服に付いたハチミツのシミ抜きをクリーニングのプロが解説

ハチミツによるシミは、シミの中でも比較的落としやすいのですが、時間が経ってしまうと黄ばみが起き、取れにくいシミになってしまいます。
シミ抜きは、正しい方法で対処することが大切です。大切な衣類を長く、きれいに愛用するためにぜひ参考にしてください。
ハチミツの成分とシミが取れない理由
どんなに拭ってもべたつきが取れないハチミツですが、ハチミツのシミは水溶性のため、衣類に付いてすぐなら、流水だけでも十分落とすことができます。
しかし、ハチミツのシミは時間の経過と共に黄ばみが起きます。
ハチミツに限らず、衣類にシミが付着してから時間が経てば経つほど、汚れが繊維の奥に入り込んでしまい、どんどん落ちにくくなりますので、できるだけ早く取ることが重要です。
ハチミツの染み抜き方法

チョコレートの染み抜きを始める前に必ず洗濯表示を確認して下さい。
![]() | 桶に40は液温は40℃を限度とし、洗濯機で洗濯できる |
![]() | 桶に手は40℃を限度に手洗い可能 |
![]() | 桶に×は家庭での洗濯禁止 |
手洗いマークは手洗いで、家庭での洗濯禁止はクリーニングへ依頼しましょう。
ハチミツの染み抜きに必要な物
ハチミツのシミは、衣類に付いてすぐなら、流水だけでも十分落とすことができます。流水で落ちない場合は、以下の方法で落としていきましょう。
- 食器用洗剤
- 歯ブラシ
ハチミツの染み抜き手順
素材によっては水で洗えないものもあるので、自宅で洗濯可能な衣類なのかを洗濯表示で確認してから、シミ抜きを行うようにしましょう。
1.ハチミツが衣類に付いてしまったら、まずはすぐに流水で水洗いします。
2.シミの部分に中性洗剤をかけます。
3.歯ブラシでシミ部分をトントンと優しく叩きます。
4.ぬるま湯で洗剤成分をすすぎます。
5.すすぎ終わったら、ふつう通り洗濯機で洗いましょう。
ゴシゴシ擦ってしまうと衣類の繊維を傷めてしまいます。また、汚れが繊維の奥に入り込んでしまい落とすのが困難になってしまうので、かならず歯ブラシで優しく洗うようにしてください。
時間が経ったハチミツのシミの落とし方
ハチミツのシミは時間の経過と共に黄ばみが起きます。衣類にシミが付着してから時間が経って落ちないシミになってしまった場合は、以下の方法で落としていきましょう。
用意する物
- 食器用洗剤
- 液体酸素系漂白剤
- セスキ炭酸ソーダ
- クエン酸
- 歯ブラシ
- ドライヤーまたは熱湯
シミ抜き手順
1.シミ部分に食器用洗剤をつけ、歯ブラシで優しくトントンと軽く叩きます。
2.シミ部分にセスキ炭酸ソーダをふりかけ、その上から酸素系漂白剤をかけます。
3.ドライヤーの温風を当てて温めるか、コップに熱湯を入れ、シミ部分にゆっくりかけて5分~10分ほど放置します。
4.アルカリ性を中和するために、クエン酸を水に溶かしたものをシミ部分にかけます。
5.シミが残っていたら、再びセスキ炭酸ソーダをかけ、根気よく同じ作業を繰り返しましょう。
6.シミが落ちたら、ふつう通り洗濯機で洗って完了です。
アルカリ性はタンパク質を溶かす性質があるため、ウールやシルクなどの動物性の素材は痛めてしまう可能性があるので注意しましょう。
外出先でハチミツのシミの応急処置
シミは少しでも早い処置が肝心です。正しい方法で応急処置をすることによって、帰宅後の洗濯でシミを落としやすくすることが出来ますので覚えておきましょう。
1.ティッシュや紙ナプキンで、シミを軽く拭きとります。
2.シミの裏側に乾いたティッシュなどをあて、水で濡らしたティッシュでシミ部分を軽くトントン叩き、シミを移していきます。
3.乾いたティッシュなどで水分をしっかり吸い取ります。
ハチミツが衣類に付着してすぐに、シミを出来るだけ薄くすることが大切です。飲食店などのおしぼりは、塩素系漂白剤で処理されている場合が多いため、衣類の色落ちにつながる可能性があるので使わないようにしましょう。