時間が経ったシミ汚れの染み抜き方法をプロが解説
労力がかかるシミ抜きは、面倒だからと後回しにしがちですが、シミは時間が経てば経つほど落ちにくくなります。
どんな素材に、どのようなシミができてしまったのかを把握して、正しいシミ抜きを行うことが大切です。
服のシミは時間が経つ程に取るのが難しくなる
衣類についたシミは時間が経つとともに繊維の奥に染み込み、定着し、落ちにくくなります。
つけてしまったばかりのシミは、シミの原因が分かるため対処もしやすいのですが、時間が経ってしまうと、シミの原因が分からないという状態にもなる事が多く、落とすのが難しくなります。
時間がたったシミは落とし方を間違ってしまうと、逆に広げてしまうことがあります。また、誤ったシミ抜きをしてしまうと、逆にシミが取れなくなってしまうこともありますので注意が必要です。
時間が経った服の染み抜き方
シミが落ちにくいからといって強い力でこするなど無理にシミ抜きをすると、繊維を傷つけてしまったり、変色や色落ちしてしまう恐れがあります。
シミ抜きの際は繊維を傷めないように注意しながら行いましょう。
シミを落とすには、「何のシミなのか」まずはシミの正体を知ることが大切です。それぞれのシミの性質を知り、適切な処置を行いましょう。
シミの大まかな成分を見分ける
シミのついた箇所に少しだけ水を垂らして見て下さい。
■まわりの布地よりシミの色が濃くなる:水溶性のシミ
■シミ部分だけが水をはじく:油溶性のシミ
シミの成分がわからない時は、まず「油溶性のシミ」、次に「水溶性のシミ」の落とし方を試してみましょう。
水溶性のシミの例 | しょうゆ、ソース、ケャップ、ジュース、コーヒー、酒類(ワイン、日本酒、ビールなど)、スパゲッティーソース、カレー、マヨネーズなどの食品のシミや血液、汗のシミなど |
油溶性のシミの例 | チョコレート、バター、生クリーム、植物油などの食品のシミ、口紅、ファンデーション、などの化粧品のシミ、皮脂など |
水溶性のシミ抜き方法
1.乾いたタオルの上に、シミのついた側がタオルに接するように衣類を置く。
2.ブラシの先に、水で3~5倍程度に薄めた食器用洗剤をつけて、トントンとシミを叩く。
3.タオルの位置をずらして、シミが落ちるまで、同じ操作をくり返す。(ゴシゴシとこすってしまうと衣類が傷んでしまうので注意しましょう。)
4.シミがタオルに移ったら、シミ汚れの部分を軽くもみ洗いします。
5.普段と同じ様に洗濯機で洗濯します。
油性のシミ抜き方法
1.乾いたタオルの上に、シミのついた側がタオルに接するように衣類をおく。
2.歯ブラシにクレンジングオイル、アルコール、ベンジンなどをつけてシミをたたく。
3.タオルの位置をずらして、シミが落ちるまで、同じ操作をくり返す。(ベンジンは色落ちする恐れがあるので注意してください。)
4.薄めた食器用洗剤でたたく。タオルを移動させながらタオルにシミを移していきましょう。
5.シミがタオルに移ったら、シミ汚れの部分を軽くもみ洗いします。
6.いつも通り洗濯機で洗濯します。
誤ったシミ抜きをしてしまうと、逆にシミが取れなくなってしまうこともありますので、どうしても取れないシミや、デリケートな素材などのシミ抜きは、無理をせずプロのクリーニング店に相談しましょう。
時間が経ったシミのクリーニングでのシミ取り
時間が経った頑固なシミは、家庭で落とすのは難しいものです。シミ抜きは、素材やシミの原因を見極めた上で、最適な洗い方や洗剤を選ぶ必要があります。
クリーニング店では、汚れが付着して繊維に染みこんでしまったシミを落としてくれる、シミ抜きサービスがあります。
シミ抜きにかかる料金はクリーニング店によって異なり、無料で対応してくれるお店や、別料金がかかるお店もあります。また、シミの種類やサイズによって料金設定が異なることもあります。
クリーニング店でシミ抜きをお願いしても、全てのシミをキレイに落としてくれる訳ではありません。時間が立つことによって汚れが繊維の奥に入り込み、定着してしまうとクリーニング店であっても取り除くことが難しくなります。
シミ抜きは、豊富な知識と熟練の技が必要な難易度の高い工程なので、シミ抜きが得意なクリーニング店を選ぶことも重要です。
coromoeでは落とせない汚れやシミは無いと自負してやっております。どうしても落ちないシミは、ぜひcoromoeにご相談下さい。
外出先で服にシミがついたときの応急処置
シミはついてから時間が経てば経つほど取れにくくなりますので、すぐに落とすことが大切です。種類を見分けてすぐ処理すれば、ほとんどのシミ汚れは落とすことが出来ます。
外出先での水溶性のシミの応急措置
1.乾いたティッシュペーパーをシミの裏側に当て、湿らせたティッシュペーパーで、表からシミを軽くぬらします。
2.湿らせたティッシュペーパーで、こすらず押さえるようにシミを移しとります。
3.乾いたティシュペーパーで、水分をふき取ります。
外出先での油溶性のシミの応急措置
1.固形物をつまみ取り、乾いたティッシュペーパーで、押さえるように油分を吸い取ります。
2.乾いたティッシュペーパーをシミの裏側に当て、湿らせたティッシュペーパーにハンドソープや石けんをつけて、シミになじませます。
3.湿らせたティッシュペーパーで、こすらず押さえるようにシミを移しとります。
4.湿らせた別のティッシュペーパーで石けん分が残らなくなるまで落とします。
5.乾いたティッシュペーパーで、水分をふき取ります。
シミの応急措置後の家での対処法
桶に40は液温は40℃を限度とし、洗濯機で洗濯できる | |
桶に手は40℃を限度に手洗い可能 | |
桶に×は家庭での洗濯禁止 |
帰宅後すぐに衣類の洗濯表示を確認し、出来る限り早く水洗いできる物は洗濯機で、手洗いマークは手洗いで、家庭での洗濯禁止はクリーニングへ依頼しましょう。
三角は塩素系及び酸素系の漂白剤を使用可能 | |
三角に斜め線2本は酸素系漂白剤は使用可能だが塩素系漂白剤は使用禁止 | |
三角に×は塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止 |
家庭で洗濯する場合は漂白剤についての洗濯表示も確認しましょう。
使用可能なら、シミの部分にスプレータイプの酸素系漂白剤を直接スプレー、もしくはつけ置き洗いをした後に洗濯します。