プロが教えるシームレスダウンの自宅での洗濯方法と注意点

ダウン収納と洗濯2
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シームレスダウンは縫い目をなくし、スマートでオシャレな見た目からここ最近人気の高いアイテムです。

構造上どうしても経年劣化が早いシームレスダウンを少しでも長持ちさせるためには、正しい洗濯方法で洗うことが必要です。

シームレスダウンの洗濯する際の注意点

シームレスダウンの洗濯が困難な理由は、その特徴にあります。

通常のダウンは縫製によって、中の羽毛をブロック分けして偏らないようにしているのですが、シームレスダウンは縫い目をなくし、特殊な樹脂で圧着加工を施しています

縫い目がないので空気や雨水が外から入りにくく、保温性や防水性にも優れていて、充填された羽毛の飛び出しが起こりにくい、などの利点がシームレスダウンにはあります。

しかし、圧着加工に用いられているポリウレタン樹脂には寿命があります製造時点から劣化はスタートしていて、水分や熱、紫外線など生活するうえで避けられない環境の中で少しずつ成分が分解され、劣化によって剥離してしまいます。

耐久年数は3年程だと言われていますが、間違った洗濯は寿命を縮めてしまう可能性もありますので、シームレスダウンの洗濯には注意が必要です。

注意点

シームレスダウンの洗濯の際は、圧着部分がはがれないような洗い方での洗濯が基本です。

■圧着部分に力がかからないように、引っ張ったり、強くこすったりするのは避ける

■洗剤の原液や、アルコールなどもできるだけ使わない

■ポリウレタン樹脂は熱に弱いため、乾燥機やアイロンは厳禁

■脱水機能を使うと遠心力で接着面が剥がれやすくなるので脱水時は優しくタオルドライ

ポリウレタン樹脂を使用したシームレスダウンですが、丁寧に洗うことで多少は寿命を伸ばせます。

シームレスダウンを自宅で洗濯する方法

手洗い洗濯で汚れを落とす
洗濯表示 桶に50は液温は50℃を限度とし、洗濯機で洗濯できる桶に50は液温は50℃を限度とし、洗濯機で洗濯できる
洗濯表示 桶に手は40℃を限度に手洗い可能桶に手は40℃を限度に手洗い可能
洗濯表示 桶に×は家庭での洗濯禁止桶に×は家庭での洗濯禁止

先ずは洗濯表示で洗濯機で洗えるか、手洗いなら洗えるか、家庭での洗濯禁止なのかを確認しましょう。

シームレスダウンを洗濯機で洗うのはNG

シームレスダウンは、適切な方法を用いればきちんと洗濯できます。しかし、シームレスダウンを洗濯機で洗うことはおすすめできません

一般的なダウンの洗濯表示にも手洗いマークが付いているものが殆どなのですが、ナイロンなどの素材によっては洗濯機で洗えるものもあります。

シームレスダウンの場合、たとえナイロンなどの素材であっても、洗濯機で洗うことで寿命は確実に縮まります。

水流の弱いドライコースやおしゃれコースなどで洗っても、シームレスダウンの劣化を早めることになりますので、手洗いで優しく洗うことをおすすめします。

シームレスダウンを手洗いで水洗いする方法

シームレスダウンの洗濯は、優しく押し洗いが基本です。

部分洗いをする

全体を洗う前に、汚れの目立つ襟元や袖口、ポケットの入り口部分は洗濯用固形石鹸とスポンジを使って、あらかじめ部分洗いをしておきましょう。

30℃のぬるま湯に洗剤を溶かす

ファスナーやボタンをしっかり閉め、シームレスダウンが入る大きさの容器に30℃くらいのぬるま湯を入れ、ダウン専用洗剤またはおしゃれ着用洗剤を適量溶かします。

優しく押し洗いする

シームレスダウンを軽くたたみ、洗浄液の中に入れて押し洗いします。両手を使い、浮いてきたら沈めるを繰り返し、洗浄液が全体に染みこむように優しく押し洗いしましょう。

水を好感しつつ押し洗いしすすぎを行う

洗い終わったら綺麗な水と交換し、同じように押し洗いをしてすすぎます。水の濁りや水の中の泡が消えるまで水の交換と押し洗いを繰り返し行い、洗剤が残らないようにしっかりすすぎましょう。

