洗濯機や手洗いでの粉洗剤の正しい使い方をプロが解説

最近では、使いやすさで液体洗剤を選んでいる方も多いのではないでしょうか。ですが、粉洗剤は液体洗剤にはない魅力がたくさんあり、粉洗剤はとっても優秀なのです。
粉洗剤の正しい使い⽅から保管方法など粉末洗剤の理解を深めて、普段の洗濯をより効果的に、清潔な衣類で毎日を過ごしましょう。
粉洗剤の洗濯機への正しい入れ方
1.粉洗剤を入れる場所
粉洗剤を洗濯機投入する際には、粉洗剤専用の投入口に入れることが大切です。
粉洗剤専用投入口は、粉洗剤が溶けやすいように水を少しずつ混ぜ合わせるような仕組みになっていて、洗剤の溶け残りを防ぐことができます。
洗濯機によっては粉末洗剤と液体洗剤とでは投入口が異なることもありますので、入れる場所を間違えないように注意しましょう。
2.粉洗剤を入れる場所ない場合
粉洗剤専用投入口がない場合は、粉をしっかり溶かしてから洗濯機に入れる必要があります。
粉洗剤の溶け残りを防ぐ確実な⽅法は、洗剤をぬるま湯で溶かしておくことです。洗剤を溶かすためのお湯の温度は、40度くらいが最適です。
洗濯機に粉洗剤を入れるタイミング

粉洗剤を投入口に入れる場合は、必ず洗濯開始前に入れるようにしましょう。
洗濯が始まると投入口に少量の水が流れ、洗剤と水を混ぜながら洗濯槽に注入してくれます。こうすることによって、粉末洗剤が水によく溶け泡立つことで、洗剤が衣類全体に行き渡り、しっかりと汚れを落としてくれるようになります。
粉洗剤1回分の分量の測り方

粉洗剤の適切な量の測り方は、縦型洗濯機とドラム式洗濯機で違います。縦型洗濯機の場合は“水量”、ドラム式洗濯機の場合は“洗濯物の量”で決まります。
一般的な縦型洗濯機には“水量”や“水位”といった表示があります。洗濯機に投入される水量が表示されるので、それに従って入れれば問題ありません。
ドラム式洗濯機は縦型洗濯機と違い、水量ではなく“洗濯物の量”で洗剤量が決まります。洗濯物の量をはかって、必要な洗剤量を自動で計算してくれます。
洗剤の裏面には“水量”と“洗濯物の量”が記載されているので、それに従って入れれば問題ありません。
計量スプーンや大匙での測り方
粉洗剤に付属されているスプーンがなくても、洗剤量をキッチン用の計量スプーンで計ることができます。
計量スプーンの大さじ1杯は15g(15㏄)なのですが、粉洗剤の種類によって重さが異なるので、お使いの粉洗剤の大さじ1杯の重さを事前に計ってみましょう。
大さじ1杯12gの場合
付属スプーン | 大さじ |
75g | 6.25杯 |
60g | 5杯 |
45g | 3.75杯 |
25g | 2杯 |
粉洗剤の使用量と濃度
洗剤をたくさん入れると、汚れ落ちが良くなるように感じますが、洗剤をたくさんいれても洗浄力は大きくなりません。
洗剤の中に含まれている汚れを落とす成分は、ある一定の濃度までは洗浄力と比例しますが、一定量を超えてしまうとその洗浄力はほとんど変わらなくなります。適量の2倍の洗剤を入れても、洗浄力は2倍にはならないのです。
そのため各洗剤メーカーは、一番洗浄力が発揮できる濃度に規定量を設定しているのです。
2つの粉洗剤を混ぜる効果はあるか?
2つの粉洗剤を混ぜても効果はありません。
粉洗剤の銘柄によりそれぞれ使用量は異なりますので、違う銘柄を混ぜることによって1回当たりの使用量がわからなくなってしまいます。
洗剤の量が少なければ汚れ落ちが悪くなり、洗濯機のなかで落ちた汚れが再び衣類に付着してしまう、という事態も発生します。
逆に、洗剤を多めに入れたからといって汚れ落ちがよくなることはありません。洗剤を適量より多めに入れてしまうと、すすぎの際に洗剤を落とし切れず衣類に残ってしまい、雑菌や臭いの原因になったりもします。
基本的には混ぜずに、一つの洗剤で洗濯する方が効果はあります。
縦型洗濯機とドラム式での粉洗剤の使い方
粉洗剤は水に溶けにくく洗濯物に洗剤が残りやすいため、しっかりと溶かしてから使用することが必要です。
縦型洗濯機もドラム式洗濯機も洗剤投入口がある場合は、必ず粉洗剤専用の投入口に入れましょう。洗濯機についている洗剤投⼊⼝に粉末洗剤をいれることで、洗剤の溶け残りを防ぐことができます。
ドラム式洗濯機は使用する水の量が少ないため、粉末洗剤は溶け残る場合があります。ドラム式洗濯機で粉末洗剤を使用する場合は、あらかじめぬるま湯で溶かしてから洗剤投入口に入れると効果的です。
粉洗剤での手洗いやつけ置き洗いの方法

