残ったままになると、衣類がゴワゴワやパリパリになってしまう事があります。
また、塩化ビニル樹脂を用いた人工皮革は可塑剤と呼ばれる薬品によって、本来は硬い物を柔らかくしています。ドライクリーニング溶剤は可塑剤を溶かすので、元の硬い状態に戻り人工皮革のジャケット等がゴワゴワになってしまう事もあります。
再度、柔らかくする薬剤がありますが、完璧な状態に戻るとは言えません。
7.有害物質で環境問題が起きる
過去にドライクリーニングで使用されている溶剤には、洗浄力が高く、素早く乾燥する為に、塩素系溶剤のテトラクロロエチレン(パークレン、パークロロエチレン)等の有害物質が多く使用されていましたが、土壌汚染や発がん性があるために今では法律で使用を禁じられています。
現在多く使用されている石油系の溶剤も、光化学スモッグの原因となる光化学オキシダントが含まれています。ドライクリーニングで使用されている溶剤は油ですのでどうしても環境に悪いものになってしまいます。
環境汚染を防ぐ為に、使用した溶剤は業者が回収しますが、手についてしまった溶剤やこぼしてしまった溶剤までは回収する事は出来ません。
ドライクリーニングの溶剤を使用し続けることで、大気汚染、土壌汚染、地球温暖化など悪影響を及ぼすほかに人体への影響も考えられるのです。
最近では環境汚染を防ぐために環境に優しい天然ガス系の溶剤などが出てきています。多くの店舗で使用される日はまだ先の話になるかもしれませんが、なるべくそういったクリーニング店へ皆さんが依頼することで環境汚染を少しでも防げるかもしれません。
値段も安く依頼しやすいドライクリーニングですがメリット、デメリットを見ると利用するのに抵抗がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?そういった方には水洗いが可能な物なら水洗いやウェットクリーニングがおすすめです。
水を使用し1点1点丁寧に仕上げているのでコストは少しかかりますが、衣類をきれいにしたり環境のことを考えると、年に数回のクリーニングはウェットクリーニングへ依頼するのはいかがでしょうか?
