pm2.5の洗濯物への影響と干し方や対策をプロが解説
pm2.5は良くないものとして認識はしているものの実際に洗濯物に与える影響はどのようなことが考えられるのでしょうか。今回はそんなpm2.5から守る干し方や対策方法を紹介します。
pm2.5の洗濯物への影響は気にしないで良い?
そもそもよくテレビやニュースで耳にするPM2.5とは何でしょうか。PMとはParticle Matter(粒子状物質)の略で、その大きさがおよそ2.5マイクロメートル以下の極小さな粒子のことを言います。
つまりPM2.5とは特定の物質を表しているのではなく、小さな粒子の単位を指しています。そのサイズ髪の毛の約30分の1~40分の1ほどの超微小粒子です。
問題なのは、工場から排出された煤煙や車の排気ガスなどの大気汚染物質や黄砂も含まれており、浮遊している間にまた別の細菌などの粒子物質を付着していることもあるということ。
そんな目に見えないほどの小さな粒であるPM2.5は私たちが吸い込むと、肺にまで到達することができます。
その影響として喘息や気管支炎などの呼吸器系や不整脈など循環器系、更には肺がんリスクを高める可能性も危惧されているため、それらが付着した服を身にまとったり、吸い込むことを考えると決して見過ごすことはできません。
洗濯物を外干しするpm2.5の基準や目安
人の健康を保護する上で維持されることが望ましいとする環境基準というものが環境省から定められています。洗濯物の外干しについてもこの環境基準にあわせて判断しましょう。
pm2.5の場合「1年平均値が15μg/m3以下であり、かつ、1日平均値が35μg/m3以下であること」とされています。つまり、35μg/㎥以下の数値であるならば外干ししてもOKと判断します。
黄砂のピークシーズンである3月~5月はpm2.5も多くなることが考えられますが、pm2.5は特定した物質ではないと述べたように季節や地域、また突発的な火山の噴火などの自然現象も発生源となるため、一年中気を付けなくてはなりません。
特に、高齢者や小さなお子様には影響を受けやすいことが考えられるため、外干しする際はご自身で確認が必要です。
以下のサイトからはお住まいの地域に絞ってリアルタイムに知ることができます。
pm2.5が付いた洗濯物ははたくだけで大丈夫?
pm2.5は先述の通り非常に粒子が小さいです。さらには湿気を含みやすい性質があり、一旦洗濯物に付着すると再飛散しにくいため、はたくだけでは不十分です。
はたいた後、もう一度洗濯をし直すことをおすすめします。pm2.5は特定の物質ではないですが、主要な成分は水溶性なので洗えば落ちるものがほとんどです。
しかし、黄砂は不溶性である砂ですのでこちらははたく方が効果的です。はたく際は、使い捨てマスクやビニールの手袋や眼鏡を装備しておくと安心です。
黄砂pm2.5を吸い込んでしまわないようにくれぐれも気を付けましょう。
またすすぎを2回行うことでしっかり落とすことができますし、柔軟剤を使用すれば衣類のコーティング剤の役目をしてくれるので付着しにくくすることで対策もできます。
pm2.5が多い日の外干し対策
様々な危険性のあるpm2.5から洗濯物を守るには部屋干しがベストということは重々分かってはいても、晴れた日にはカラッと洗濯物を外干ししたくなる気持ちも良く分かります。
また家族で過ごす休日に室内の生活スペースが洗濯物で圧迫されてストレスになってしまうのも考えものです。
先ほどの環境基準値の数値を見て判断する方法を紹介しましたが、全く気にせず洗濯物カバーや外干しカバーを使えば、外干しとpm2.5対策を両立させることができます。
テントやドームタイプ、シートタイプなど形状があり、洗濯物を覆ってpm2.5を守ってくれるというものです。それ以外にもUV、ホコリ、花粉、虫よけにもなり、防水のものであれば雨も怖くありません。
また洗濯物の目隠しにもなってくれるので防犯対策にもなり、実は何役もこなせる優れものです。外干しにはこのような便利グッズを取り入れてみるのもおすすめです。
pm2.5が気になる場合は部屋干しをおすすめ
日々忙しい生活の中で今日は外干ししても大丈夫?と確認する作業すら大変です。そうなるともう始めから部屋干しにしてしまうことも一つの手です。
そうるすると毎日のルーティンとなり段取りも楽になります。そして何と言っても確実に家族の洗濯物をpm2.5から守ることができます。
最近ではランドリールームやサンデッキなど設けて、部屋干しを考慮して作られたお家も増えてきています。
部屋干し専用洗剤や部屋干し用のおしゃれな物干しスタンドなども豊富にあるので今や部屋干しにシフトしていく時代になるかもしれません。
直射日光にあてたいお布団などを干したい時だけ、天気予報とあわせてpm2.5の数値をチェックする方が効率的ですね。
上手に外干し、部屋干しを使い分けて家族が安心して洋服を着られるようにしていきたいものです。