服の嫌な臭いを取る漂白剤の効果と正しい使い方
服の嫌な臭いの原因は、人間の体から分泌される汗や皮脂の汚れにあります。そんな服についてしまった嫌な臭いには、漂白剤が役立ちます。
洗濯しても取れない服の嫌な臭いを漂白剤の効果で、すっきり落としましょう。
漂白剤は服の嫌な臭いを取る効果がある
洗濯洗剤は繊維についた汚れを包み込んで引きはがし、汚れそのものを取り除くのに対し、漂白剤は繊維に染みついた汚れの色素を取りのぞいて、衣類を白くする効果があります。
通常の洗濯洗剤だけでは落とせない、頑固なシミや汚れをキレイに落とすことができる漂白剤は、除菌・消臭効果も高いので、衣類の嫌な臭いも落とすことができます。
臭いの原因の一つである皮脂や汗に含まれるタンパク質などの汚れが通常の洗濯で落ち切らず衣類に残ってしまうと、雑菌が繁殖して臭いを発します。
一度繁殖してしまった雑菌は簡単に消せるものではなく、数が増えるごとにバリア状に積み重なって強力になっていきます。衣類の嫌な臭いをとるためには、雑菌と汚れの両方をとらなくてはなりません。
漂白剤は雑菌や汚れを落とす効果が高いため、衣類に付いた嫌な臭いを取り除いてくれる効果を期待できます。
臭い取りで漂白剤は塩素系と酵素系どちらが良い?
三角は塩素系及び酸素系の漂白剤を使用可能 | |
三角に斜め線2本は酸素系漂白剤は使用可能だが塩素系漂白剤は使用禁止 | |
三角に×は塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止 |
先ずは洗濯表示を確認して、漂白剤を使用可能か、使用可能ならどのタイプがOKかを確認しましょう。
衣類用の漂白剤には「酸素系」「塩素系」「還元系」の3種類があり、それぞれ洗濯できる素材や洗浄力、漂白力が異なります。ご家庭では酸化型の塩素系か酸素系を使う事が殆どです。
分類 | 酸化型漂白剤 | 還元型漂白剤 | ||
---|---|---|---|---|
系統 | 塩素系 | 酸素系 | 還元型 | |
タイプ | 液体 | 粉末 | 液体 | 粉末 |
主成分 | 次亜塩素酸ナトリウム | 過炭酸ナトリウム | 過酸化水素 | 二酸化チオ尿素 |
漂白力 | ★★★ | ★★ | ★ | ★ |
除菌・消臭 | ★ | ★ | ★ | × |
用途 | 白物 | 色物も可 | 色物も可 | 白物 |
塩素系漂白剤
塩素系漂白剤は強力な漂白力と除菌消臭力がありますが、使用できる衣類が限られます。
強力な漂白力があるため、白物衣類の漂白には際立った効果を発揮しますが、染料まで脱色してしまうので、色柄物の衣類には使用することができません。
また塩素系漂白剤は、酸性タイプの洗剤と混ざると有毒な塩素ガスが発生してしまうため非常に危険です。塩素ガスは人体にとても有害で、大量に吸引すると最悪死に至ってしまうこともありますので、適切な使用が求められます。
酸素系漂白剤
一方、酸素系漂白剤は塩素系漂白剤と比べると漂白力は劣りますが、色柄物にも使えます。塩素系漂白剤のようなツンとした臭いもなく、比較的手軽に扱うことができます。
酸素系漂白剤には粉末と液体の2つのタイプがあり、それぞれ液性が異なります。
粉末タイプは「過炭酸ナトリウム」を主成分とし「弱アルカリ性」で、臭いの原因となる皮脂汚れには、アルカリ性の粉末漂白剤が効果抜群です。しかしアルカリ性は、ウールやシルクなどのデリケートな衣類の繊維にダメージを与えてしまうため使用できません。
液体タイプの主成分は「過酸化水素」で、「弱酸性」です。弱酸性は繊維を傷めにくいのでデリケートな衣類にも使うことができます。
塩素系漂白剤と酸素系漂白剤のどちらにも除菌や殺菌・消臭力があり、衣類に付いた嫌な臭いを取り除く効果があります。
ですが、塩素系漂白剤は取り扱いもむずかしく白物以外の衣類には使えないため、衣類の嫌な臭い取りには扱いやすい酸素系漂白剤をおすすめします。
臭い取りで漂白剤と重曹を併用する効果はあるか?
重曹の性質は「弱アルカリ性」です。アルカリ性は汗や皮脂汚れといった酸性の汚れや、タンパク質を分解する効果があり、臭いを香りでごまかすのではなく中和して無臭にしてくれます。
粉末の酸素系漂白剤も重曹と同じく「弱アルカリ性」で、同じアルカリ性の性質を持っている粉末の酸素系漂白剤と重曹を混ぜることで、消臭効果がより高まります。
塩素系漂白剤と重曹も同じアルカリ性のため混ぜてもとくに危険はありませんが、塩素系漂白剤は重曹よりも強いアルカリ性です。
そのため塩素系漂白剤に重曹混ぜると、アルカリ性の力が弱くなり効果が下がってしまいまうので、単体で使った方より効果を得られます。
漂白剤で服の臭いを取る際の注意点
漂白剤での衣類の臭い取りにはつけ置き洗いが効果的です。漂白剤を使用する際には、いくつかの注意点がありますので確認しておきましょう。
洗濯表示を確認する
衣類によっては水洗いが出来ないものや漂白剤不可の衣類もあるので必ず、衣類の洗濯表示を確認しましょう。
漂白剤の分量を守る
漂白剤の量が多いと、生地の傷みや色落ちの原因となります。分量をしっかり確認し、適量を守りましょう。
熱湯の使用はさける
漂白剤は、水よりもお湯に溶かすと効果が高まりますが、 熱湯は衣類の素材を痛める可能性があるため、40℃程度のお湯を使用しましょう。
長時間のつけ置きは厳禁
長時間のつけ置きは衣類を傷める可能性があります。つけ置き時間は30分~長くても1時間程度に留めましょう。
色落ちチェックをする
酸素系漂白剤は色柄物にも使用できますが、衣類の素材よっては、色落ちする場合もあります。目立たない部分で色落ちしないか確認してから行いましょう。
服の臭い取りで漂白剤のつけ置き洗いの時間や使い方
漂白剤でのつけ置き洗いは、衣類の臭い取りにもっとも効果的な方法です。衣類の繊維まで浸透した汗や皮脂など、臭いの原因である汚れや雑菌を落とすことができます。
1.洗面器やバケツなどの容器に40℃程度のお湯を張ります。
2.お湯に酸素系漂白剤を適量入れよく溶かします。
3.臭いの付いた衣類を入れ、30分から1時間ほどつけ置きします。
4.つけ置き後は洗浄液ごと洗濯機に入れ、ふつう通り洗濯しましょう。
衣類の素材によって、液体タイプと粉末タイプを使い分けることが大切です。