衣替えの洗濯ルールと「しまい洗い」の正しい方法
衣替え時に必ず行って頂きたいのがしまい洗い。しまい洗いは長期保管中のトラブル予防や衣類を長く綺麗に保つ為にとても必要な洗濯です。
しまい洗いとは?
しまい洗いとは、衣替えでの長期の保管の前に衣類を綺麗に洗濯する事です。
普段の洗濯では、繊維の奥の汚れまでしっかりと落としきれていない事ががあります。クリーニングに出したとしてもドライクリーニングでは水溶性の汚れは落ちないので、目に見えない汗汚れ等は残ってしまい蓄積していく一方です。
繊維に残った汗や皮脂汚れは、時間をかけて黄ばみやシミになったり、害虫やカビの栄養源となるので、衣替えで長期保管前はしまい洗いを行いましょう。
衣替え時にしまい洗いが必須な理由
衣替えは一般的に春秋の1年に2回で、シーズンオフになって保管に回った洋服の汚れがシッカリ取れていないと起きてしまうトラブルを把握しておきましょう。
服に残った汗や皮脂が黄ばみつながる
衣類を取り出した際に見覚えのない黄ばみをみたことがありませんか?
服に黄ばみが発生する原因は、汗に含まれるタンパク質や皮脂汚れが繊維に浸透し時間をかけて酸化することで起こります。特に汗をかきやすい脇や、襟、袖、背中は黄ばみやすい場所です。
着用している間は黄ばみが全くない状態でも、時間をかけてじわじわと衣類を変色させてしまうので、汚れが落ちていないと久しぶりに取り出した時に変色して着れない状態になってしまうのです。
1度しか着ていない服は汚れていない様に見えても、汗や皮脂は付いてしまっているので、そのまま保管してしまうと、翌シーズンまでに頑固な黄ばみとなってしまうので注意が必要です。
付着した皮脂やフケは害虫の餌
皮脂やフケはダニや害虫の餌になるので、それらの大量繁殖に繋がります。
しまい洗いを行わなかったり、ブラッシングといったケアを怠ると、ダニや害虫が繁殖し、そこから虫食いで穴が開いたり、それらの糞や死骸でアレルギーを起こし肌荒れが起きてしまいます。
衣類が湿気ている場合にもダニや害虫が発生します。しまい洗いの際には洋服に水分が残らない様に乾燥させる事も大切です。
衣類が臭う
汗汚れや皮脂汚れが残っていると、長期保管中に化学変化を起こし臭いの原因になります。1度しか着ず綺麗だからと洗濯せずに仕舞った洋服も、外出中に排気ガスや様々な汚れを吸い取っているので同じです。
また、前述したカビやダニや虫などの死骸や糞なども臭いの原因になるので、汚れを落としておかないと、衣替えで出した時に臭くて着れない状態になってしまいます。
衣替えで長期保管する洋服に虫が付かない様に防虫剤を使う人も多いですが、パラジクロルベンゼン・ナフタリン・しょうのうが使用されたな防虫剤を使うと成分の臭いが移ってしまいます。それらが苦手な場合はピレスロイド系を使用した防虫剤を使って下さい。
雨の日、部屋干しや料理等で自宅内に湿気が溜まり、壁を伝いクローゼット内に溜まってしまう事で生乾きの独特な臭いになる事もあります。定期的に収納内の換気を行う様に心がけましょう。
しまい洗いのやり方
洗濯前に、先ずは洗濯機の洗濯槽を掃除しましょう。日頃から定期的に掃除を行っていない場合は、洗濯槽に菌や汚れが溜まっている可能性があります。
それらを取り除かないと、せっかく洗濯しても菌や汚れが付着してしまうので、臭いなどの原因になります。洗濯槽クリーナーで簡単に行えるので、衣替えで仕舞い洗いを行う前に必ずやって下さい。
お風呂の残り湯などは、垢などで菌が発生し衣類に移ってしまう可能性があります。水は新しく溜めて綺麗な状態でお洗濯しましょう。
しまい洗いにおすすめの洗剤は粉末タイプのアルカリ性洗剤です。特に指定があったり、デリケート素材じゃなければ粉末タイプのアルカリ性洗剤を使ってシッカリ汚れを落としましょう。
普段の洗濯と基本的には変わりないですが、長期保管前で気を付ける部分などがあるので、ぜひ以下の詳細もご覧ください。
しまい洗いをする前には洗濯表示タグを確認し、自宅で洗える物とそうでないものを分けましょう。
上記の洗濯表示なら左は自宅で手洗い可、真ん中は洗濯機で水洗い可、右は家庭での洗濯禁止です。ご自宅で洗えないものは無理に家で洗おうとせず、まとめてクリーニングに依頼しましょう。
リスクは承知で自宅でどうしても洗いたい方は、以下の記事を参考にして下さい。
クリーニングに依頼する際でも、ドライクリーニングでは汗など水溶性の汚れはきれいに落とす事はできません。