絞らず押してダウンの脱水する

洗濯に使用した容器の水を抜き、軽く押してダウンの水を抜きます。(絶対に絞らない)

バスタオルでタオルドライ

大きめのバスタオルの上にシームレスダウンを広げ、端からくるくる巻いて水分を取ります。バスタオルが水分を含みすぎたら新しいバスタオルに交換し、できるだけ水分を取り去りましょう。

シームレスダウンの乾燥方法

洗濯表示 四角に1つの縦棒はつり干しが良い四角に1つの縦棒はつり干しが良い
洗濯表示 四角に2つの縦棒はぬれつり干しが良い四角に2つの縦棒はぬれつり干しが良い
洗濯表示 四角に1つの縦棒に斜め線は日陰でつり干しが良い四角に1つの縦棒に斜め線は日陰でつり干しが良い
洗濯表示 四角に1つの横棒は平干しが良い四角に1つの横棒は平干しが良い

■平干しする

最初から吊り干しすると、中の羽毛が水分で下の方に偏ってしまい型崩れの原因になりますので、ある程度乾くまで半日ほど平干しをします。

濡れた状態の羽毛はとてもデリケートなので、乾くまでは極力触らないようにすることが綺麗に仕上げるためのポイントです。

■風通しの良いところで陰干する

半乾きになったら、直射日光が当たらない風通しの良いところで陰干しします。ハンガーは、出来るだけ肩部分が厚いものを選び、内部までしっかり乾燥させることが大切です。

■羽毛にたっぷり空気を含ませる

完全に乾いたら、羽毛が均等になるように優しくほぐしていきます。シームレス部分が剥がれないように意識しながら軽く振ったり、たたくなどしてしっかりほぐし、羽毛に空気をたっぷり含ませましょう。

シームレスダウンのカビの取り方

衣類に発生しやすいカビには「白カビ」と「黒カビ」の2種類があります。

白カビは生地の表面に広がっているだけのことが多いので比較的落とすのが簡単なのですが、黒カビは繊維の奥深くまで根を下ろしているので、表面のカビを落としても繊維の奥までは落とすことができません。

黒カビは漂白作業が伴うので、自力で落とすのは難しく失敗する恐れが高いです手間をかけても落としきれないこともありますので、シームレスダウンに黒カビが発生した場合は、クリーニング店に任せるのが確実です。

白カビであればほとんどの場合、水洗いで落とすことが可能です。水洗いできるシームレスダウンであれば、思い切って洗ってしまいましょう。

不要な歯ブラシなどで表面に付いたカビを落としてから、中性洗剤をぬるま湯に入れ、優しく押し洗いします。何度か水を替えてよくすすぎ、風通しのよい場所で陰干ししましょう。

完全に中の羽毛を乾かさないと、またカビが発生してしまう事になりますので、数日間掛けて中までしっかりと乾かしましょう。

シームレスダウンに付いたファンデーションの取り方

ファンデーションには、メイク崩れを防ぐために落ちにくい成分が多く配合されています。顔料や油が含まれていて鉱物の成分も混ざっているため、泥汚れのように落ちにくく、普通に洗っただけでは落とすことが出来ません。

水や洗剤だけではなかなか落ちにくい頑固なファンデーション汚れには、女性の化粧落としに使う「クレンジングオイル」が汚れ落としに効果を発揮してくれます。

クレンジングオイルを手やコットンに付けて、汚れ部分にクルクルと円を描くように優しくなじませていきます。汚れが浮いてきたら、水を含ませたタオルで汚れをふき取ります。

