服に付いた紅茶などお茶のシミ抜きをプロが解説
紅茶やお茶は多くの方に親しまれている飲み物のひとつですが、気を付けていてもうっかり服にこぼしてしまった紅茶などのお茶シミは、落ちにくく困っている方も多いのではないでしょうか。
大切な服にシミを残さないために、正しいシミ抜き方法を覚えておけばあわてずに対処できますので、ぜひ参考にしてください。
紅茶などお茶の成分とシミが取れない理由
お茶の成分にはワインなどにも含まれている、「タンニン」と言う渋み成分が入っています。
タンニンとは、植物の葉や実、種子、根などに含まれるポリフェノール化合物の一種で、茶葉に含まれるタンニンはカテキンと呼ばれていて、抗酸化作用やガン予防、風邪予防などに効果を発揮する殺菌作用があります。
お茶のシミは水溶性なので、ついてすぐなら水で簡単に取り除ける場合が多いのですが、タンニンは一度染まるとなかなか落ちにくい色素で、時間が経つごとに酸素と結合してしまい、厄介なシミに変化してしまいます。
紅茶などお茶の染み抜き方法
紅茶などお茶の染み抜きを始める前に、洗濯表示を確認して下さい。
桶に40は液温は40℃を限度とし、洗濯機で洗濯できる | |
桶に手は40℃を限度に手洗い可能 | |
桶に×は家庭での洗濯禁止 |
手洗いマークは手洗いで、家庭での洗濯禁止はクリーニングへ依頼しましょう。
紅茶などお茶の染み抜きに必要な物
お茶のシミがついてあまり時間がたっていない段階であれば、キッチンにある食器用洗剤でシミ抜きが可能です。食器用洗剤は肌にやさしく作られているので、生地への負担も最小限に抑えられるのがうれしいポイントです。
- 食器洗い用の中性洗剤
- タオル
- 歯ブラシまたは綿棒
紅茶などお茶の染み抜き手順
色柄物の場合は色落ちチェックをしましょう。白いタオルを水で濡らし、服の目立たない部分に押し付け、色落ちしないか確認しましょう。
1.シミ部分を軽く濡らし、シミの裏側にタオルをあてます。
2.シミに食器用洗剤をつけ、歯ブラシでシミを優しくトントン叩きます。小さなシミの場合は綿棒が便利です。
3.裏に当てたタオルをずらしながら、シミをタオルに移していきます。
4.水またはぬるま湯ですすぎます。
5.シミになっていた部分を確認し、シミがまだ残っていたら、食器用洗剤をもう一度つけて同じ作業を繰り返しましょう。
6.シミが落ちたら、衣類の洗濯表示に合った洗濯方法で洗濯をします。洗濯機が使える衣類であればそのまま洗濯機に入れて通常通り洗濯をしましょう。
シミ抜きは、シミの外側から中心に向かって落としていくと、周りににじんだシミが残ることを防ぎ、きれいに落とすことができます。
ゴシゴシ擦ってしまうと衣類の繊維を傷めてしまいます。また、汚れを広げてしまい落ちにくくなってしまうので、歯ブラシで優しく洗うようにしましょう。
時間が経った紅茶などお茶のシミの落とし方
時間が経つと、お茶の色素が繊維に定着して、洗剤では完全に落とすことが難しくなります。
そんな頑固なお茶のシミは、漂白剤を使うときれいに落とすことができます。酸素系漂白剤であれば、色柄物にも安心して使うことができます。
三角は塩素系及び酸素系の漂白剤を使用可能 | |
三角に斜め線2本は酸素系漂白剤は使用可能だが塩素系漂白剤は使用禁止 | |
三角に×は塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止 |
漂白剤を使うので、酸素系漂白剤が使用可能かも洗濯表示で確認し、問題なければ染み抜きを進めて下さい。
用意する物
- 液体酸素系漂白剤
- ドライヤー
手順
1.お茶のシミ部分に直接、酸素系漂白剤をかけます。
2.ドライヤーをシミ部分から10~15センチ程放して、5~10秒ほど加熱します。
3.シミが残っているようなら、①~②を繰り返します。
4.シミが落ちたら、衣類の洗濯表示に合った洗濯方法で洗濯をします。洗濯機が使える衣類であればそのまま洗濯機に入れて通常通り洗濯をしましょう。
酸素系漂白剤はドライヤーによって熱を加えることで、シミ抜き効果をアップさせることができます。
外出先でお茶のシミの応急処置
洋服についてしまったお茶のシミ抜きの最大のポイントは、シミがついてから時間を置かずに素早く落とすことです。早い段階で少しでもシミを薄くしておくことが重要です。
外出先で完全にシミを取り除くことはできませんが、正しい方法で応急処置をすることによって、帰宅後の洗濯でシミを落としやすくすることが出来ますので覚えておきましょう。
1.ティッシュや紙ナプキンで、お茶の水分を十分に吸い取ります。
2.シミの裏側にティッシュなどをあて、水で濡らしたティッシュでシミ部分を軽くトントン叩き、シミを移していきます。
3.乾いたティッシュなどで水分をしっかり吸い取ります。
外出先でもトイレなどに行けば手洗い場で水洗いをすることも可能です。脱いで洗える場合は、お茶をこぼしてしまった部分を水でサッと洗い流しましょう。
また、お手洗いなどに備え付けられている、ハンドソープの洗浄力を借りれば水洗いよりも効果的にお茶のシミを落とすことができます。
飲食店などのおしぼりは、塩素系漂白剤で処理されている場合が多いため、衣類の色落ちにつながる可能性があるので使わないようにしましょう。シミを残さないためには、自宅に帰ってからなるべく早く、シミ抜きを行いましょう。