洗面器やバケツにお湯1リットルに対して、小さじ1杯の粉末洗剤をしっかりと溶かし、そこに衣類を20~30分つけ置きします。普段の洗濯機で使用する洗剤量の3倍程度の濃さにすると良いです。
つけ置き洗いが終わったら、洗濯機で通常の方法で洗濯すればOKです。洗濯機NGの洗濯物は、すすぎをしっかり行い、軽く脱水の後にタオルドライして、ある程度の水分が取れたら干しましょう。
粉洗剤で洗濯後のすすぎ方法

⼀般的な粉末洗剤では、すすぎが2回とされています。
洗濯機の⾃動コースでのすすぎ回数は2回の設定になっていますが、節⽔のためにすすぎを1回に設定してしまうと、衣類に洗剤が残ったままになり、肌荒れや衣類を痛めることにも繋がってしまいます。
すすぎは必ず2回するようにしましょう。
粉洗剤の保管方法

湿気で固まらない様に保管
粉洗剤は湿気を吸いやす性質のため、湿気の多い場所に保管していると水分を含んで固まってしまいます。
直射日光を避け、高温多湿、温度変化の大きい場所には置かないようにしましょう。また、乾燥材と一緒に保管すると固まるのが防げます。
粉洗剤が固まったら
おろし金で削る
おろし金で削ると、カチカチに固まってしまった粉洗剤も粉末状に戻すことができます。
小槌で砕く
破れにくい厚めのビニール袋に固まった粉洗剤を入れ、袋の上から木槌などを使って粉状になるまでていねいに叩き潰していきます。
天日干し
乾燥した天気の良い日に新聞紙などに広げて干してみましょう。
少し粒が残った状態の粉洗剤でも、溶かして液状にしてしまえば、そのまま洗濯に使うことができます。洗面器などに固まった粉洗剤を入れ、40度くらいのお湯で溶かせば問題なく使うことができます。
粉洗剤の使用期限

基本的に粉洗剤の使用期限はありません。
“薬機法”では、適切な保存状態のもとで3年を超えても洗剤の性質や状態および品質が安定しているものは使用期限を表記しなくてもよいと定められています。
ですが、開封していつもと違う臭いがしたり、固まっていたり、色が変わっていた場合は、変質したり、溶けにくくかったり、洗浄力が低下していることがありますので注意が必要です。
余って使わない粉洗剤の再利用や活用方法

洗浄力が高い粉洗剤は、洗濯以外に掃除にも大活躍します。
とくに油汚れをよく落としてくれるので、台所の油はねによる汚れの掃除に強い威力を発揮します。頻繁には掃除できない換気扇や、コンロまわりの油汚れも見違えるほどキレイにすることができます。
また、湿気を吸いやすい粉洗剤の性質を利用して、除湿剤として使うことができます。粉洗剤をカップに入れるだけで下駄箱の除湿ができます。
ガーゼなど目の細かい袋に入れれば、タンス用の除湿剤として活用することもできます。
粉洗剤の捨て方とゴミ分別方法

粉末タイプの洗剤は、そのまま燃えるゴミとして出すことができます。
洗剤の容器が可燃ごみとして出せる地域であれば、中身が入ったままゴミ出しすることが可能です。捨てるのに工夫が必要な液体洗剤と比べて、粉洗剤は非常に楽で簡単といえます。