最後に、ぬるま湯と中性洗剤でクレンジングオイルを洗い流し、洗剤が残らないようにすすぎをしっかりと行いましょう。

シームレスダウンの撥水や防水スプレーのやり方

シームレスダウンに撥水スプレーや防水スプレーをかけておくと、雨や汚れを防いでくれ、汚れを落ちやすくするという効果もあります。

撥水が必要なのはシームレスダウンの表面だけなので、シームレスダウンのファスナーやボタンをしっかり閉め、15cm程度離してまんべんなくスプレーしましょう。

スプレーをかけた後は風通しの良い場所でしっかり乾かしましょう。

スプレーをかけすぎてしまうとシミになってしまったり、ダウン特有のふわふわ感がなくなってしまう恐れがありますので注意しましょう。

またダウンに汚れがあると、その汚れに対してもコーティングをし、固めてしまう可能性がありますので、汚れを落としてから行いましょう。

撥水スプレーや防水スプレーには種類があり、使用成分や効果が多少異なるので、ダウンの生地にあったスプレーを選びましょう。

シームレスダウンの普段のお手入れ

ダウンジャケットの洗濯

シームレスダウンの臭い対策

シームレスダウンは、風や雨などを通さないため保温性に優れていますが、その特性ゆえに通気性が悪く、汗をかいても湿気を外に放出できないため、嫌な臭いががこもりやすいのです。

■風通しの良い場所で陰干しする

臭いがついたばかりのなら、風通しの良い場所で陰干しておくことである程度臭いを取ることができます。固く絞った布で、表面をサッと拭き上げてから1日~数日間干して置くと、より効果的です。

■入浴後の浴室に吊るしておく

入浴後の蒸気が充満している浴室に、シームレスダウンを一晩吊るしておきましょう。蒸気が臭いの成分を吸着してくれるので、生地を傷めずに臭いのみを取ることができます。

翌日、しっかり乾燥させてから収納するようにしましょう。

シームレスダウンのシワの伸ばし方

圧着加工に用いられているポリウレタン樹脂は熱に非常に弱いため、アイロンは低温でもNGです。シワが気になる場合は、洋服用のシワ取りスプレーをかけて風通しの良い場所に吊るしておくとシワが伸びます。

シームレスダウンの毛玉対策

シームレスダウンによっては、毛玉が出来やすい素材のものがあります。

そんな毛玉の主な発生原因は「摩擦」にあり、よく擦れる部分は特に毛玉が発生しやすい傾向にあり、また洗濯時の摩擦によっても毛羽立ちや毛玉が発生します。

日頃からシームレスダウンを脱いだ際に、軽く洋服ブラシをかけておくことで表面に付着したホコリや、軽い汚れなどを除去するだけでなく、毛玉を防ぐことにもつながります。

シームレスダウンが雨に濡れた時の対処法

急な雨でシームレスダウンが濡れてしまった場合、濡れたまま放置しておくと羽毛にカビが発生する可能性もありますので、早めに十分乾燥させる必要があります。

帰宅後はすぐにタオルで水気をよく拭きとり、そのあと風通しの良い場所で陰干ししてしっかり乾かしましょう。

シームレスダウンが重いと感じた時の対処法

シームレスダウンが以前より重いと感じた時は、中の羽毛が汚れている証拠です。

皮脂や汗などが蓄積されていくうちに放湿性を失うと、羽毛同士が引っ付いて固まり、重いと感じるようになります。

羽毛が潰れて空気を溜め込みにくくなり、暖かさも失われていきますので、水洗いでしっかり羽毛の汚れを落とす必要があります。

ぺたんこのシームレスダウンの復活方法

シームレスダウンをふわふわに復活させるためには、羽毛同士の絡まりをほぐし、湿気を飛ばして羽毛を開かせる必要があります。

ぺちゃんこになってしまったシームレスダウンも空気を含ませてあげることで、ふわふわの状態に戻すことができます。

羽毛がまんべんなくほぐれるように、少しずつ指でつまみながら優しくほぐします。羽毛に偏りがある場合は、シームレスダウンを上下に振ったり、軽く手で叩きながら、均等に羽毛を移動させましょう。