長期保管の前には水洗いやウェットクリーニングがおすすめです。技術が高いクリーニング業者だと、水洗い不可の物でも水洗いしてくれるので、そういう業者に依頼しましょう。
目立つ汚れや汗や皮脂汚れが付きやすい、襟、袖、脇の部分を下洗いするのが汚れを落とすポイントです。汗やシミの場合おしゃれ着用の中性洗剤では落ちない可能性があります。
40~50℃のお湯に粉末タイプのアルカリ性洗剤を適量溶かし、10~20分程つけおきして、気になる部分をブラシや、スポンジで叩くようにして汚れを落とします。
熱に弱い衣類ではないか、熱に弱い衣類は30℃程のぬるま湯でしっかりと洗剤を溶かしてから行いましょう。強くこするのは衣類を傷めてしまうのでダメです。
クレンジングオイルでもシミを落とすことができます。クレンジングオイルをこすらずもみこみ、30℃程のぬるま湯で20分程つけ置きしすすぎましょう。
洗濯機に入れ、通常通りに洗濯機を回します。デリケートな素材や、ボタン等の付属品が付いた洋服は洗濯ネットがおすすめです。
洗濯ネットを使用する際は、ボタンやファスナーはしっかりと閉じ畳んで入れましょう。汚れの目立つ部分を表にする事で、汚れを落としやすくする事が可能です。
通常はすすぎ1回で衣類を洗濯している方は、しまい洗いの際はすすぎ2回で洗うとしっかりと洗う事が可能です。脱水は短時間で行い、タオルドライを行った後で乾燥させましょう。
縦1本棒は吊り干し、横1本棒は平干し、2本棒は脱水せずにぬれ干し、斜め線は陰干しを意味しており、干し方の洗濯表示のパターンはこの4つの組み合わせで出来ています。必ず洗濯表示に沿った干し方を行いましょう。
収納する際に洋服に湿気が残っていると、その水分からダニや害虫やカビの繁殖に繋がってしまうし、衣替えで出した時に変な臭いがする原因にもなります。
天気が良く湿気が少ない日に、風通しの良い場所でシッカリ乾燥させる事を意識しましょう。外干しなら10時~14時頃までの間で完全に乾かしましょう。それ以外の時間帯だと徐々に湿気が溜まってくるので、干した意味が無くなってしまう事もあります。
洗濯物同士の隙間が無い程に乾きにくく、ある程に乾きやすい。衣類の間は乾燥にムラが無いように風を通すため隙間を開けておきましょう。一気に終わらせたい場合でも、干す場所が狭いなら複数回に分けて洗濯を行う事をおすすめします。
干す為に多数のハンガーが一体になったタイプや、物干しなどは便利ですが、全てに洗濯物をかけるとどうしても乾きにくくなるので、効率よく短時間で乾かす場合は1つ置きにするなどスペースを開ける様にしましょう。
外干しは埃やゴミ、害虫や虫の卵、排気ガスや花粉やpm2.5などが付着する事も少なくないので、取り込む際にははたいたり、ブラッシング等を行って落としてから畳んで収納しましょう。
部屋干しなら天気などは気にせずで良いですが、湿気が溜まり乾燥しにくく雑菌が繁殖しやすくなります。エアコン、サーキュレーター、除湿器、乾燥機などを上手に使って短時間で乾かす様にしましょう。
しまい洗いをクリーニングに依頼した方は、返却された袋に入れたまま収納に保管する人もいらっしゃいますが、返却時のビニール袋は通気性が無く直ぐに湿気が溜まるのでNGです。
家に戻ったら袋から取り出し風通しをして湿気を飛ばして、不織布製の衣類袋に入れて保管して下さい。
しまい洗いのアイロンの注意点
アイロン掛けを行う際は、洗濯表示タグをしっかりと確認してアイロンがけができるかどうか見ておきましょう。熱に弱い素材やスチームがダメなものもありますので、なんでもアイロンしてしまうと危険です。
アイロン掛けの直後は水蒸気や熱で洋服は湿っています。このまま収納すると新たなシワがついたり、湿気からカビを招く恐れがあるので、熱や蒸気が飛んでから収納しましょう。
衣替え時のしまい洗いはクリーニングがおすすめ
普段のお洗濯では落とすことの難しい浸透した汚れや、お洗濯の難しい衣類などを長期間保管する場合は、クリーニングがおすすめ。
クリーニングにはドライクリーニング、ウェットクリーニングがありますが、ドライクリーニングは石油系などの有機溶剤を使用しているので、油溶性の汚れは落とせるが水溶性の汚れは落とせないので、しまい洗いの際は水洗いやウェットクリーニングを利用する事を推奨します。
ドライクリーニングは価格が安いので見た目を綺麗にする為には良いですが、衣替えの時だけはシッカリ汚れを落とす事を意識して、それらを行えるクリーニング業者に依頼しましょう。