羽毛に空気をたっぷり含ませることを意識して、「ほぐして」「振って」「叩いて」を何度も繰り返すことで、羽毛が空気を含んでフワフワに戻っていきます。

空気を入れる事を意識して、根気よく作業を行ってください。シームレスダウンの内部にたっぷり空気が入ったら陰干しし、湿気をしっかり除去します。

天気の良い日に風通しの良い場所で、4〜5時間の陰干しを2~3日繰り返し、しっかりと乾燥させましょう。

干す際に使用するハンガーは、出来るだけ肩部分が厚いものを選ぶと中に隙間ができるので、早く乾かすことができ型崩れも防げます。

シームレスダウンの適切な保管方法

ダウンジャケットを洗濯する

シームレスダウンの劣化は避けられませんが、少しでも長持ちさせるためには保管方法も大切です。

着用頻度が少なくシーズン中に数回しか着ていなくても、目に見えない汚れは付着していますので、次のシーズンに備えて洗濯をしてから保管することが大切です。

紫外線の当たらない通気性の良いところで、できるだけ洋服同士の間隔を開けて保管しましょう。保管場所に入れっぱなしにせず、月に一回程度換気し、オフシーズン中1、2回陰干ししておくことも大切です。

シームレスダウンをクリーニングに出した場合、ビニールカバーが被せられていますが、このカバーはあくまでも簡易的なものです。

ビニールカバーをつけたまま保管してしまうと、変色やカビのなどさまざまなトラブルを生み出す原因になりますので、必ず外して不織布製の袋に入れなおしてから保管するようにして下さい。

シームレスダウンの寿命と剥がれた時の対処法

ダウン収納と洗濯

シームレスダウンの圧着加工に用いられているポリウレタン樹脂は、3年程で寿命を迎える素材です。

縫製ではなく圧着加工で中の羽毛をブロック分けして偏らないようにしているので、この圧着加工が剥がれてしまうと、中の羽毛が偏り、とても着られる状態ではなくなってしまいます。

全てのシームレスダウンは経年劣化により、いつかこうなる運命です。

一度剥がれてしまった圧着加工の修復は不可能ですが、思い切ってシームインダウンにリフォームすることで、また着ることができます。

このリフォームは技術力が必要な作業のため料金もそれなりに掛かりますが、大切なダウンの場合、検討してみるのも良いのではないでしょうか。

シームレスダウンのクリーニング

クリーニングビニール1

シームレスダウンはドライクリーニングすべき?

シームレスダウンはドライクリーニングが出来ません。

ドライクリーニングは、水ではなく有機溶剤使って衣類へのダメージを抑えた洗浄方法なのですが、シームレスダウンの圧着部分に用いられているポリウレタン樹脂は、ドライクリーニングの溶剤は熱に弱いという特徴があります。

そのため圧着部が剥がれたり、羽毛に必要な油分を抜きすぎてしまいふんわり感を失ってしまう可能性がありますので、シームレス部分へのダメージを抑えつつ、ダウンの汚れを落とすにはウエットクリーニングが最適です。

しかし、買ってから時間が経ってるなど、既に圧着部分が劣化していたらどんな洗い方でも剥がれる可能性がありますので注意してください。

シームレスダウンはクリーニングできない?

シームレスダウンはクリーニングできないわけではありません。

クリーニング店ではドライクリーニングをする事が多いですが、シームレスダウンの圧着部分が剥がれてしまうため、ウエットクリーニングをお願いする必要があります。

ウエットクリーニングは高度な技術力を必要とするため、確かな技術を持つクリーニング店を選ぶことがとても大切になります。

しかし、シームレスダウンの状態によっては、ウエットクリーニングの際に圧着部分が剥がれてしまう可能性があります。シームレスダウンの圧着部分は製造時点から劣化がスタートしているため、購入から時間が経っているものは特に要注意です。

いくら確かな技術があっても、圧着部分が劣化していると剥がれてしまう可能性があるため、クリーニングに出す前にシームレスダウンの状態を良く確認しておくことが大切です。

他店に断られたダウンのクリーニングは、coromoeにぜひご相談下さい。

シームレスダウンのクリーニング料金

シームレスダウンのクリーニング料金は2,000円~8,000円程度と、お店によって幅があります。

普通のダウンと同じ料金から店舗によっては特別料金が必要など、クリーニング店によって料金にかなり差があるので、シームレスダウンをクリーニングに出す前に、いくつかの店舗を比較してみると良いでしょう。

シームレスダウンはクリーニングが難しいアイテムなので、料金が安いからというよりも、料金はかかるが正しく丁寧にクリーニングしてくれるお店を選びましょう。

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